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びしょうじょ・ぱんでみっく!  作者: カシノ
破れた心

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21/26

021

 陰茎の生えたJC。

 彼女、もしくは彼は、自らの逸物を大事そうに摩っている。

 漫画の世界から飛び出してきたような凶悪さだ。頭と竿の境目は彫り込んだみたいにくっきりとした段差がある。本来は色白であろうその肌も夕焼けで影になり、黒々としたシルエットが巨木の如く伸びている。


「はぁ♡」


 化け物。

 圧倒的な存在感に、腰が抜けて動けない。JCは欲望に蕩けた瞳で僕を見下ろし、ずいと陰茎を突き出してくる。


「ひっ」


 頬に当てがわれた。

 甘ったるいのに汗臭い、後味の悪い臭気が鼻の奥を焼き、肉厚な竿の感触が頬を押し上げる。

 反射的に顔を背けようとするが、両手で頭を固定された。その力強さは普通のJCの比ではなく、首を傾けることもできない。


「うおっ♡ うおっ♡」


 JCが獣じみた嬌声を上げながら腰を前後させ始める。頬と陰茎が擦れる度、熱と臭いが濃度を上げていく。剥き出しの性欲が顔面に擦り付けられている。


「う゛~♡」


 JCは一度大きく腰を引き、真正面に陰茎の先が突きつけてきた。鈴口から溢れ出た粘性の強い体液が、先端をぬらりと光らせる。


「うわあああ!!」


 恐怖が震えを上回った。

 喉が勝手に悲鳴を上げて、無我夢中でJCを突き飛ばす。だが、JCはよろめくだけで倒れない。

 逃げ出そうと体を反転させた隙に、右足を掴まれる。掛かった指を外そうと空いた左足を振り上げるが、JCが少し腕を引くだけで簡単に転がされた。

 一瞬で制圧された僕を仰向けにひっくり返し、腹を跨いで膝立ちになる。


「お゛お゛っ♡」


 そして、一切の躊躇なく、陰茎を口に突き込んできた。

 口内のみならず頭蓋骨の中までもが、雄の臭いで埋め尽くされる。


「お゛う゛っ♡ お゛う゛っ♡」


 遮二無二腰を打ちつけてくる。

 長大なそれは口内に収まらず、一突きされるたび、喉奥までをこじ開けられる。異物を吐き出そうと気道が縮み上がるが、極太の陰茎にみっちりと塞がれ、息の抜ける隙間がない。


「う゛ん゛♡  う゛ん゛♡」


 腰を振る速度が上がった。無遠慮に体重をかけられ、後頭部が地面に押しつけられる。

 明滅する視界。飛びそうな意識。

 酸素を奪われ死にかけの脳が、口内で膨らむ陰茎を感じ取る。


「あ゛あ゛あ゛っ♡」


 一際大きな声を上げ、JCが果てた。

 どろどろのお粥みたいな精液が、弾けた炭酸水より強い勢いで流し込まれ、胃の中にぼどぼどと堆積する。体の内側が熱い生臭さで充満していくのが分かる。

 永遠にも思える、長い射精。

 JCがぶるりと腰を震わせ、ゆっくりと陰茎を引き抜くのと同時に──


「げぇほっ!!」


 吐いた。

 堰き止められていた精液が、口と鼻から一斉に噴出する。顔を背ける猶予すらなく、吹き上がった精液がそのまま顔面に降り注ぐ。


「げほっ、げほっ」


 缶一つ分の精液を吐き出して、ようやく胃の中が空になる。それでも食道の異物感は取り払えず、激しい咳が止まらない。

 苦しい。死ぬ。

 はやく逃げないと。精液で片目が塞がり視界もままならないが、それでも、ここを離れなくては。

 力の入らない下半身は諦め、這い蹲りながら少しでも距離を稼ぐ。


「う゛♡」


 太腿に何かがのしかかる。辛うじて動く首が、ぜんまい仕掛けのぎこちなさで後ろを振り返る。

 頬を上気させたJCが、僕の太腿に腰を下ろしている。たった今、精液を吐き出したばかりの陰茎は硬度を失っていない。ぬらぬらとした輝きが、くびれを一層と強く浮き上がらせる。


「ふっ♡ ふっ♡」


 JCは発情した犬のように短い呼吸を繰り返しながら、僕の尻を鷲掴む。

 粘土でも捏ねるみたいな手つきだ。ジーンズ越しでも手のひらの熱が伝わってくる。

 何をするつもりだ。

 意図の分からない行動がただ恐ろしく、口を噤んで固まっていると、JCの両手がジーンズの腰回りを掴む。


「ふぅん♡」


 革製のベルトのごと、ジーンズを引き裂かれた。

 馬鹿げた膂力。しかし、JCはジーンズだけに留まらず、下着のトランクスにまで手を掛ける。


「や、やめ──」


 制止の声は届かない。

 JCはスナック菓子の袋を開ける気軽さで、トランクスを縦に引き裂いた。

 尻の穴が外気に晒される。日常ではあり得ない刺激に、下半身全部が硬直する。


「おっほ♡」


 尻を揉む手が大胆になってきた。

 下着一枚になったせいで、肌の熱が一層近く感じられる。硬くなった筋肉が徐々に揉みほぐされ、閉じていた穴が押し拡げられていく。


 ぴとり。


 尻穴に肉棒の先端が触れた。生温い精液に塗れたそれは蛞蝓のような滑りを持つが、鋼にも劣らない芯がある。

 こんなものを入れるつもりか。

 刺し貫かれる自分を想像し、体中の産毛が総毛立つ。奥歯が震えるほどに冷たくなる僕とは対照的に、のしかかるJCの胸は熱い。腰をくねらせ、陰茎を擦り付けられ、穴の周りが体液で湿らされていく。

 怖い。寒い。恐ろしい。

 けれど、体は動かない。柔らかな女体と格の違う雄の象徴、相反する存在を一緒に押し付けられ、脳が命令を放棄した。辛うじて動く手が、力無く砂利を握り締める。


「あぁ?」


 いよいよ挿入されると絶望した瞬間、突如としてJCの動きが止まった。体を起こし、苛立たしげに周りを見回している。

 一体なにが。

 JCの腰は僕の太腿に降ろされたままで、依然として身動きはとれないが、唯一自由な耳を澄ませて状況把握を試みる。

 エンジンの音。

 バイクではない。もっと軽くて、頼りない響き。

 どんどん近づいてくる。微かにではあるが、地面が揺れる。


「チッ」


 しかし、ここは小高い丘になっていて、坂の真下は見えづらい。JCが舌打ちして、丘の下を覗き込もうと立ち上がった直後。


 黄色の軽自動車が飛び出した。


「ぎゃっ」


 突如として現れた車は、JCだけを跳ね飛ばす。

 テールランプの残光をたなびかせて僕の頭上を超えてゆき、JCごとベンチに衝突した。

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