私の事情
私は、呪われる運命だ。
いきなり「え?何コイツー」って思うだろう。
…ぶっちゃけ私もそう思うよ!!当事者じゃなかったらね!
私、シルティア·オーディンは乙女ゲームの敵キャラだ。ヒロインの邪魔をして、最終的には私が死んでヒロインが意中の彼と結ばれるのだ。…つまり死亡フラグあり。
現在、7歳の私は10歳になると同時に呪われる。
「シルティ!」
「…リファ」
「どうしたの?…今日は元気ないね?」
幼なじみのリファオス・ラグナによって。私はリファと呼んでいるが、彼は茶色いストレートの髪で、黄色くてまん丸な目が可愛らしい男の子だ。今も、その綺麗な瞳で私を心配そうに見つめている。
そして魔法も呪いも何でもありなこの世界で、リファオスはとてもその才能に恵まれている。
「何でもないよ、リファオス」
「…嘘。シルティが僕を愛称で呼ばない時は、いつも隠し事をしてるでしょう?」
「…そんなことない」
「前に鏡を割ってガラスを撒き散らした時もそうだったよ」
…あー、確かその時も同じようなこと考えてたっけ。あれは不注意だ、ドジな訳ではない、うん。
「…ねえ、言ってくれないの?僕はシルティにとって頼りない?」
私に責めるような視線をよこしたあと、目を潤ませてリファオスはベッドに腰かける私にもたれ掛かる。
…こんな弟みたいな彼に近いうちに呪われる私はやはりドジなのかもしれない。