【4】
僕は半分ヤケになっていた。
でも簡単にやられるのは癪だから徹底的に反撃してみんな倒してやる!そう息巻いていた。
ここは魔力の使い所だ。
自身もどのくらいの力があるのかわかっていなかった為、ありったけの力を魔物にぶつけて倒していく。
呆気にとられたのは老人だ。
何せ瞬時に一体にいたものが消えたのだ。
老人の目に映ったのは全身を光り輝かせ髪を靡かせている僕の姿だった。
「な、なんて力だ!わしの想像をはるかに超えているわ。」
「えっ?これ…本気じゃないんだけど…。」
「何?これで本気でないとな?お前さん、よほどのことがない限り倒される心配もないぞ?多分この世で1番の魔力持ちだ。」
ありがたいのかそうじゃないのか気持ちがまとまらない。
ただ何かあっても酷い目にあうことは無いということがわかって良かったかなって思ったくらいかな。
「うんじゃあさ、あの山に向かって力放ってみるよ。」
軽くウォーミングアップのつもりで片手剣を巨大化させ山をぶった斬った。そしたらその山、噴火しちゃったよ。やり過ぎたかなぁ?
老人は目を白黒させると同時にやりすぎじゃわい!と叫んでたな。
でも僕の力全部だしきった感がないんだよね〜。という事は……まだ残ってるってことだよね。
とりあえず今日のところは止めにして寝る場所の確保をすることにした。とは言っても今いる場所は人っ子一人居ない森の中。小枝をバッサバッサと切り離し、折れる枝は力で何とかしてある程度の場所を確保することが出来た。
確保はできたけれど、地面に直接寝るわけじゃない。
魔物がどこから来るか分からないからだ。
だからある程度の高さを持たせて寝る場所を確保した。
翌日は朝から雨だった。
生憎と傘のようなもの持ってない為どうしたものかと考えてたら老人は魔力で雨を弾いていた。??まるで見えない何かに遮られているようだ。
ならばと僕も試しにやってみたら意外といけた。
こうなれば雨の中でも活動ができる。
魔物狩りやら薬草集めやら。。。
ミッションは5段階にわかれており、1番はやはりランク1だろう……。初めやってたのはランク5だったから今の僕の力試しにちょうどいいのはランク3くらいかなぁ?なんて思ってたのにジジーは勝手にランク1のを持ってきた。
やけだ!
やってやる〜!
頭にきてた僕は詠唱無しで魔力をぶっぱなした。
驚いたのはその場で目撃していた人々全員だろう……。
魔獣も逃げてく。力が弱い奴らに違いない。そんな奴らは放っておいた。
「お主一体何者?こんだけの魔力、普通の体じゃ持たないぞ?」
「ふぅ〜ん、でも実際はもってるじゃん。って〜か僕って何様??」
まぁ悪魔……じゃないから神様?いやいや違うな。だってただの人間じゃん。
たまたまこんなに強い力を手に入れたってだけ。
怖いじゃん。
変なやつらがよってきそうで。
そう、変なやつらって……ほら、近寄ってくるガラの悪いヤツら。そんなの相手にしたくなかったから、足の裏に魔力を貯めて空を飛んだ。
実際飛んでる……マジか。
ジジーも一緒に空飛ばした。ついでに引っ付いてる女の子もだ。捕まったらどうなるか、考えただけでも恐ろしい。
しばらく空を飛んで、人がいないところまで来るとようやく魔力を徐々に消していった。
無事地上に降りると老人もといジジーは口をパクパク。おかしいったらないね。
まぁとりあえずここまで来たんだ。後は寝るとこを探さないとな。