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駆け巡るLOVE、開かれるDOOR

作者: 宇治宮王子

商店街の脇道を自慢の自転車で立ちこぎダッシュ。


この街の匂いや音を全身で受け入れるんだ。


精神年齢が低くても気にするな。


周りはバカだって言うけども、本当にバカだから受け入れろ。


とにかく今は他人の言うことに従え。



男「バカ、バカ、バカ」


自転車に乗っている女「はい はい はい」



2000円の蕎麦を飲み込んでいる男に罵倒されようが、構わない。


私は強い女にならなければならない。


そうしたら、大好きだった彼も喜んでくれる。


縁を切った親や兄弟だって、もう一回やり直せる。


希望を持って走り続けるのよ、この街で。


この街だけは、私を裏切らないって決まってるんだから!



爺「バカ バカ バカ」


自転車に乗っている女「はい はい はい」



病院から出てきた坊主頭のお爺さんに罵倒されようが、構わない。


大地と調和し広い心を持とう、私は寛大な女神なんだと言い聞かせよう。


ああ、肌を撫でる風が気持ちいい、地球に生まれて良かった、この街に生まれて良かった。


そして全ての人間達よ、私が愛してやるわ!



運転手「バカ バカ バカ」


自転車に乗っている女「はい はい はい」



午後4時、重量トラックが、急に飛び出してきた自転車を轢いた。

自転車に乗っていた女は重傷、最寄の病院に運ばれるが、昨夜死亡が確認された。



自宅には遺書が残されていた。



轢かれたあとの彼女は静かに笑っていた、世界は平和に向かって歩き出す。

自棄になると、やたら街の風景や人々が愛しくなっちゃいますよね。

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