表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
campus love logic  作者: 双鶴


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

9/9

9話

1. 卒業式の朝、まだ答えは出ていない


「袴、似合ってるよ」


ひなたは、あかりに言った。

あかりは笑った。

でも、その笑顔の奥に、少しだけ揺れがあった。


「藤堂さん、来てくれるって言ってたけど、まだ連絡なくて」


「卒業式って、恋の答え合わせの日なのかな」


「でも、答えって、出るのかな。出したいのかな」


「……わかんない。でも、出なくても、卒業はする」


2人は、式場へ向かう。

春の風が、少しだけ冷たかった。


2. 恋の未収束


すずは、式の前に新からLINEを受け取った。


「卒業、おめでとう。

来週、バイトの送別会、行ける?」


“行ける”と打つまでに、10秒かかった。

その間、脳内では収支報告が行われていた。


——恋の利益:安定

——リスク:低

——でも、確定申告はまだ


「行きます。楽しみにしてます」


送信。

既読。

返信:

「俺も。すずさんの笑顔、また見たい」


——恋って、収束しないまま、続くこともある。

——それも、悪くない。


3. 恋の記憶は、静かに残る


ゆいは、式のあと、図書館に寄った。

卒論を提出した席に、少しだけ座ってみた。

彼のことは、もう連絡していない。

でも、記憶は、静かに残っていた。


——別れたことに、後悔はない。

——でも、あの瞬間の自分は、確かに恋をしていた。


「終わった恋って、卒論みたい。

提出したら、もう戻れない。

でも、提出したから、次に進める」


ゆいは、そう思った。

そして、席を立った。


4. 恋の答え合わせは、誰のためでもない


式のあと、4人はカフェに集まった。

袴姿のまま、笑いながら、泣きながら。


「結局、恋って、答え出るのかな」


ひなたが言った。


「出ないかも。でも、出なくても、生きていける」


あかりが言った。


「答えって、誰かに見せるものじゃなくて、自分で持ってるものかも」


すずが言った。


「私は、まだ答え書いてる途中かも」


ゆいが言った。


4人は、笑った。

その笑い声が、春の風に混ざった。


——恋の答え合わせは、卒業式のあとで。

——でも、答えが出なくても、

——私たちは、ちゃんと、前に進める。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ