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第16話 忌々しいメスブタだニャ! 歩く爆弾岩ニャ!

「旅人の宿『シュプール』へようこそ。料金は前払いになります。2食付きで銀貨1枚」

「じゃあ2枚払います。このケット・シーの分の料理もお願いします」

「ケット・シー!? 初めて見た....こりゅあ今晩の料理は頑張らないとっ!」

「ウフフッ....お願いします」



 悪夢ニャ.....

 楽しい楽しいドラズいい旅夢気分のはずが

 これは悪夢ニャ!

 

 悪夢の元凶のアンのほうは妙に楽しそうにしてるのがイライラするニャ!

 【幻惑】はとっくに切れているハズなのに

 

 どうしてこんなことに.....



「ドラ様?」

「.....」



 しかしこの旅人の宿

 馬車に乗ってから夜間通しでの翌日

 日も暮れて

 馬車ともども立ち入ったワケだがニャ?



痛いトコロの価格をついてくるニャ!



 銀貨1枚で10000円相当

 こんな辺境にポツンとある一軒家じゃベットの質も料理の質も知れているニャ?

 4000円も払えば質の高いベットに栄養満点の朝食付きのこのご時世ニャ?



これは今のホテル業界に対する挑戦状ニャ!



 まあいいニャ

 ボッタクリであろうと

 金は全部アンが出せニャ?

 家畜の分際でドラ様の優雅な旅を邪魔してるからニャ?

 それくらい当然だニャ?



「ドラ様? お勘定お願いします」

「ニャニ! アン....お前が出せニャ?」

「私、お金無いです」



 .....。

 温和なドラ様も堪忍袋の緒が切れそうニャ?

 金が無いけど旅行には行きたい、

 って何処の田舎に泊まろうニャ?

 

 しかも無理矢理

 こんな嫌がってる儚げな猫を捕まえて無理矢理ついてきたニャ



「....してよ」

「ニャ...」

「ねえ早くしてよー! 使っちゃおっかなー!? 使っちゃおっかなー!? 馬車の中で『心中』の効果説明したよねー!? 説明したよねえー!?」

「あの......お客様...」



 アンのスキル『心中』

 自分と相手を必ず死に至らしめるとかいうトンデモスキルだニャ

 

 これを馬車の中でもチラつかせられ....

 結局脱走も叶わず。【幻惑】でも殺せなかったニャ

 


全く忌々しいメスブタだニャ! 歩く爆弾岩ニャ!


 

 しょうがにゃくドラズ小銭入れから銀貨2枚出したニャ....

 旅の初日にして痛い出費だニャ...



「わあ...ここが私たちの部屋ですねえー」

「アン...お前金無いってマジかニャ?」

「マジ....で~すっ!」



 ブ、ブン殴りたいニャ!

 舌を出してウインクして.....

 文無しのくせに何故か得意気に『てへぺろ』感出してるニャ!

 


「金なんて道中で奪えばいいんですよー?」

「ニャ....お前本当にあのアンかニャ?」

「そんなことより。最高ですね! 旅ィ! 私初めてだから....」


 

 そう言いながらアンはいそいそと服を脱ぎ出したニャ



「一体何してるニャ? 家畜らしく泥浴びでもするのかニャ?」

「え? これ『下準備』ですよ? ほら。ドラ様の術かかったら失禁したり変な液が全身から出ちゃうから....服汚さないように」



 生意気にもアンの中ではもう【幻惑】をかけて貰えるの前提らしいニャ

 これには仏のドラもついに切れたニャ!

 ドラ様の高貴なスキルが完全に悪用されているニャ!



ドラのスキルは『世界平和』。つまりドラ様のために存在する高貴なスキルニャ!ニャオオオオン.....



「かけないニャ?」

「ドラ様? 何言ってるんです?」

「もう一生かけないニャ? だいたい金も払わないで飯をバクバク食ってスキルでラリってお前何様ニャ? 家畜の豚でももうちょっとマシニャ?」

「......」



 ニャハハ

 急に黙ってしまったニャ?



「......」 

「ニャハ」


 

 さすがにこたえたかニャ?

 一生『禁断症状』で苦しんでいろニャ?

 

 ドラは圧倒的上位種の『猫』

 お前は所詮『人間』にゃのだよ



「.....ヒハッ」

「ニャ?」

「スキルゥ『心中』うううう! はっつどうううー! キャハッ!」

「ニャニ!?」



 次の瞬間!

 ドラの意識が急に遠く....

 肉球に力も....入らニャイ!?

 ヤバ....イ...ニャ....このスキル...コイツここまでイカれ...

 

 最後の力を振り絞って.....!

 ドラの健気なノドが声を発するニャ!



「い...ま...かける....かけるニャ!」

「あっ! そっちですか! まあいいでしょう...解除!」


「ニャア! ハァ...ハァ...ゼェ...」



 コイツ

 躊躇いもなく....!


 躊躇いもなく『心中』を発動したニャ!


 

「わ、分かってるのかニャ! アンも死ぬんだニャこれ!?」

「もちろんですよ? 最高じゃあないですか? ドラ様と一緒に死ねるなんてえ」

「ニャ.....?」

「術も最高ですけどねっ? 今回は....そっちにしておきましょうか」



 く、狂ってるニャ!

 アンは死ぬことを....死ぬことを何とも思ってないニャ!

 このままではいつか殺される....

 早くなんとかしないとニャ!



「ねえ! はやくしてよおー! はやくかけてよおー! はやくしろおー!」



 アンは全裸でバスタブのほうで構えてるニャ.....

 天下のドラ様がどうしてこんなことを

 しょうがニャイ....今は....

 


この屈辱! いつか必ず100倍にして返してやるニャア!



「ひっ....ひゃうっ! き、きたっ!」

「覚えてろニャ....必ず....」



 ピタ・・・!



 ニャ?

 急に静かになったニャ?



「スゥーーーー.....ハッ! スゥーーーー....ハッ!」

「ニャ.....?」



 アンが何故か座禅を組んで瞑想的な何かに入ってるニャ?

 全裸でバスタブで瞑想とか間抜けな光景この上ないニャ

 

 

一見偉い修行僧っぽい感じだけど、お前ただラリってるだけだニャ!



「スゥスゥスゥーーースゥーーーーーーー.......」

「ニャ?」

「ハッ! ハッ! ハッ! スゥーハッ! スゥーハッ! スゥーハッ! スゥーハッ! ス...ハッ! ス...ハッ! スハッ! スハッ! スハッ! スハッ! スハッ!」

「ニャ.....」



 ムカつくニャ

 色々なラリり方を開発してる感じが非常にムカつくニャ

 完全にドラ様のスキルが悪用されてしまっているニャ


 とにかくコイツがラリっているうちになんとかする方法を見つけにゃいといけないニャ

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