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月は満ちて~Resurrection of the Seventh Game~  作者: 遠野鞠環
赤い世界にようこそ
8/10

8. 最初はやさしくってもいいじゃない

 しばらく夜の校舎を歩いていたら多少恐怖が和らいだ。食堂や家庭科室でアイテムを拾ったことも影響しているだろう。鎧武者……名前の響きだけでもゾっとする。身動きできる範囲で万全を期す。ぼくは応急キットを求め保健室に向かっていた。


「…………」


途中で足が止まる。宿直室の前だ。さっき探索した部屋はすべて鍵が開いていた。普段はいることのないこの部屋だって今は……。


「――――!?」


瞬間、思わず目をつむってしまうほどの明かりに包まれた。場所は保健室の方からだ。気が付くと保健室へと再び歩み始めていた。不思議と恐怖は感じない。何が起こるかわからないはずなのに妙な心地よさすら感じている。


 震える手で扉を開けるとそこには――光り輝く鳥がいた。以前漫画で読んだことがある不死鳥の様だった。ベッドの上で休んでいた鳥はぼくに気が付くと窓の外へと飛び立ってしまった。その一連の動作があまりにも優雅で見ていることしかできなかった。

学校の七不思議に光り輝く鳥なんて載っていただろうか?

……いや、後で考えよう。それよりも救急キットを探さなきゃ。


探す必要はなかった。ついさっきまで神秘的な存在がいたベッドの上にお目当ての救急キットは置かれていた。


暗闇に包まれた廊下に戻り夢見心地の気分も戻された。するとさっき足を止めた宿直室の前にユラさんが一人で佇んでいた。

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