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campus love logic  作者: 双鶴


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3/9

3話

1. スーツと恋の違い


「恋って、スーツみたいなもんだと思ってた」


高橋すず(経済学部3年)は、就活セミナーの帰り道、そう思った。

サイズが合って、色が好みで、動きやすくて、コスパが良ければ買い。

でも、今日のセミナーで出会った男子は、なんか違った。


スーツは黒だった。ネクタイは青。笑顔は、ちょっとずるい。

名刺交換のとき、指が触れた。

その瞬間、心拍数が上がった。

——それ、面接じゃなくて恋活じゃない?


2. LINEは投資か浪費か


「LINE、来た?」


カフェで、すずはひなたに聞かれた。


「来た。“今日はありがとうございました。またどこかで”って。これ、脈あり?」


「“またどこかで”は、恋の保留ボタンだよ」


「でも、スタンプが“笑顔のうさぎ”だった。あれ、好感度高めじゃない?」


「それ、うさぎじゃなくて期待値の罠」


「恋って、期待値で動くの?」


「女子大生は、恋に関しては全員、行動経済学者だよ」


すずはスマホを見つめた。

“またどこかで”の“どこか”って、どこ?

キャンパス?セミナー?それとも、LINEの中?


3. 恋のリスク管理


「恋って、リスク高すぎない?」


すずは、経済学部のゼミで発表した。


「感情の変動幅が大きすぎる。しかも、情報非対称。相手の気持ちが見えない。これ、投資対象としては不安定」


教授が笑った。


「でも、リスクを取らなきゃ、リターンは得られないよ」


その言葉が、なぜか刺さった。

教授の言葉なのに、彼の声で再生された。


——恋って、リスク管理できるの?

——それとも、リスクごと好きになるしかないの?


4. 境界線、ぼやける


その夜、すずはLINEを送った。


「今日はありがとうございました。次、もしまたセミナーで会えたら、今度はコーヒーでも」


送信。

既読。

返信:

「ぜひ。コーヒー、好きです」


すずはスマホを伏せた。

恋と就活の境界線が、少しだけぼやけた。


でも、ぼやけた先にあるものは——

たぶん、ちょっとだけ甘い。


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