【23】
ただ突っ立っているのは怪しまれるじゃないかと男を2人程護衛という名目でつけた。
とにかく話をさせておいて相手の油断をつくのだ。
女性の姿をした男達は普通にしているだけで女性に見える。
話し声はあまり聞こえないが、物陰から見ている分には気づかれている感じはない。
しばらくして何処からか馬に乗ったガラの悪い男達が10数人こちらに向かってくる。
男は2人と思ったようだ。
余裕の顔をしていた。
ある程度離れた場所で馬を止め、魔法をかけられている男達を値踏みするように見ている。
2人の護衛は問題なしと取られたか。
だがこちらは街の住人を探す目的がある。
場合によっては捕まえて吐かせるつもりでいた。
ガラの悪い男達は片手に武器を持ち近寄ってくる。
「おいおい。ちゃーんと街の住人全て連れてったはずじゃなかったのか?なんでここに残ってる。」
「いや、確かに全員連れてったはずでっせ。」
「まぁいい、女どもを捕まえて連れてけ。男は殺せ。」
「あいよ。わりーな男前さんよお。ここであったが運の尽きだ。」そう言いながら剣を振り上げた。一瞬でカタがつくと思われていたが、男2人は相手の剣を易々と交わす。男2人は取り囲まれても震える様子もなく、かといって逃げる様子もない。なんか変だ。そう思ったが思っただけで終わってしまった。男2人は太刀筋を見せるまでもないと瞬時に切りつけ10数人いた男達を倒してしまった。
唯一傷が浅い男が男2人に捕まり尋問を受けた。
街の住人は何処へ?
男は気が小さくてどすの利いた声にビビり全てを話した。
街の住人はアジトで使われているらしい。
ある程度のことがわかったのでもう用はないとその場で気絶させる。
「なんか僕向きじゃん。ヒーローが殺到と現れ皆のピンチを救う。良いじゃん。こういうの一度はやってみたかったんだよねー。」
僕は魔法を解除し、女性に見えていた男達を元に戻す。気絶から回復した男がその様子を見ていて「魔法?マジか。」とだけいったところで再度気絶させられた。
アジトとして使われている場所はここからそう遠くはなかった。
とは言えどうやって住人達と男達を引き剥がすかと言うことだが、はかせた奴に聞いた場所、通路として使っている場所が2ヶ所あるということなので二手に分かれ、同時攻撃をかけることにした。
片方は僕らが、もう反対はベテランの男達が。
見分ける為に片腕に赤い布をつけてだ。
僕らがいきなり駆け込んできた為驚いた中のゴロつきは武器を手に応戦を始めたが、力の差があった為徐々に追い詰められていく。
中には反対側に向かうものもいたのだが、その反対側からも奇襲を受け、戦うしかなくなっていて混戦状態となっていた。
僕らの中で手の空いているもの達が住人達を見つけ、誘導を始めるが、なかなか応じてくれなくて苛立ったりしているものもいた。でも根気よく説得したためか住人の中のトップというか頭を張ってるものが声を出して皆を納得させると統率をとりながらアジトから逃げ出す。
それを聞いた僕らは陣形をとりながら撤退を始めた。しかし逃がしてはくれないようだ。親玉らしき男が全身武装の状態で僕らの前に立ちはだかる。
僕は躊躇うことなく魔法を叩きつける。
親玉は目を見開いて僕をじっと見るが、まだ戦う意思があるようで武器を振り下ろしながら僕に向かってきた。紙一重でかわすが、親玉は何度も僕ばかり攻撃を仕掛けてくる。
「めんどくせー。ここで決める!」
そう言いながらありったけの魔力を込めて親玉に一撃を喰らわせると白目を剥いて親玉はその場にくずおれた。
仲間がサッと近寄って親玉をぐるぐる巻きに縛り上げると残った残党は散り散りに逃げ出した。そいつらには用はなかったから、ほっといたのだが面倒ごとが増えないように幻惑の魔法を叩きつける。
ごろつき同士で戦い始めたが、もう放っておいた。
どうなろうか知ったこっちゃない。
なんだかんだでどうにかこうにか人質は全員無事助け出すことが出来た為助かった人達は皆握手をして助かった事に感謝していた。




