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短編エッセイ

3年弱投資信託をやってみた記録

作者: 藤見倫

3年弱の間、投資信託をやってみて分かったことを綴ります。


いつの間にか地元の地銀も手数料ゼロの商品増えてきたので、あまり実態に合わなくなってしまいましたね。あるいは当時の私が知らなかっただけか・・・いずれにせよ文章はそのまま残しておきます。

 まず最初に、投資信託とは何ぞや? そしてそのメリットとデメリットは? について、個人的見解を簡単に書きますと、以下のようになります。


 ■投資信託とは何ぞや?

 ・株取引などを専門とする法人に投資する金融商品


 ■メリットは?

 ・わりと放置でもいける

 ・リスクが分散されやすい


 ■デメリットは?

 ・とにかく手数料

 ・注文時から未来の株価で取引が成立する


※最近は手数料がゼロのも増えてきてます。



 さて、現代社会で生きる誰しもが毎日気にしているもの、お金ですね。私もめっちゃ気にしてます。お金はコツコツと働いて貯めるものだと思ってましたが・・・銀行の預金利息のショボさを前に、ついに投資の世界に足を踏み入れた訳です。


 その第一歩となったのが投資信託です。株やらFXやらがある中でこれにした理由は、平日の昼間は仕事があるから、だと思います。3年も前のことなので細かいことは忘れました。今思えば、FXって普通に夜でもできるじゃん。外国株も。


 投資信託の話に入っていきますが、投資信託とは言わば、投資のプロに投資するやつ、です。相手は個人ではなく法人。○○アセットマネジメントや△△投信といった会社名になってます。


 ○○アセットマネジメントに対して投資する訳ですが、○○アセットマネジメントが何をやってるかというと、普通に株取引とかだと思います。(確証はない)

 投資信託を買おうとすると、目論見書(もくろみしょ)と呼ばれる資料に目を通すように言われます。これを読むと、例えば日本の製造業をメインにするとか、アメリカの公共事業をメインにするとかが書いてあって、具体的に「ABCエナジー社に5%」、「DEFインフラ社に4.5%」とかいうリストも載ってたりします。


 まあ、私、これ、ほとんど理解してないんですけどね。ざっくり、どの国・地域か、どの事業分野かということだけ把握して後はスルーしてます。それ読む手間を全て手数料に乗せる、もし情報収集不足で損したら自分が悪いと割り切ることにしてます。○○アセットマネジメントに託す精神です。それが投資信託。


 投資信託は、銀行や証券会社で契約することができます。私は、メガバンクや証券会社のカモにされるぐらいなら・・・という精神で地元の地銀にしました。

 契約が終われば、普通預金の口座を使って直接投資信託の商品を買うことができます。商品Aを1万円! といった感じです。普通預金から1万円引き落とされて、商品Aの基準価額(きじゅんかがく)が1万口当たり2500円ならば、4万口手に入ります。売るとまた普通預金口座にお金が戻ってきます。


 基準価額というのは、手っ取り早い話が株価みたいなものです。これが安い時に買って、上がった時に売れば利益が出ます。

 注意したいのが、注文した時の基準価額で買える訳ではなく、注文日、あるいはその翌営業日か翌々営業日の夕方に決まる基準価額で取引が成立されることです。取引が成立することを、約定(やくじょう)と言います。


 そもそも基準価額は、1日1回だけ、夕方に決まります(それも平日限定)。6時過ぎぐらいに最新の額が更新されることが多いです。日中に見れるのは、過去の基準価額だけ。前営業日の額も分かりますが、この額では取引できません。いつの額で取引されるかと言うと、


 ■国内モノの商品の場合

 ・平日15時までの注文なら、その日の夕方の基準価額

 ・平日15時以降の注文なら、翌営業日の夕方の基準価額

 ・土日祝日の注文でも、翌営業日の夕方の基準価額


 ■外国モノの商品の場合

 ・平日15時までの注文なら、翌営業日の夕方の基準価額

 ・平日15時以降の注文なら、翌々営業日の夕方の基準価額

 ・土日祝日の注文でも、翌々営業日の夕方の基準価額


です。

 つまり、いくらで約定されるかは後にならないと分かりません。急騰していることが分かって買い注文をしても夕方の額で買わされますし、暴落に気付いて売ろうとしても手放せるのは最短でも夕方です。海外モノなら更に1日遅れ。この点は注意しましょう。


 後に触れる手数料のことも含めて、投資信託は短期間の取引には向かないと言えます。



 国内モノとか海外モノとか書きましたが、投資信託の商品は大まかに分けると、


 ・国内債券

 ・国内株式

 ・国内REIT (リート) ←不動産のことです

 ・外国債券

 ・外国株式

 ・外国REIT (リート)

 ・バランス

 ・その他


があります。

 債権については私自身が理解してないので話せません。株式は、○○アセットマネジメントさんが株取引をするんだと思います。REITもよく分かりませんが不動産価格がベースになるのではないかと思います。


 バランスは、その商品1つで上記に載ってるのを網羅するものです。ですが私は買いません。バランスに6万円突っ込むぐらいなら、国内債券・国内株式・国内REIT・外国債券・外国株式・外国REITに1万円ずつ突っ込みます。


「その他」は、貴金属や農作物関係があったりします。私は手を出してません。


 各商品の中身についてですが、例えば、日本の製造業がメインという商品があれば、○○アセットマネジメントさんがA社に何%、B社に何%、C社に・・・、といった運用をしてくれます。つまり、普通の株取引だと自分で1社選んでそこだけに投資せねばならないことに対して、投資信託ならその商品1つだけで多数の会社に分散されます。

 また、1000円や1万円など、損しても諦めがつく額から投資できるので手軽です。株は、現物取引だと1株800円とか3000円のものを100株単位でしか買えないので、1社に8万円とか30万円とか突っ込むことになります。そして変動も大きい。


 という訳で、投資信託は投資先を分散しやすいものと言えるでしょう。



 続いて、手数料についてのお話です。細かく分けると、


 ・購入手数料

 ・信託報酬

 ・信託財産留保額


があります。

 購入手数料は、名の通りです。だいたい1.5~3.5%ぐらいの商品が多いですね。結構幅がありますが、インデックスファンドは手数料が安めで、アクディブファンドは高めです。


 インデックスファンドというのは、世の中の平均的な相場に沿う変動をする商品です。日経平均株価やダウ平均株価と似た値動きをする商品があったりします。

 アクディブファンドは、大きな利益を狙いに行く分リスクもそれなりにある商品です。投資先の国・地域や事業が絞られてたりします。


 信託報酬は、運用手数料のようなものです。基準価額が減るという形で支払われるのか、「信託報酬は〇円でした」みたいな通知はなく目に見えにくいので、私は気にしてません。ですが手数料として取られてるのは確実です。目論見書を見れば、何%とか書いてあると思います。


 財産留保額は、解約手数料のことです(投資信託を売ることは「解約」と呼ばれます)。ゼロのものもあれば、高くても0.5%。これも目に見えにくいですが、解約口数に対して戻り額が少ないか、解約金額以上に手持ちの口数が減らされるかで支払われてると思います。

 なお、解約時は、口数指定か金額指定か選べます。


 ご覧のように、手数料、結構かかります。大抵の商品で2~3%です。なので、基準価額が購入時から3%上がらないと利益になりません。

 その一方で、1日で3%の変動もザラにあります。なので数日で利益を出すことも可能ですが、前述のように、約定となる基準価額は未来のものです。短期取引で利益を出し続けることは至難の業でしょう。それができる方は株取引へのチャレンジをオススメします。



 さてこれまで色々とお話ししてきましたが、私の実績はというと・・・?

現在、40万円ほどの赤字。1ヶ月ちょっと前までは60万の黒字だったんですけどね・・・コロナショックに巻き込まれました。

 10月辺りから暴落に備えてチマチマと売り捨ててたんですが、NISA(ニーサ)で買ったものは勿体ないからと温存していたら、この有り様ですよ。ハハッ♪


 NISAというのは、投資での利益にかかる税金(利益の2割)がゼロになる制度で、1年当たり120万円までの投資に適用することができます。この3年間、NISA枠をほぼ埋めて買っていたので300万以上が残っており・・・世界平均が2/3に落ちたんだから100万ロスするのも当然です。ハハッ♪


 しかも、3月2日の週は、よっしゃ落ちたぜ買い時だーとか言って追加投入したものだから、その後の下落で損がかさむ結果に。まあ、また買ったのですが。


※この後、半年ほどかけて無事に回復しました。損切りしてなくてマジで良かった・・・。


 なぜNISAで買ったものを売らずに温存していたかというと、分配金が高めのものをNISAで買うようにしているためです。

 分配金というのは、投資信託の保有に対してもらえるお金、ですがプレゼントではありません。基準価額を削るという形で分配されます。もう一度言いますが、分配金はプレゼントではありません。


 実際のところ、保有口数が減る訳でもなくお金が入って来るので、もらった気分になれます。基準価額が削られた分は目に見えますが、それも回復すれば同じじゃん、と思いたいところでもあります。


 ですが、基準価額が減るということで受ける影響があります。税金です。利益に対して約20%かかる税金ですが、その「利益」は、購入時の基準価額をベースにするものではありません。個別元本と呼ばれる指標がベースになります。


 例えば、1万口当たり2500円の商品を買い、それが分配金の支払いで2480円に下がると、個別元本も2480円になります。その後、例えば2490円に上がって解約したとしましょう。買った時の2500円よりも低いですが、個別元本である2480円より高いため、利益が出たということになり税金が取られます。


 また、分配金そのものにも、利益があれば税金がかかります。分配金落ち前の基準価額が個別元本を超えていれば、かな? 分配金落ち後の基準価額が個別元本を超えていれば全額分に適用かも。

 細かい算出方法は分かりませんが、面倒なので私は分配金が高いものはNISAで買うようにしています。非課税で分配金が受け取れますから。


 しかしコロナショック前に売ってればよかった・・・。1月や2月は平均株価も異常に上がっており暴落秒読みとか思ってたのに・・・ここまで落ちるとは思ってませんでした。

 せっかくNISAで買った非課税枠だからなーとか思ってしまいました(この非課税枠は解約しても戻って来ません)。どう考えても将来的にもらえる分配金よりも大幅なロスを出しました。


 そもそも分配金は、アセットマネジメントさんの一存でいかようにもできます。「今月から分配金出すのやめましたー! ゴメン☆」とか言われても泣き寝入りするしかありません。

 最も、分配金をウリにしている商品でそれをやると顧客離れに繋がるので、そうそうしないとは思いますが。


 各商品の分配金の履歴はネットで確認できます。分配金による利益を狙っている方は、今回のコロナショック、以前のリーマンショックの際に分配金がどうなったか、大した金融危機でもない時に減額されていないか確認すると良いでしょう。


 また、分配金は、受け取らずに再投資に回すこともできます。手数料なしで分配金額に相当する口数が手に入るので、その点はメリットです。ですが「分配金」なので発生した利益分の税金はしょっぴかれる(はず)です。

 ただ、これをするぐらいなら初めから分配金が少ないタイプを買うのが良いと思います。ちなみに私はいつ来るか分からない下落が怖いので、分配金は基本受け取る方向にしてます。それでもコロナショックの影響は防げませんでしたが。


 また、投資信託には償還というものがあります。これは言わば、「取り扱い終了」です。〇月〇日に償還します、という連絡が届き、全部強制解約になります。こうなると償還日を待たずに手放すが続出するので、諦めてさっさと売り捨てましょう。

 もちろんこの償還もアセットマネジメントさんの一存で決まります。下落して、回復を待ってたのに償還が決まった・・・なんてことに巻き込まれないように注意しましょう。


 分配金があろうとなかろうと、NISAであろうとなかろうと、大暴落前には売った方がいいです。そして暴落後に買って放置。これが投資信託のやり方かなあ。


 投資信託と言えば、積立投信というのを銀行員に勧められることがあります。これは、毎月この商品を1万円分買いますね、といった感じのものです。金額が固定なので、安い時には多めに、高い時には少なめに買うことができます。


 銀行を敵に回すようなことを言いますが、個人的にはオススメできません。手数料が割高なためです。購入も解約もパソコンやスマホを2~3分いじればできるので、毎月末に1万円分買う! と決めたなら、積立投信を契約せずに自分で操作して買えばいいのです。それでも大暴落前には売った方がいいですけどね。


※普通に手数料ナシで積立投信できるところもあるようです。ですがトラップとかが無いかは契約内容をよく確認した方が良いですね。



 商品選びについてですが、似たような投資先の商品も複数あったりして、迷うこともあるでしょう。私の場合は地銀1社なので選択肢が限られてますが。

 迷った時は商品ごとの比較です。これまでの基準価額の推移もネットで見れます。


 例えば、米国REITの商品を持ってたとして、調子悪いから売ろうかなーとか思った時は、他社が扱ってる米国REITの商品と比べてみましょう。どの会社の米国REITも調子が悪ければ、米国REITそのものが調子悪いだけなので、乗り換えは不要。回復を待つか、米国REITをスパッと切り捨てるかしましょう。

 もし、他社の米国REIT商品が調子いいのに自分の手持ちの調子が悪ければ、その会社の運用が悪いということになるので、切り捨てた方がいいです。相場に見合った運用ができていないのですから。


 基準価額とは別にもう1つチャートに載っている指標があります。純資産総額です。これは、アセットマネジメントさんがその商品を運用している全資産の合計額です。運用が上手くいけば増えて、ダメだったら減ります。もちろん、その商品が買われても増えます。


 これまで何度も触れた「基準価額」は、この純資産総額を全契約口数で割ったものです。なので、純資産総額が増えなくても、売る人が増えることによっても上がり、買う人が増えれば下がります。

 基準価額が減ってるけど純資産総額が増えてる商品があれば、契約者の増加に純資産総額がついて行けてないので、多分運用が上手くいってません。反対に、基準価額が増えてるけど純資産総額が減ってるというのは、解約者が増えることで基準価額が上がっているだけであり、解約者が増えているという事実そのものが中々の黄色信号です。


 つまるところ、基準価額と純資産総額がともに伸びているものが順調な商品になります。両方とも下がっている場合は、割り算して契約口数を確認してみて、それに変化がなければ無理に捨てる必要はないかなと思います。下がった時に売ってしまっては利益になりませんし。



 これまで投資信託の話をしましたが、私には1つの憧れがあり、それは究極の贅沢生活です。

 生まれは、金持ちじゃないにしても公立高校までなら奨学金なしで行けるぐらいの家庭でした。運も味方について高卒ながらも一定の収入が確保できてますが、途中から失速したままアラサーへ。更には今年の収入減少も確定・・・。生活には困ってませんが、セレブ生活には届いていません。


 しかし、仮に年収が1000万や2000万になったところで贅沢できるにも限度があるんじゃ・・・? 年利10%をキープできたところで旅行代ぐらいにしかならないんじゃ・・・? この数週間で100万円損して1年で増えた貯金の大半が消えたけど特に節約に走ってる訳でもないしまだ背負えるリスクはあるんじゃ・・・? との思いから、究極の贅沢生活を目指して、株やFXにも手を出した次第です。

 どうも自分は、利益が出たらすぐに確定させたい性分のようで、投資信託はその辺の小回りが利かないので、色々試して使い勝手の良いものを探ろうと踏み切りました。証券会社に登録したら色んな商品があるわあるわ。早速数万のロスを出してしまいましたが、慣れてきたらこの辺りもレポートしようかと思います。


 実家は家賃ゼロで固定資産税もゴミ級なので、それが最後の砦になるはず。最悪はティッシュ配りとモヤシ炒め定食の日々になるのも覚悟して、究極の贅沢生活を目指してみようではないか。



 最後に、この内容を参考にして損失が出てしまった場合も私は一切責任を負わないことを明記しておきます。どの情報を取り入れて、どの情報を無視するかを決めるのは、あなた自身です。

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