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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

七度目の目覚めの別れ

作者: Emedi
掲載日:2026/05/25

この作品は現在準備中です。物語の各章は、より良い形で皆様にお届けできるよう、心を込めて制作しております。完成次第、順次公開していく予定ですので、どうぞお楽しみにお待ちください。


この物語は、「原初の血」を巡る壮大な冒険と、親友を救うために繰り返される悲しき別れの物語です。七つの領域を舞台に、時間の流れすら異なる世界で、少年スタミが背負う運命とは——。


設定や世界観について、ぜひ皆様のご意見や感想をコメント欄にお寄せください。作者にとって何よりの励みになります。今後とも応援よろしくお願いいたします!


2024年3月17日。

街の中心にそびえる大きな時計が、にぎやかな日曜日の正午を告げていた。


空気は絶え間ないクラクションの音で満たされ、ガラスとコンクリートの街並みに響き渡っている。


人々はいつものように生活を営んでいた。

遊び場では子供たちが笑い声を上げ、公園では家族連れがピクニックを楽しんでいる。

少し離れた場所では、犬を連れて走っていた男性が足を止め、体を動かす若い女性たちに目を奪われていた。


都会の喧騒から遠く離れた場所。

チラコの屋敷に広がる大きな湖には、厚い雲の隙間から太陽の光が差し込み、静かな輝きを放っていた。


「デンゼル!こっちにおいで。一緒に小麦畑まで来てくれ。お前の助けが必要なんだ」


声の主は、古くて汚れたシャツを着た、質素な身なりの男性。チラコおじさんだ。柔らかくも、どこか急ぐような口調だった。


「はーい、チラコおじさん!

母さん!母さん!俺、チラコおじさんと小麦畑まで行ってくるね!」


遠くから母親の声が響く。

「わかったよ。帰りがけに畑まで寄って、キャベツを一つ取っておいで。晩ご飯の支度をするからね」


「了解だよ、母さん!」


デンゼルは、若さに任せた速さで走り出した。


彼はチラコおじさんが大好きだった。

年を重ねたおじさんの人生は経験に満ちており、話してくれる昔語りはいつも魅力的で、少年を夢中にさせた。


「母さんがキャベツを取って来いって…

ねえおじさん、他の野菜じゃダメなの?」


デンゼルは鼻にシワを寄せ、嫌そうに唇を曲げる。


「キャベツなんて…最悪だよ!まったく美味しくないんだから!」


おじさんは低く笑い、目元に光を浮かべた。


「はっはっは。デンゼルよ…お前は母さんの言いつけを守らなきゃな。

嫌いでも、言われたことはやるものだ。それに、お前はまだ子供なんだから」


「おじさんの言う通りだよ」


チラコは身をかがめ、甥っ子の肩に手を置き、ささやいた。


「だが、ここだけの話…

俺だってキャベツは大嫌いなんだぜ」


そう言って、悪戯っぽくまばたきをする。

少年は途端に、満面の笑みを浮かべた。


二人は小麦畑の中心へと歩き、一本だけ立つ大きな木の、心地よい木陰に腰を下ろした。


その瞬間、空気が変わった。

チラコの表情が厳しくなり、声に重みが増す。


「デンゼル。

俺がお前をここに連れて来たのには理由がある。

今日はいつものように長い話をするためじゃない。俺に残された時間は少ないんだ。だから、率直に言う。

俺は…もうすぐ死ぬ」


少年の体が一瞬で凍りつき、心臓が大きく高鳴った。


「どういうこと?

おじさん!母さんを呼んでくる?救急車を呼ばなきゃ!」


「いや、必要ない。何もするな。

ただ、俺の言葉を聞いてくれ」


チラコの瞳は遠くを見つめ、一点に集中していた。


「ずっと昔、俺は僧侶としての生き方を捨てた。

お前の父さんが亡くなってからは、お前の母さんを守ることに尽くしてきた。長男としての役目だったからな。

だからこそ、お前たち姉弟を育てるなら、都会から離れた場所が良いと思った。

この街の外にある、悲しみや危険から遠く離れた場所…

これから世界を知っていくお前たちの純粋さを守るためだ。


俺はお前を立派に育てたかった。

できるだけ清らかで、正しい心を持つ人間になって欲しかった。

そうすれば、人の心に触れ、悪しき魂を変え、世界を良い場所にできると信じていたからだ」


「なんで今、そんなこと言うの!?

俺、やっぱり救急車を呼んでくる!」


デンゼルの声は震え、パニックになりかける。


「デンゼル、落ち着け!」


チラコは足に力が入らなくなり、杖に体を預けながらゆっくりと膝をついた。


「おじさん…世界を良くするって、どういう意味だよ?

今の世界じゃダメなのか?俺たちはこうして幸せに暮らしてる!食べるものもあるし、家族仲も良い!

俺だって姉のルナと母さんと、今年はウォーターパークにだって行ったんだ!」


こらえていた涙が、デンゼルの頬をつたった。


「わかっている。だが、お前はまだ子供だ。

都会の痛みや苦しみを知らずに育ってきた。世界の本当の姿を知らない…

だが、お前にはもっと大切なものが備わっている。

清らかな心と、優れた頭脳だ。

お前には、世界を変えるための完全な素質があるんだ…」


チラコはせき込み、乾いた音が響く。「カッ、カッ!」

命の火が消えかかっている証拠だった。


「またその話?世界を変えるなんて…意味がわからないよ。

俺にそんなことができるの?」


「これがあれば、できる」


チラコは首から、ある首飾りを外した。

銀色の金属で作られたその装飾品は、葉っぱを模したような曲線的な形をしていた。


少年は泣くのをこらえ、ゆっくりと近づいた。


「これで?どういうこと?これは何なの?」


「お前が知っている世界は、ある存在によって支配されている。

人間の理解を超えた力を持つ者がいて、この世の成り立ちを司っている。


その者は我々の行く末を全て決めることもできた。だが、過ちを犯した。

人間に、自らの運命を選ぶ権利を与えてしまったのだ。


人間はその自由を正しく使えなかった。

誤った道へと進み始めたんだ。

だが、勘違いするな。

お前のように、世界のために善いことをしたいと願う者はたくさんいる。

だが、言葉だけでは人を変えられない。行動が伴わなければ、何も変わらない。

だからこそ、これが存在する」


チラコはお守りを、震える手でしっかりと握りしめた。


「地上の秩序を守るため、世代ごとに一人の選ばれた者が決められる。

このお守りの継承者だ。

これを手にした者は、数々の恩恵を受け、力を得る。

そして、これまでの全ての生で得た力と記憶が、その身に受け継がれるのだ…


俺がまだ十歳だった頃、このお守りを祖父から受け取った。

爺ちゃんは俺こそが、自分にできなかったことを成し遂げる者だと信じていた。世界を変えることを…


だが俺は、失敗した。

俺の前にこれを持った者たちと同じように、何も成し遂げられなかった。

だがな、デンゼル…

お前は違う。

お前なら、この運命を変えられる!お前が世界を良くするんだ!」


「つまり…これを俺にくれるってこと?」


「そうだ。

これを渡すには儀式が必要だ。

俺は目を閉じ、心の中で儀式の呪文を唱える。

終わったら、このお守りを地面に置く。

その瞬間、俺は命を失うだろう…

これを譲り渡すためには、それだけの代償が必要なんだ。


だが、俺はもうすぐ死ぬ身だ。だから今、この時を選んだ。


俺の死後、最初にこのお守りに触れた者が、全ての記憶と過去の生の記憶、そしてまだ目覚めていない未知の力を受け継ぐ。

こうしてお前は、新たなる『カイロン』となるんだ!」


「カイロン?

それがおじさんの名前だったの?

その重荷を、俺が背負うの?」


デンゼルは不安そうだったが、混乱した頭のままでも、視線をそらすことはなかった。


「デンゼル…

それでは儀式を始める。

まもなく、カイロンのお守りが地面に置かれる。

お前はそれを拾うんだ!


力を得ても、忘れないでくれ。

自分の母さんと姉さんを守ることを。

二人のことを、お前に託した…」


「おじさん…!」


少年は再び声を上げて泣いた。

迫り来る死の前に、何もできない無力さを感じながら。


チラコは深い瞑想に入り、目を閉じた。

最期の儀式が始まった。


――――


その頃、太陽の光も届かず、風も音も存在しない遠い場所で。


長い髭を蓄え、薄い茶色の衣をまとった背の高い男が、血まみれになって膝をついていた。


彼の前には、異形の存在が立っていた。

まるで四メートルもあろうかという巨体。

人間とはかけ離れた姿、灰色の肌にはまだらな染みが浮かび、その見た目は恐怖そのものだった。

先のない長い尻尾は、まるで縄のようにうねっている。


「何百万年も待ち望んだ瞬間だ!

俺だけの星を、この手にする時が来たぞ!」


その生き物の声は高く、不安定で、ささやきから狂気の叫び声へと急変する。


「貴様らは弱すぎる!取るに足らない存在だ!

はははは!素晴らしい!なんと素晴らしいんだ!

さあ、何か言ってみろ!

戦いの始めには、あんなにも立派なことを言っていたじゃないか…

どうした?ほら、見ろ!

話すこともできないほど弱り果てて!」


男は何かを言おうとしたが、かすれた息が漏れるだけだった。


「よろしい。話せないのなら俺が代わりに言ってやる!

このお前が作った世界は、まったく…まったくだ…

どう言えばいい?完全に不要なものだ!大失敗だ!


人類には可能性があったが、お前の創り方が間違っている。わかるか?

お前が与えた『自由意志』が奴らを弱くしたんだ!


自分だけの星を持つ意味はどこにある?

何もかも自分の思い通りにできないのなら、意味などないだろう?


今日からこの世界は、俺が作り変える。

俺が唯一の絶対神として、崇拝される存在になるのだ!

俺こそが、偉大なるレイイーナ・パマルだ!

ひひははは!」


レイイーナの声が空間に響き渡る。


「そうだ、お前はもう何も答えられないようだ。

俺の計画も全て話したことだし、そろそろお前を消してやるとしよう。

どうだ?」


レイイーナは膝をついた男に近づき、一撃を加えた。

男は輝く塵となって崩れ去り、跡形もなく消えた。


快楽の叫び声を上げながら、レイイーナは自分の体を爪で引っ掻き、話し続ける。


「予想通りだ!

さあ、俺の完璧な世界を創造するぞ!

どこから始めようか…?


そうだ!ここにあるもの全てを破壊して、ゼロから始めるのはどうだ?

なんて素晴らしいアイデアだ!

天才的だ!天才的だぞ!」


レイイーナは目を閉じ、手を前にかざした。

すると数秒も経たないうちに、地球の大気圏内に一つの隕石が出現した。


その速度はあまりにも速く、瞬く間に惑星へと迫る。

落下の途中、隕石は七つの破片に分裂し、星のそれぞれの地域へと散らばっていった。


――――


小麦畑では、チラコが瞑想を終えていた。

彼はカイロンのお守りを地面に置き、最後の息を吐き出すと、そのまま動かなくなった。


デンゼルは涙に顔を濡らしながら、ゆっくりとお守りへと歩み寄る。


その瞬間、視界がまばゆい光に包まれた。

空を見上げた少年は、理解できなかった。

信じられない速度で、巨大な火の玉が迫ってくるではないか!


デンゼルは完全にパニックに陥り、体が動かなくなった。


『ドオオオオン!』


破片が次々と地表に衝突する音が響き渡った。


家族も、人々も、動物も、建物も…

星に存在する全てのものが、数秒のうちに完全に消滅した。

レイイーナは、以前の世界にあったものを、何一つ残らず破壊したのだ。


それぞれの破片は惑星の各地に落下し、その周囲には色とりどりのオーラが発生して、エネルギーの壁を作り出した。

こうして世界は、七つの異なる領域へと分断された。


チラコとデンゼルがいた場所で、一つのことが起きていた。

カイロンのお守りは破壊されなかった。

それどころか無傷のまま、中心には青い炎のような小さな光が灯り続けていた。


デンゼルがお守りに触れる前に世界が滅んだため、儀式は何らかの形で中断され、完了しなかったのだ。


レイイーナ・パマルは、自分の「完璧な世界」の構築を開始した。

星に存在した魂は全て、この暴君の審判を受け、生まれ変わるかどうか、そしてどのように生まれ変わるかを決定された。


彼は単純な細胞生物から世界を創り始め、自然の淘汰に任せた。

生き残った強い者だけが進化するように。


数百万年もの時間をかけ、レイイーナはこの星の生き物の進化を操作し続けた。

そして四十億年以上の時が流れ、現在の時代へと至った。


――――


モリナカ領域の中心にある、小さな村。

厚い雲に覆われ、大麦と小麦の畑にそよ風が吹く、どんよりとした一日。


村人たちは皆、この地域の長老であり、誰からも敬われたスタミ・セダの家に集まっていた。


九十歳近くになったスタミは、死の床に横たわっていた。

彼は生涯を人助けに捧げ、他人の幸せのために多くを犠牲にしてきた。


スタミが幼い頃から育ててきたサルマキが、家へと走り込んできた。

人で溢れかえっていて、中に入ることができない。


彼は家の周りを大きく迂回し、寝室の窓から飛び込み、人々をかき分けて、やっと長老のもとへたどり着いた。


「スタミ様!死んではなりません!」


サルマキは必死に訴える。


「サルマキよ…私はもう十分に生きた。

そろそろ運命を受け入れる時が来たのだ」


スタミは穏やかに、悟ったような笑みを浮かべた。


「私の子供がもうすぐ生まれるのです。

どうか、その子に会っていただきたい…

死なないでください!」


サルマキの懇願は続く。


「何かが私に告げている。

いつの日か、また会う定めなのだと…

信じなさい」


スタミはゆっくりと目を閉じ、永遠の眠りについた。


小さな雨が降り始め、人々は少しずつ別れを告げ、家へと帰っていく。


信じられない思いで、サルマキは雨に打たれながら空を見上げ、声を上げて泣いた。


――――


その頃、レイイーナ・パマルの支配する空間では、魂の審判が行われていた。


「どうやらお前は漁師だったようだな。二人の息子がいて、税金もきちんと納めていた…

弱くてつまらない男だったが、悪い人間ではなかったようだ。


だが、シラナミの高位神官どもの圧力に耐えられず、自分から命を絶った。

自殺だと?

理解できん。お前には生きる資格が十分にあった。


この世界の命は全て俺のものだ。

俺の許可なしに勝手に死ぬことなど許されん。

よってお前は『永遠の死』へ送られるのだ!」


レイイーナが腕を伸ばすと、目の前の魂は暗い光と共に消え去った。


「さて、次はどいつだ…?

ほう?お前か?

驚いたな…俺が立ち上がるほどの相手とは」


レイイーナはスタミの魂を指さし、ゆっくりと立ち上がった。


「貴様は何者だ?」


スタミの魂が、はっきりと問いかける。


「ほう。俺に話しかけることができる者など滅多にいない。

皆、怖がって何も言えんからな。

俺の名はレイイーナ・パマル。

この星の支配者であり、創造主だ」


「創造主だと…?」


「そうだ。この世界の全てのルールを定めたのは俺だ」


「貴様が定めたそのルールのもとで、なぜ残酷さだけが法となっているのだ?」


スタミの魂の声には、予想外の強さが込められていた。


「民は常に苦しめられ、殴られ、時には領域の守護者や神官たちに殺されている。

貴様が秩序と呼んでいるものは、ただの拷問であり、罰則に過ぎない!」


「ほう?俺が守護者たちに命じた通りに行動させているだけだ。

お前が拷問と呼ぶものを、俺は『種の選別』と呼んでいる。

何がおかしい?」


「お前の作った馬鹿げた階級制度こそが、臆病者の証拠だ。

俺は生涯、優しさこそが世界を動かす力であると信じてきた。

この腐った構造を変えようとしたが、根本的な解決には至らなかった…」


レイイーナは目を大きく開き、捕食者のような笑みを浮かべた。


「気に入ったぞ、お前の度胸。

だがその傲慢さは、死刑宣告に等しい。

『永遠の死』、完全なる忘却を望んでいるようだな!


だが、気が変わった。

前の生でお前は何も悪いことをしなかった。

だから愚かさを証明する機会を与えてやろう。

死んだ場所と同じ場所へ、生まれ変わらせてやる。どうだ?」


「永遠の死だと?生まれ変わる?

そもそもここはどこなのだ?」


スタミは混乱したまま問う。


「お前は生まれ変わると全てを忘れる。

だから教えておいてやる。

ここは魂の待合室だ。

人間は死ぬとここに来る。

俺が審査し、生まれ変わらせるか、忘れさせるかを決定する。


俺が永遠の死を与える時、時には自分で新しい魂を創り出して、世界の均衡を保つこともある。


お前の場合、既に五万二千人目の、原初の魂の生まれ変わりなのだ」


「それは真実か?」


「お前の死と同じくらい真実だ。

この星に俺が来る前から、さまよっていた魂も存在する。

お前もその一人だ」


「つまり、貴様より前に創造主が存在したというのか?」


「拍手!拍手喝采だ!

まったくその通り。

俺が来る前には、別の創造主がいた。

だがあいつは弱かった。

俺が殺して、この世界をゼロから創り変えたのだ!」


レイイーナは皮肉っぽく手を叩く。


「なんという残酷さ。貴様こそが悪そのものだ。

どうやって前の創造主を倒した?」


「創造主になるには決まりがある。

だが俺には関係ない。俺はこの星の者じゃないからな!」


「決まり?どういうことだ?」


「簡単に言うと、この星の魂から創造主になるためには、まず『原初の血』を持っていなければならない。

つまり、最初に創られた魂の一つだということだ。


原初の血を持つ者が十万回目の生まれ変わりを迎えた時、創造主に挑戦する権利が得られる。

勝てば、その者が新しい創造主になるのだ!」


「どうすれば『原初の血』を持つ者を見分けられる?」


「質問が多すぎる!

そろそろ新しい人生を始める時間だ。

では、元気でな!」


レイイーナは手をかざし、スタミの魂は光の中へと消えた。


――――


村では、まだ悲しみの空気が漂っていた。


その頃、サルマキの家では…


「あああああ!サルマキ!」


激しい痛みに、妻が歯を食いしばる。

ベッドの端を強く握り、魂の底から絞り出すような叫び声が響く。


「はああああ!はあああ!」


体をくの字に反らし、次の陣痛に耐える。

一つ一つの力みが、空気と沈黙を引き裂くようだった。


やがて、産声が響き渡り、小さな部屋にこだました。


サルマキは感情を抑えることができなかった。

ついに息子が生まれたのだ!


「おかえり、我が息子よ!

なんて美しい瞳なんだ!

その目は…とても大切な誰かさんに似ているよ」


父親として強い姿を見せようとしながらも、涙をこらえるサルマキ。


彼は赤ん坊を抱え、妻のもとへ運ぶ。


「見てごらん。なんて可愛いんだ」


妻が優しく問いかける。

「さあ、この子に何と名前をつけましょう?」


サルマキは静かに、だっはっきりと答えた。


「この子の名前は…

スタミ・セダだ」

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