表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
campus love logic  作者: 双鶴


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

8/9

8話

1. 終わりの予感は、静かにやってくる


「卒論、あと何ページ?」


「……あと3ページ。でも、進まない」


中村ゆい(教育学部4年)は、図書館の窓際でパソコンを開いたまま、空を見ていた。

冬の光が、静かに差し込んでいた。

その光の中に、彼の姿はなかった。


——最近、LINEの返信が遅い。

——会う約束も、なんとなく流れる。

——“忙しい”の言い方が、ちょっと冷たい。


「終わりって、こうやって来るんだな」

心の中で、そうつぶやいた。


2. 卒論と恋の共通点


「卒論って、恋に似てない?」


カフェで、あかりに言った。


「え、どういうこと?」


「最初はやる気あるのに、途中で迷って、最後は“これでいいのかな”って思いながら提出する」


「それ、恋の提出って何?」


「別れ話、かも」


「……ゆい、別れたの?」


「まだ。でも、たぶん、もう終わってる」


「じゃあ、卒論と同じだね。

“終わってるのに、提出できない”」


ゆいは、笑った。

でも、目の奥が、少しだけ熱かった。


3. 提出ボタンを押す勇気


その夜、彼からLINEが来た。


「ごめん、最近バタバタしてて。

ちょっと距離置きたいかも」


“距離”って、どのくらい?

“置く”って、どこに?

“かも”って、逃げ道?


ゆいは、返信を打っては消した。

何度も、何度も。

でも、最後に送ったのは、たった一行だった。


「わかりました。お疲れさまでした」


——それは、卒論の提出ボタンを押す瞬間に似ていた。

——もう戻れない。

——でも、どこか、ほっとしていた。


4. 恋の提出完了


翌朝、ゆいは卒論を提出した。

USBを差し込み、ファイルを選び、アップロード。

確認画面。

提出ボタン。

クリック。


——完了。


その瞬間、なぜか涙が出た。

卒論のせいか、恋のせいか、わからなかった。

でも、どちらも、終わった。


そして、こう思った。


“終わるって、悲しいだけじゃない。

終わらせるって、強さかもしれない”

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ