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02話

勇気がオークに美味しく食べられそうになっている現在より少し前、彼がこの世界に召喚された直後に話は戻るのであった


・・

・・・?・・・!?

普段通り目を覚ますと見知らぬ天井が目に入った

・・・ここは?


おおっノア人様目が覚めましたか!良かった良かった!


「ノア人?・・・それよりあなたは一体誰なのですか?それにここは一体?」


目の前には白い髭を貯えた執事風の男性が此方を見つめ安堵の表現を浮かべていた


「私こちらで執事長をさせて頂いておりますアビゲイルと申します。

お目覚めになられたばかりのノア人様には申し訳御座いませんが至急、会って頂きたい御方がおりますので宜しくお願い致します」


「??いやちょっと待って下さい、ここは一体何処なのですか?」


「それらの質問も全てお会い頂ければ全て解決致しますので」


そう言うと執事長はささっと勇気を着替えさせ別室へと案内をした

そして薄暗い廊下を執事長の後を付いて行くこと数分、目の前に大きな扉が見えてきた


「ノア人様、此方にノア人様にお会いしたい方がおられます

ですが、心が弱いお方ですので決して粗相のない様にお願い致します」


「えっ!?あっ、はい、わかりました」


勇気が戸惑いながら返事をすると執事長が扉に向かい声を発する


「ノア人様をつれて参りました」


すると固く閉ざされていた大きな扉が静かにゆっくりと開き始めた

天井には何かの物語であろうか?天井画が

描かれ眩い光を放つシャンデリアが吊されている

床には赤い絨毯が敷き詰められその先には祭壇がありその側を均等に列を成す鎧で武装した兵士達それはまるでゲームで見た玉座の間であった


「では参りましょうノア人様」


部屋に入ると物凄い威圧感を感じその場から逃げだしたがったが、威圧感がそうさせない

勇気はただただ執事長に付いて行くので精一杯であった…

一歩又一歩と祭壇に近づく事に威圧感はましていく…

勇気は、その威圧感を発する何かを目にしない様に下を向きながら歩く

グッと握っ拳には汗が滴る程の威圧と重圧感、この場から早く逃げ出したいが身体が言うことを聞かない

祭壇前に着くとそれはピークに達していた

祭壇上に居るその何かに目を合わす事が出来ない


「魔王様、ノア人様を連れて参りました」


「うむ爺よ!ご苦労であったのじゃ!」


その何かから聞こえて来たのは紛れもなく子供の声であった

勇気は慌てて顔を上げるとそこにはマントを羽織った幼女が居た、頭には小さな角が二本生え尻尾らしき物も微かに見える


「こ、子供??」


勇気が発した言葉に一瞬眉をピクリとさせながらも魔王は平常心を貫いた


「お主がノア人じゃな!我は魔族の王メリッサ・ハーマイナーじゃ!」


「魔族の王!?こんな子供が!?」


「・・・・・貴様、いま何と言った?」


「魔族の王?」


「違う、その後じゃ」


「えっと子供?」


「・・・一度ならず二度までも!これでもワシは成人しておるのじゃ!この戯けが!」


「えっ!?その見た目で20歳なのか?」


「16歳じゃ!」


【成人】

勇気の居た世界では成人は20歳であるが、此方の世界では成人=16歳である


怒りをあらわにし勇気へと詰め寄る魔王

しかしその背丈は勇気の胸程しかなかった


「グヌヌッ!!貴様っ!そこに跪くのじゃ!!」


「はぁ?何で跪かないといけないんだ!?えっ!?くっ!」


勇気の意思とは関係無く体が勝手に跪く


「うむそれでよいのじゃ、してノア人お主の名は何と言うのじゃ?」


「名前を聞く前にこの拘束を解いてくれないか?」


「まず先に名を名乗るのじゃ」


「え、江越勇気・・・っ」


「うむノア人お主の名は江越勇気と言うのじゃな?ふむふむよし楽にしてよいぞ」


魔王から発せられた言葉により勇気の体は自由になった


「クソッ一体どうなってるんだよ、何で言葉一つで体が支配されなきゃいけないんだよホント」


「それはなノア人お主には悪いが此方に召喚した際に隷属の魔法をかけさせて貰ったのじゃ」


「!?まじかよ」


「まじじゃ」


「てか何で俺は奴隷にならなきゃいけないんだ?それにここは一体どこなんだ?夢の中か?」


「全て現実じゃぞ?ほれ外を見てみろ」


テラスへと案内され勇気の前に広がる光景それは西洋の城下町であった


「・・・本当に日本じゃ無いんだな」


この景色に驚きつつも勇気の胸の中には何か特別な感情が湧き上がってくる感じがした


「分かって貰えたかの?」


「ああっ・・・俺の住んでいた世界じゃ無いのは分かった」


「では話を戻すのじゃ、サラサ説明を」


すると目の前に一人のエルフが現れ勇気をゴミ虫を見るかの様な眼差しで蔑んできた


「魔王様このゴミ虫に説明をすれば宜しいのですか?」


「・・・サラサよ初対面でいきなりゴミ虫呼ばわりは流石にどうかと思うぞ」


「ならウジ虫で」


「あんまり変わってないんじゃが…

相変わらず人間嫌いは顕在じゃなサラサは、まあよい好きに呼ぶがよいのじゃ」


こうして勇気はサラサからゴミ虫と言うあだ名を得たのであった


「いいですかゴミ虫、先程見て貰った通りこの世界はゴミ虫が居た世界とは別の世界です、そしてゴミ虫あなたは我々魔族によってこの世界に召喚されました

ですのでゴミ虫は我々魔族の奴隷です

なので言う事を聞くように、以上」


「えっ!?説明それだけ?ノア人の事とか何で召喚されたとかの説明は?」


「チッ!うるさいですね、ゴミ虫が召喚された理由何てどうでもいいんですよ」


「いやいやそこが一番大事な部分でしょ?」


勇気とサラサが小競り合いを始めるとそれを見かねた執事長のアビゲイルが助け船を出してくれた


「サラサその辺にしておきなさいノア人様に失礼ですよ」


サラサはフンッと舌打ちをしながら端へと下がった


「申し分け御座いませんノア人様ここからは私がご説明致します」


そう言うとノア人などの勇気が疑問に思っている全ての質問に答えてくれた


「ノア人様の説明を致しますので天井画をご覧下さい

我々のご祖先様の伝承によりますと、この世界に存在する全ての生命は違う世界からとある船でこの世界へと運ばれて来たそうです

何故彼らはご先祖様を助けこの世界に連れて来たのか全ては不明

唯一分かっている事は我々では到底理解する事の出来ない力を持っていた事と彼等は自分達の事をノアと呼んでいた事、ですので我々は未知の力を持った異世界人様を伝承に習いノア人様と呼ぶようになったのです」


「ん~どう聞いてもノアの方舟だよなコレ?

もしかして俺の世界とこの世界は過去に繋がっていたのだろうか?わからん…ん?異世界人ってさっき言ったけど俺と同じ様に召喚された人が居たのか?」


「人族は過去数千年の間に何人か召喚されたみたいです、我々が把握しているので一番新しいのは約千年前の勇者でしょうか?」


「勇者?」


「そうです、千年前は我々魔族は人族領へと進軍していたのでそれを阻止する為ですね」


「進軍って戦争でもあったみたいだな」


「ええっ彼らが人族思考主義を掲げ我々魔族達を迫害した為に起こった戦争

両軍ともに甚大な被害が発生してるなか人族が勇者を召喚して魔王様を討伐し終戦を迎えました」


「魔族は勇者に対向して召喚しなかったのか?」


「その当時我々にはまだ召喚の術を知る者は居ませんでした

それに知っていた所で魔王様は召喚しなかったでしょう」


「何故?」


「それは召喚には二通りの方法が有るのですが、人族は最悪な方法で勇者を召喚したのです」


「最悪な方法ってまさか」


「生け贄です

そもそも召喚術には莫大な魔力が必要なのですが、それを補うのが賢者の石と言う訳です

賢者の石はその名の通り賢者が何世代にも跨いで魔力を込めて作り上げる代物なのですが人族はそれを手っ取り早く省く方法として数千人規模の国民を生け贄に捧げ勇者を召喚したのです

ですから勇者は魔王討伐後にそれを知り自ら命をたったのです」


「そんな事が、じゃあもしかして俺の召喚方法ももしかして!?」


「いえいえご安心下さい、賢者の石で召喚致しましたので」


「流石に生け贄で召喚されてたら荷が重すぎるは、んっ?てかそう言えば俺は一体何の為に召喚されたの?」


「それはですね」


「それは・・・」


「腑抜けきった魔族を再建して貰いたいのです!」

よければお気に入りや感想等をして頂けると嬉しいです

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