表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/2

第一話 ~海軍省~

基本不定期


素人作品ですので何かがおかしい可能性があります


あらかじめご了承ください。

1945年3月1日 大日本帝国 帝都 東京 海軍省


「それでは本当なのか?ソ連が攻めてくると言うのは・・・」


大臣執務室に悲壮な声が響く。


「確かです。なんせ当のソ連からの亡命者、それも極東軍の参謀職にあった人物の証言ですからね。」


デスクの前に立つ男がそれに答えた。


「このことを知る者は?」


「ここにいる我々と、陸軍の上層部、それに主要閣僚だけです。」


「陛下はご存じないのか?」


「これは衝撃的すぎます。ある程度対策を検討してからご報告申し上げるべきというのが総理の判断です。」




時は昭和二十年三月、レイテ沖海戦に敗れた日本は日に日に敗戦へと突き進んでいた。

すでに艦隊や航空機を動かす燃料や、食料すら満足に無く、後はただ戦争が終わるまで消耗し続ける状況にあった。

そうした苦境に立たされていた中の2月28日、さらなる衝撃が日本を揺るがした。


「ソ連に日ソ中立条約の破棄と満州などへの侵攻の動きあり。」


事の発端は2月20日に満州国に脱出・亡命してきたソ連極東軍の作戦参謀、ヨシフ・ケレンスキー大佐がもたらしたヤルタ密約の内容と侵攻計画の存在である。



「我々も早急に対策を立てなければならないな。」


「ソ連が攻めてくるとなると大陸からの避難民や撤退してきた陸さんの輸送についても検討しなければなりません。」


「幸いにも彼らの極東艦隊はそこまで強力ではありません。ですから航空基地からの攻撃にさえ気をつけていればどうにかなるでしょう。」


当時、ソ連極東艦隊の母港ウラジオストクには、巡洋艦二隻、駆逐艦十一隻、水雷艇二百隻以上と有力な艦艇が多数存在し、そのほか多数の航空機が陸上基地に展開していた。


「しかし潜水艦はどうする? かなりの数が展開しているそうじゃないか。」


水上艦艇の他、八十隻弱の潜水艦が所属しており、開戦となった場合艦隊や輸送船などにとって重大な脅威となる可能性が高かったのである。


「そこは海上護衛総隊になんとかしてもらうしかないな。」


「現状でも敗戦まっしぐらなのに、共産主義者の相手までしたらどうなってしまうのだ・・・。」


室内にいる者の顔には一様に暗い影が落ちていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ