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第2話 勇者死すニャ! やったニャ!

「くんか...くんか。さあさマイケル。ギルドに行こうね~?」

「ニャ....ニャアアア」



 何がマイケルニャ! こっちがホワットニャ!

 

 面倒くさいメスブタに捕まったニャ!

 今ドラは召喚された勇者の一人に拉致されてるニャ!

 言わばドラは捕らわれのヒロインニャ.....だいたい終盤で助かってるのが納得行かないニャ

 

 そういえばニャ?

 このメスがドラを抱きかかえる時、他の異世界者の男2人はイヤな目をしていたニャ?

 まるで嫉妬してるかのような。笑えるニャ



家畜同士の『メス争い』は見てて滑稽だニャ!



 3人の勇者は素質は申し分ニャいらしいがレベルが低いんでレベリングに出るらしいニャ?

 勿論バラバラニャ?

 初期は強い仲間をギルドでパーティーに入れて勇者がある程度育ったら、いよいよ勇者同士で組むらしいニャ?


 人間畜生の分際で知恵が回るニャ?

 男勇者の1人は『効率的なレベリングをしよう』とか言って女勇者の胸をチラチラ見てたニャ? 



多分DTニャ!



 ドラ?

 ドラはDTじゃないニャ? 

 裏の家のキティから3軒先の三上さん家のミーちゃんまでプチハーレムを作ってたニャ?

 でも.....



ドラの『ハーレム』の野望はこんなもんじゃないニャ!ニャオオオオン......



「ゆ、勇者!? 俺と組ませてくれ!」

「私よ! 私が先よっ!」

「はわわわ」



 どうやらこのメスブタ『女勇者』はギルドで大人気らしいニャ?

 スキル『全攻撃耐性』とやらを持ってるらしいが、そんにゃにスゴいのかニャ?

 どうせドラの足元にも及ばにャいニャ? 足元どころかドラの肉球の表面にすら負ける哀れなスキルニャ。おとといこいニャ


 スキルといえば

 

 ドラもいい加減『ステータスオープン』したいニャ?

 このメスブタが抱いたまま片時も離れないからいまだ見れてにゃいニャ? 『能ある猫は爪を隠す』作戦、継続中ニャ?



「ガハハッ! 猫を抱きかかえて、さしずめ『猫勇者』ってトコか! ヨロシクなっ!」

「勇者様とご一緒出来る事.....誇りに思います!」

「こ、こちらこそヨロシクお願いしますっ!」



 なんかメスブタが大柄の男と小柄な女をパーティーに加えたみたいニャ?

 こうして見ればこの2人もそうだし女勇者も大した良い装備ニャ。王様に貰ったのかニャ


 ドラ?

 ドラは装備どころかキャットフードの1つも貰えなかったニャ?

 フザケてるニャ。こんな儚げな猫を



「『猫勇者』さんよ? この辺の魔物は弱いんだ。だが....念のため俺の後ろ。つまり後衛だ」

「回復は私がいますから! 安心してくださいね!」

「あ、ありがとうございます! さ、マイケル....」



 『城の外』に出て早速ピクニック気分だニャ? 家畜同士の麗しいパーティー愛かニャ?

 分かってないニャ。外は魔物が闊歩する戦場



生半可な覚悟では痛い目にあうニャ!



「と.....敵さんだ」

「コボルト1体....なんも問題ありませんね」

「マイケル! 後ろに隠れてて!」



 やったニャ! メスブタから解放ニャ! コボルト様様ニャ!

 後はコッソリ隙を見てメスブタどもから逃げ出すだけニャ! 長くツライ戦いだったニャア! 早速ドラズダッシュニャアア! ダダダダッ



 ゾク.......



 なんだニャ? なんか急に寒気がしたニャ? これは.....

 次の瞬間! 頭に予期せぬ情報が入ってきたニャ!



 (コボ...ト...である....集団を好む....単独活動....アサシン.....大変危険......)



 ??

 良く分からない断片的な情報ニャ?

 コボルト? 

 単独活動? 

 まさに今居るニャ? ドラ様をメスブタの魔の手から救ってくれるであろうヒーローニャ? 何がしたいんだニャ?


 ちょっと離れた場所からコボルトに意識を集中してよーく見たその時ニャ!



アサシンコボルト



 Lv:28

 Hp:224/224

 Mp:0/0


 つよさ 76

 はやさ 94(+20)

 まほう 25


『スキル』

はやさ強化 爪撃 2回攻撃

『ユニークスキル』

即死攻撃LV1



「き、きたニャ! 『ステータス』見れるニャ! ニャハ!」



 うっかり声だしてしまったニャ

 ドラズチートがきた瞬間だったニャ テンションも上がるってもんニャ


 しかし

 メスブタと愉快な仲間達は大丈夫かニャ? これ

 初戦闘にしてはヘビーな気がするがニャ? まあ動物同士の争いとか高貴なドラ様には興味ないし、勝手にやってろニャ



「おーっし! さあいっちょやるか! 姉ちゃん達は俺の後ろから援護してくれ!」

「炎魔法! いきますよ」

「はわ.....はわわ....」



 コボルトさんをよってたかってヒドイやつらニャ? ハイエナにも劣る犬畜生ニャ? あ、ハイエナも人間も大差ないニャ。ニャハ

 コボルトさんはコボルトさんで不気味な含み笑いをしてるニャ? 遠くからでも分かるニャ?



ドラ様の視力をナメちゃいけにゃいニャア!



「ちょこまか避けやがって! これでどうううううううう」

ズシャア!

「炎魔法! バーニングううううううう」

ズシャア!

「はわ.....はわわ....え...?」 



 ......一瞬の出来事だったニャ

 大柄な男が斧を振りかざしたその瞬間

 アサシンコボルトは目にも止まらぬ速さで、その爪で男の首を切り

 続けざまに小柄な女の首を! なんという手際の良さニャ

 それも声すら発することすらなく静かに.....

 2人の人間の『生』が静かに幕を閉じた瞬間だったニャ......

 1つ言わせてもらうと.....

 


うけるニャ! キレイな首チョンパニャ! ニャハハハハ!



 というか

 何処にあれだけ長い爪閉まっていたのかニャ? ちょっとしたナイフくらいあるニャ?

 あの爪を見るまではただのコボルトと勘違いしても仕方ないニャ


 まあドラ様の爪に比べたら美しさと奥ゆかしさが足りニャいかニャ? さしずめ65点ってトコニャ? ニャハハ



「はわわわ...お命だけは.....だけはわわわっおかあしゃん」



 ニャ?

 メスブタが何やらテンパってるニャ? 悲鳴にともつかぬ声が耳をつんざくニャ?

 ニャハハ小便まで漏らして。ブタだけに不様な格好ニャ?



「お...ひのち...やけは....お...きゃ...あさ...」



 ニャ! これヤバイやつニャ!

 既に腹を爪で引き裂かれてたのかニャ? コボルトさん、ホルモンとかイケるクチかニャ?

 スゴい血の量が緑の草を赤く染めてるニャ? 

 1つ言えるのは



勇者死すニャ! やったニャ! コボルト様様ニャ!



 とりあえず勇者の持ち金奪うニャ! 有り金全部だニャ!

 というか



勇者一行、持てる物全部身ぐるみ剥がすニャ!ニャアアアア!



「アオーーーーーーン......!!」



 ニャハハ。コボルトさんも喜んでるニャ。『勝利の雄叫び』ってヤツニャ? みんな揃ってハッピーセットニャ


 ニャ?

 そのコボルトさんと今、目が合った気がしたニャ?

 多分気のせいだニャ?

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