【13】
チビの娘は囮を買ってでて王子は先陣をきる。
そこに僕の魔力が合わさって斬撃を与え、ジジーは相手の隙を作る。最後は僕の魔力が作った漆黒の剣がとどめを刺す。
コンビネーションは取れてると思う。そこに女が加わるのだ。
「ヒュー。いい感じじゃん、連携取れてるね。アタシが入る意味ある?」
「あるあるある。あんたはその武器の数だけ戦い方が変わるんだろ?すっげーじゃん!」
「私もそう思う。」チビの娘が言うんだから純粋にそうなんだろう。
「おだてられてもねぇ〜。」そう言いながらも満更では無さそうだ。顔がニヤついている。
「まっ、いいだろう。仲間になってやろうじゃん。その代わり報酬はちゃんといただくよ。」
「ちゃっかりしてんな!そこん所は。」
「あたりまえさね。そうやって生きてきたんだ。」
「かっこええ。」王子はポツリと呟いた。僕は大して気にもしていない。だって僕の力をフルに使えば戦局は大きく変わるのは目に見えてわかっているから。その力はジジーにすら見せていない。知ってるものは少なければその方が都合がいいのだ。
この森はやばいかもと言っていた。
女いわく、やばい魔物が三体いるようで、しかも三体同時に倒さないと倒すことは出来ないらしい。それで女の仲間はみな倒されたのだ。
言われて僕は魔力の出処をさぐった。
三体ともそこそこの魔力を持っていた。
となると……三体をおびき出し一度に打倒す必要がある。
どうやって?
したらさ、ジジーが言ったんだ。
「貴女の武器を少し貸して貰えないだろうか?」と。
「そりゃ…別に問題ないけど、どうしてだい?」
「いや、なに、チビの娘と一緒にいっちょ退治してやろうかなと思ったまでよ。時間はみなに合わせればいいんだろ?」
「けどあんた、大丈夫なのかい?年寄りだけど……。」
そこに僕が割り込んで言った。
「このジジー、めちゃめちゃ強いぜ!下手したらあんたより……かもな?」
「なら武器はいらないんじゃない?」
「イヤイヤ、このチビの娘のためのものじゃよ。」




