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第四十三話

「邪馬台国と言えば、九州説、畿内説があるのは有名ですけど、これは」

「いやまあ確かに、魏志倭人伝に書いてある記述をそのまま読めばこうだよ?」

「いやまあそうなんですけど……」


 太平洋のど真ん中まで続くような、道が出現しました。

前回出てきた鉄甲船が道に対して攻撃を繰り返していますが、全く壊れない所をすると、通っても大丈夫な道なんでしょう。


 確かに魏志倭人伝を読むと、太平洋のど真ん中となるので歩いて行けないためおかしいとはよく聞きますが、だからって道を作って歩けるようにするのは、それはそれでどうなんでしょうか?

まあ、設定に対して愚痴を言っても、何も進みません。


 でも、魏志倭人伝の設定どおりだとすると、ここからでも徒歩十日以上あるわけですが、途中で街はあるんでしょうか。

いえ街とまでは言いませんが、宿屋はあるのでしょうか。


 今までの前科がいろいろたくさんある運営のこと。

必要なものを作らなかったり、設定だけ作って放置したりとされないか心配なんですよね。

虚ろの国みたいに、本当にリゾートなのですか? と突っ込みを入れるしかないことも平気でやらかしていますし。


「イツミさん、そんな心配しなくても、冒険者組合の転移の魔方陣ですぐじゃない?」

「あ」


 そうでしたね。

実際、戦争を仕掛けてきた多禰国に渡るのに使用出来たぐらいですから、邪馬台国への移動にも使えないわけはありませんでした。

一部の人は、真面目に歩き始めたようですが、いつごろ着くんでしょうね。

まあ、絶海の景色を見ることが出来るわけですから、リゾートとしては悪くないのかもしれません。

鉄甲船の艦砲射撃の集中砲火と言うアトラクションつきですから、きっと緊張感いっぱいの旅が楽しめるのではないでしょうか。

リゾートの面目躍如ですね。



 邪馬台国に来てみますと、古代の邑と言った感じの風景が広がっていました。

そこに現れたプレイヤー達は思いっきり浮いています。

巫女の姿をしている私ですら、完全に時代がずれていると言うしかない状況ですからね。

洋服を着ている人達は、ほとんどアフリカの奥地にある原住民の集落に来たような雰囲気です。


「流石にこの状況は、どうなの? って思うんだ」

「いえまあ、きっと古代リゾートなんですよ」

「それなら服装変更ポイントぐらい用意しておいてほしい。いくらなんでも、俺たちこれじゃ晒しものだ」

「案外、歩いて行くと途中にあるのかもしれませんね」

「確かめに行くのは、嫌だよ!」


 まあ、きっとなんとかなるでしょう。


「邪馬台国で今一番問題になっているのは、狗奴国がヤマタノオロチと共に攻め込んできていることなんだってさ」

「いきなりボス戦?」

「まあ、最終階位と明言しているぐらいだから十分ありなんじゃないの?」

「普通に行くなら、絶海の歩道を歩き続けると言う時間もありますから、おかしくないのではないでしょうか」

「それもそうか」


 実際戦いになる以上は、冒険者であるプレイヤー達が全力を尽くすだけです。

儀式魔法のこともあり、難なく撃退しヤマタノオロチは倒しました。


 でも、これで終われるわけはなかったようです。


「呉?」


 呉の孫権が攻め込んできました。

史実でも、孫権の時代に呉の人口不足を補うために、倭に遠征して人狩りを行ったと言う話はあるのだそうです。

しかし、未知の病気と遭遇することになり人狩りに動員した兵士一万人が病死。

一万人の奴婢を得たものの、兵士一万人と中国語を話すことが出来ない一万人の日本人のどちらが重要かは、深く考える必要もなく明らかなわけで。

呉の失政としては大きなものの一つのようです。


 でも、いくら技術・人工的に当時の日本よりもはるかに進んだ中国大陸の地方政権で、古代日本にとっては脅威だったとは言っても、プレイヤー達に対しては、大して強い敵であるとも思えないのですよね。

 孫権の時代と言っても、周瑜や魯粛・呂蒙といった呉の花形武将は病没後の時代です。

大した敵ではないだろうと、思っていました。


 実際大した敵ではなく、簡単に撃退しました。

正直、種子島での戦いのほうが厳しかったぐらいですね。


「連続で戦った割には大した敵じゃないし、システムメッセージも出てこない所をすると、ボスは別にいるってことか」

「正直、名前負けしていましたよね。むしろ、そのファンの人達に抗議されてしまうんじゃないでしょうか」

「あり得るな」



 そんなこんなで邪馬台国での戦いを繰り広げて落ち着いた所でボス戦の敵が現れました。


「南海から現れた怪獣って、まさか、ゴ○ラ?」

「それは版権が問題になるからダメじゃない?」

「忘れてるの? このプロジェクト一応官民共同プロジェクトだから、版権OK貰っている可能性あり得るよ?」

「いや、その辺はどうでもいいから」


 南海から現れた怪獣に寄り、邪馬台国の集落が破壊されていきます。

ただ、当然古代の邑ですから、大して高い建物はなく、ビルにしがみつくと言ったことはできる筈もありません。

踏み潰したり家ごとつまむことはあっても、何か哀愁漂うユーモラスな怪獣です。


 それも一体ではなく、群れが複数で攻め込んできています。

直視すると、精神的におかしくなるところもしますと……


「システムメッセージ:最終ボス戦、ダゴンの襲撃イベントが開始されました。イベントに参加されたい方は、急ぎ邪馬台国にお集まりください」


 ゴ○ラかと思っていましたが、ダゴンですか。

でも、それなら邪馬台国である理由あるんですか?

ゴ○ラは版権で問題ありますが、ダゴンだったら大丈夫なはずですよね?

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