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二十五話

今回も短め。

 お兄様に会いに第五修練場まで行く途中で、ミトゥレ様がまだ授業中だったのを思い出した。ちょっと不味いかな、とも思ったが、ちょうど今は自習。見学ということにしてミトゥレ様と一緒にこの場にいる。教師に聞いてみたらあっさりOKをだしてもらえたし、たぶん問題ないだろう。ちなみに、お兄様がいる場所はヘルガさんに聞いた。メイドさんマジ万能。


 そんなわけで、俺はミトゥレ様とヘルガさんを連れて第五修練場に見学に来ている。もちろんシスとエインも一緒だ。


 建前とはいえ、見学している素振りを見せないと流石によろしくないので、一応先輩達の様子を見る。魔法が飛び交ってたり人がぴょんぴょん飛んでたりして見た目にも派手で見てて楽しいし、ミトゥレ様も楽しそうだし、咄嗟の言い訳だったが見学ってことにして良かったと思う。


「……なるほど。そんなことが」


 ただ、いつまでも見学していても仕方がないので、早速お兄様のところへ行ってさっきの件を簡単に説明した。ミトゥレ様は見学に夢中だったので置いてきたけど。


「お兄様はどう思いますか?」

「そうだね……気絶した状態だったのなら、そもそも魔法が発動してない可能性もあるね。幻みたいに、あたかもその場にあるように見せる魔法もあるから。そういう魔法なら副会長が得意だし、聞いてみようか。副会長!」


 そう言ってお兄様が副会長を呼ぶ。副会長か……そういえばあの人、幻術っぽい魔法を使ってたな。あの時の女の子には効いてなさそうだったっけ?


「ルベルトくん、どうしたの? ……あら、弟くんも一緒なのね」

「お久しぶりです、副会長」

「やあ副会長。ちょっと聞きたいことがあってね」


 そんな前置きをして、お兄様が副会長に軽く説明する。その間、お兄様は楽しそうな顔をしていて、逆に副会長は随分と苦い顔をしていた。


「念のために言っておくけれど、わたしはやってないわよ? 幻系統の魔法はあまり離れたところからは発動出来ないものばかりだから、もし幻系統の魔法が使われていたなら使用者はその場にいた人間でしょうね」


 ……なるほど。流石にあの場に誰がいたかなんて覚えてないし、特定なんて出来るわけないか。……ちょっと怪しい気もするし、一応後で幻術系の魔法について調べておこう。


「そもそも、幻系統の魔法が使われていない可能性も十分あるわ。生徒達が操られていたかもしれないし、私達の予想もつかない魔法だったかもしれないじゃない」

「必死だね、副会長。何か隠し事でもあるのかな?」

「……貴方は知ってるでしょう」

「何の事かな? 僕には分からないから教えてほしいな、副会長」

「本当に、嫌味な男ね……!」


 何故か二人のじゃれあいが始まった。二人とも生徒会員らしいし、やっぱり仲が良いんだろう。用事は一応終わったし、このまま二人のやりとりを聞いていても良いんだけど。


「仲がいいんですね」


 お兄様の方は楽しそうにからかってるけど、副会長の方はちょっとキレそうな感じもするし、一応会話に割り込む。


「この状況をどう見たらそういう評価になるのよ……」

「お兄様は親しい相手ほど遠慮がなくなりますから」


 色んな意味で。


「……そうだったかな?」

「少なくとも、僕から見ればそうです。それと、表情にもでますね」


 特に楽しそうにからかうことが多い。たまにやり過ぎて相手を怒らせることもあるから、欠点というのは誰にでもあるものだと思う。


「へぇ……なるほど。これは良いことを聞いたわね」

「……ところでベイセル。王女様との関係はどうなったのかな?」

「どう、と言われましても」


 あからさまな話題そらしに乗るのは良いんだけど、ミトゥレ様との関係か。一週間で変わることなんて特にないと思うんだけどな。強いて言えば、毎日の朝練と寮内でシスと遊ぶ時にエインが加わったくらいだし。


 返答に困ったのでミトゥレ様の方へ視線をやると、何故か見知らぬ先輩と魔法の打ち合いをしているのが見えた。どうやら見学だけでは我慢できずに参戦したらしい。あの人も大概……何というか、体を動かすのが好きだよな。


「仲は良い、とは思いますよ」


 一応毎日一緒に住んでるしな。これで仲が悪いとか言われたら、ショックだし気まずいしでものすごく困る。


「そういえば一緒に来てたわね。それで仲が悪いってことはないでしょう」

「同じ部屋に一緒に住んでるくらいだからね。不満も出ていないようだし」


 何言っちゃってんですかお兄様。前もそうやって言おうとしてたし、お兄様的には他人に言ってもいい話なのか? ……後で聞いてみよう。


「次、スェイロさん」

「あ、はーい! ……詳しく聞けなくて残念。じゃ、またね」


 教師に呼ばれて副会長がそっちへ走っていった。お兄様に散々からかわれたのにもう立ち直ってるってことは、そういう扱いに慣れてるんだろうな……不憫な人だ。あるいは、俺をからかう気満々だったとか……そっちの方がありそうだ。


 まあいいや。ちょうどお兄様と二人になったし、聞いてみようか。他人に言ってもいいのか……というより、何で同室にしたのか。


「前から聞きたかったんですけど、どうしてミトゥレ様と同じ部屋にしたんですか? 流石に色々問題があると思うんですけど……」

「ああ、ベイセルにはまだそのことを話してなかったね。ベイセルと第三王女様は婚約してるんだよ」



「…………婚、約?」


 …………えっ?


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