【8】
その情報は直ぐに魔法省から国に伝達された。
異常な魔力を持つ僕の事を。
国王は頭を抱えていた。
未だかつて無いほどの強大な魔力を持った異世界人?
気がついたらこの世界にいたという話だが、どこまで信ぴょう性があるのか疑わしい。
そもそもどうやってきたのか?
異世界とは何か?
分からない事だらけだった為国王は僕に出頭を命じた。
掲示板には僕だけでなく、一行とある為全員行かなくてはならない。僕以外は緊張しているようだ。何しろ国のトップからの命令。無視はできない。
僕は言うと特に気にしてなかった。
国のトップ?どうぞ出てきてくださいなってな感じか?そうなるとウジャウジャと護衛がついてくるなぁ〜と思った。はぁ〜、また面倒な。
命令が下って直ぐに王がいるであろう城に向かって皆で向かう。まぁ、4人だから大した事ないか。なんて思ってたのに出迎えたのは武人で馬に乗っていた。他にも馬に乗っているものが数人いたが、生憎と僕らが乗る馬はなかった。
歩いていけというわけか。面倒い。
でもまぁ何とかここまで来たんだ。最後まで付き合ってあげよう的な気持ちで城の中に入った。
城の中は広かった。これでもか〜って豪華なものが置かれていたり、壁もキラキラしてる。
金がふんだんに使われているようだ。
この世界でも金はあるのか。フムフム。
アレコレ見ていたら謁見の間についた。
目の前には王が王座に座って待っていた。
両隣には護衛らしき人が2人立っている。
「お前か?異世界から来たと抜かす者は。」
「あ〜、確かにそう。元いた世界とこの世界は全然違うもんな。」
「なに?何が違う。言ってみよ。」
「え〜!乗り物が先ず違うね。電車が走ってるから。」
「??でーんしゃ?とな?それは一体どういうものだ?」
「簡単に言えば一度に沢山の人を電気の力で運ぶ乗り物。」
「なに?電気と。」
「ああ、それがあれば何だってできるよ。掃除に洗濯、料理もかな。部屋の中も暑くも寒くもなく快適に過ごすことが出来る機械も使えるし…。」
「それがソナタがいた世界か?」
「あ、はぁ〜。そうですけど……。でも違うのは魔力を持っている人は一人もいないってことかな?」
「まて、お主今魔力を持つものはいないと言ったな、ではなんでお主は魔力を持っておる?矛盾しているではないか。」
「そんなの僕が知るわけないじゃん。神様のいたずらじゃないのか?」
「なんと、神を愚弄するのか?」
「違う違う、目に見えないものは信用しないだけ。」
「じゃあお主の魔力は見えるのだな?」
「あ〜、そう来ますか。はい、見えますよ?ハッキリと。でもおすすめしませんよ。後々めんどいから。」
「いや、ワシに見せよ。本物かどうか確認してやる。」
「おい!」
「はっ!」
そう言うと王の横に立っていた男が1人台座の傍から降りてきた。手には槍を持っている。
どうやらひと手合わせやらなければならないようだ。
「え〜、マジでやるんですか?まぁ、大体の力のコントロールの仕方はジジーが教えてくれたからな〜。キツかったけど。まぁやるからには手加減無しで頼むわ。」
「その減らず口叩けぬようにしてやろう。私はそんなに甘くないぞ!」
そういうが早いか男は槍を振りながら突っ込んできた。
僕は咄嗟に空中に避難したが、男はそんなことは織り込み済みと言わんばかりに槍の先を上に向けた。