表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
月は満ちて~Resurrection of the Seventh Game~  作者: 遠野鞠環
赤い世界にようこそ
6/10

6. 判断は慎々重々に

 男が指をさした直後、それまで月が出ていた夜空が赤く染まっていった。突然のことに立ち尽くすぼくたち。対照的に二人は落ち着いた様子のままだ。


「何が起こってるんだよ……」

「これは文珠川さんたちがやったの?」

「ねえ、ソウタ、もう帰った方が良いんじゃない?」


一分も経たないうちによどんだ赤色に変化した空を眺め、タケルたちが口を開く。やる気に満ちていたぼくたちの顔には恐怖やおびえが見えている。侵入してきた方へ続く道にふと目をやる。


「残念だけど――、もう帰ることはできない」

「七不思議でもっとも強い力を持つ『鎧武者』。彼が動くとき、この学園は異世界へと迷い込むの」


そんなぼくの心を見透かしたように探偵が言う。不安が、ぼくたちを襲う――。


「ここから出る方法はたった一つ。それは、鎧武者をこの世から葬り去ること」

「安心して、キミたちには仲間がいる。()()()()()()()()()()()()()()()()。キミたちは生きて家に帰すと約束するよ」


彼らはいつの間にかぼくたちの前に立ち、トイレの窓から学校の中に侵入しようとしていた。

……ここで待っているだけでいいんだろうか、何かできることはないんだろうか?

彼らはこんな非日常にいきなり放り込まれても、平然としている。きっと、何もしないまま待っていても、ぼくたちは日常に戻ることはできるだろう。

……でも、それじゃあここに来た意味がない。それに、あのお姉さんにやられっぱなしなのはなんか嫌だ!!


「ソウタっ!!」


耳に飛び込んでくる、自分の身を案じる友の声もお構いなしに、ぼくは――、

彼らの後を追いかけた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ