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第17話 使えるニャ! ゴブリン軍団は使えるニャ!

「こちらが本日のメインディッシュ。白身魚のムニエルでございます」

「ニャム....ニャム...」

「あの....ケット・シー様?」

「ニャム....」



 アンが部屋でラリってる間に夕食を頂いてるニャ

 考えてみれば昨日の暗殺ギルドから今の今までロクにモノを食べてなかったニャ

 ドラは夢中で出された料理をたいらげるニャ

 殆ど寝てないし....

 Mpもそろそろヤバイことになってるニャ



これじゃあ不眠不休の哀れな野良猫ニャ!ニャオオオン.....



 Mpは充分な食事に充分な休息をして初めて回復するニャ

 回復といっても微量。

 そりゃあ一撃で回復が見込める『Mp回復薬』も貴重になるってモンニャ

 

 ドラのMpは最大28にゃんだが

 残り6しか残ってないニャ!

 あの忌々しいメスブタのせいで.....



とにかくアンのいぬまに束の間の旅行を満喫だニャ!



 しかしニャ

 この白身魚といい前菜の『じゃがいもの冷製スープ』といい.....



「あの...お客様? いかが.....なされました?」

「ニャム.....あのニャ?」

「は、はい!?」

「中々どうして。良いシェフを雇ってるニャア!?」

「あ、ありがとうございます!」



 ニャハハ

 こんな辺境のはずれにある宿屋が予想外の掘り出し物だったニャ?

 美食家のドラ様の舌をうならせるとは滅多にないことニャ?

 ドラは上機嫌だニャ



「それにこの魚のムニエルニャ....」

「は、はいっ!?」

「ドラ様の『猫舌』を考慮してソースを意図的に冷ましているニャ.....恐らく...」

「.....」

「上から。ソースの上から冷たいレモンソースを創作(オリジナル)でかけた、ニャ?」

「!! 申し訳ありませんっ! 差し出がましい真似をっ!」

「ニャハハ。客ひとりひとりに対する真心が伝わったニャ。ドラは満足ニャ」

「ありがとう......ございます......!」



 楽しい楽しい食事の時間だニャ

 思えば異世界に来てからハーレムどころかロクなことがないニャ 

 戦士ドラにも休息が必要だニャ



「中々の馳走だったニャ。特に中菜の『彩り春野菜のパスタ和え』が良かったニャ? 見た目とは裏腹にまろやかな仕上がりだニャ」

「隠し調味料に我が国、西アルメキアの『ハチミツ酒』を少量使っておりまして....しかし最近この『ハチミツ酒』。値段が高騰してまして」

「高騰....?」

「最近ゴブリン....どもが徒党を組んで好物のハチミツ酒目当てにこの先にある製酒造所を幾度となく襲撃しています。国をあげて撃退しようにも危険な魔物のうえ数が数で.....」

「ニャルほど....」



 ニヤリ、ニャ

 策士ドラ様いまだ衰えずニャ

 ドラ達が召還された国が『西アルメキア』という名前なのはどうでもいいとして....

 


使えるニャ! ゴブリン軍団は使えるニャ!



「ーーと関係ない話でしたね。ところでお連れ様の料理はいかがなさいます?」

「パン以外全部ドラが食うニャ? 早く持ってきてニャ?」

「わかりましたっ!」




ーーーーーー




ゴトッゴトッ.....



「ドラ様? いい宿でしたね? フカフカのベットに....あんなおいしいパン中々食べれませんよっ!」

「ニャ.....」



 宿を出て再び馬車で悪夢の旅ニャ

 

 アンの肌が心無しかツヤツヤしてるニャ?

 嫌がらせでアンに出されるハズの料理もドラ様がたいらげたのに妙に満足してるのが腹立たしいニャ

 どんな生活してた、って話だニャ



みゃあ。お前とは今日でオサラバだがニャア!



 ハチミツ製酒造所を襲撃するゴブリン

 見た目は全身緑色の小さい小人、といったトコロかニャ?

 剥き出しの歯に人間のガキくらいの知性を併せ持つ中々プリティーな魔物ニャ

 でも.....



実は結構危険な魔物ニャ?

 


 そこに天才策士ドラ様のコラボと来ればニャ?

 どうなるか分かるかニャ



アンはゴブリンに無惨に殺される運命にゃのだよ!ニャハハハハ!



 ドラが策をめぐらせていると馬車の人が口を開けるニャ



「....と。リブロフ行きのお客さん達。ここからちょいとばかり注意だ。これからハチミツ酒造所を通る。知っての通り今はゴブリンが出没しやすい大変危険な場所だ。まあ、車衛の俺一人で大丈夫だとは思うが.....」

「えっ! ゴブリン!? こわいですねっ」

「ハハ。大丈夫だキレイな姉ちゃん。こんな時の車衛だ。俺の後ろにいればいい」



 アンのこの外ツラの良さはにゃんなんだろうニャ?


 そういえば先の宿屋でも知らない男どもに声をかけられていたニャ?

 ブタはブタがお似合いといってもアイツらアンの本性を知らな過ぎニャ



アンはクソビッチニャ! みんにゃあ! 騙されちゃいけないニャ! ニャオオオオン....



「まさか! ゴブ....リン!?」

「えっ!?」

「なんて数だ.....10以上はいるぞっ! 何故こうもピンポイントに....!」



 ニヤリ、ニャ

 こんなにうまくいくとは思わなかったニャ

 ドラはツイてるニャ

 

 タネを明かすと

 昨日の夜ドラはある『仕掛け』をしたニャ

 ハチミツ製酒造所を組織的に襲うゴブリン

 国が動いてるにも関わらず未だ撲滅できていないゴブリン.....



間違いなく! 知性の高いリーダー格のゴブリンがいるニャ!



 知性が高いゴブリンさんとくればニャ?

 ドラズペンで書いた昨日の素敵な書置きもきっと読めているハズニャ?



『~最近ハチミツ製酒造所の警備が固くて困っているあなたへ

 

 危険を冒して忍び込まずとも

 明日の午前

 きっと良いことがありますよ?

 製酒造所からちょっと離れたこの場所で

 若い女を乗せた無防備な馬車

 素敵な出会いが待っています

 

 お日様が真上に上がる頃

 あなたは笑顔になっています


 親愛の証にハチミツ酒1本と『疾風のダガー』を贈ります

 あなたの友だちより~』



 頭の良いゴブリンさんならこの書置きと暗殺ギルド長から頂いた『疾風のダガー』の価値に気付くハズニャ?

 どんな良いダガーでもドラは装備できないしニャア?

 『ドラズ計略』のためにここでダガーは使わしてもらうニャ?

 

 ニャハハ

 ギルド長の笑顔が目に浮かぶニャ

 『ドラ様の役に立てた』って喜んでるニャ?

 とにかく....



軍師ドラ様による『アン抹殺計画』はここに事を成すニャ!

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