【11】
まぁ色んな人間がいる。
さっきの子供がいい例だ。
治安がいいと言われてもそれはほんの一部なのかもしれない。
まぁ細かいことにはいちいち気にしないことにしていた。
だってキリないし…。
4人で歩いていると人目が気になって仕方がなかった。だってそうじゃん?
超絶美形が1人、チビが1人、ジジーが1人、そんで僕だよ?可笑しいよね?すれ違う人皆振り返る。ハッハッハ。
もう笑うしかないよね。
この町の広場に掲示板があった。こんな所にかよと思ったが、人がたくさんいて皆が掲示板を見ている為この町ではこうかと思った。
その掲示板は結構大きくいろんな仕事が載っていた。
まぁ、早い者勝ちだからいい仕事は残ってないだろうと思ったよ。そしたら一つだけ報酬がいいものがあった。
それはここから少し離れた森に出る魔獣を倒すという結構ヘビーな依頼だった。考えるまでもない。受けずにおこうと思ったのに何を思ったか王子が受けると言うじゃないか。待て待て待て!コレ、あんた1人では無理だぞ?
分かってるのかわかってないのかニコニコ顔。
そして僕を指さすと「君の力決定!」
そしてジジーを指さし「貴方も。」そして最後にチビの娘にも指さした。「マスコットは必要だよね?」
「さぁ、行こう!」なんて言うから何で?って言ったら「正義の勇者御一行だから。」と。頭イカれてる……。
王様が頭抱えてた理由がようやくわかった気がした。
僕だって頭抱えたよ。
ジジーはあらぬ方向を見てるし、チビの娘はニコニコしっぱなし。
やられた〜。そう思ったよ。
目的の森までは少し歩かなくてはならない。
半ばヤケクソでついて行くしか無かった。
しばらく歩くと問題の森に到着した。ホントに行くのか?戦うのか?僕は実践したと言っても小者ばかりだったからなぁ〜。
それにこの王子、魔力があっても少しだけ。剣によほど自信が無いと言えない事なのに…ほんとにあてにしていいのか?
まぁ、最悪の場合はジジーが頑張ってくれるだろう。
チビの娘は本当に何も力ないからな…マスコットと言っていいだろう。
この森には結界が張られていた。無駄な犠牲者を出さないためなんだろうが、どうやって入れば…うん、無理だね。帰ろう。そう思った時、王子が懐から取り出したのは御札だった。どうやらそれがあれば結果以内に入れるようだ。
マジか。
仕方なく僕らは全員結界内に入ることにした。そこに待ち受けているものが何かを知らぬまま……。




