表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
36/48

第三十四話

 龍退治の懸案も片付きましたし、信濃の事件もけりがついたので、日常が再開されます。

もっとも、そろそろボス戦の話題も出てきそうですけどね。

瀬戸内海にも行けるようになっていますので、そろそろ桃太郎でもはじまりますかね?

まあ、ここの運営のことですから、鬼退治じゃなくて、桃太郎を退治するなんてことがありそうですが。


 そうそう、問題起こしたプレイヤー達は、恩赦されました。

牢獄に捕らえても、看守ごと殺すようなことすれば脱獄できるなんて相手誰も捕らえたくないですよね。

死刑になれば、死に戻りしますし、捕らえるだけ無駄と判断されたとか。


 でも、社会的地位ははく奪となっています。

冒険者組合の階位はいからやり直しです。

登録抹消とならなかったのは、組合手形が身分証明書になっているからで、わざわざ彼らのために特別なものを用意することが馬鹿らしかったと言うことのようですね。

また、はじまりの街の時のように生活費を負担してくれるような存在もいないため、冒険者ぐらいしか仕事がないというのもあるようです。

もっとも、階位が低いので信頼が必要な仕事や重要な仕事は回ってこないため、最低限の報酬しか得られないでしょうけれども。


 流石にそれなりのことをすれば階位は上がるようですけどが、通常よりは厳しい扱いになるようです。

それでも、いのままずっと上がらないというよりはマシだと思いますし、あれだけいろいろやらかしたにしては、温情だとも思います。


 神社等冒険者組合以外の組織からは、組織の構成員としての資格が抹消されたそうです。

再度加入すること自体が禁じられたわけではありませんが、垣根は高いでしょうね。

残り期間は四か月ぐらいしかありませんし、その期間で以前のことを帳消しにして再加入となるぐらいの実績上げるとなると、自分の身体に神様降臨させるぐらいはしないといけないかもしれません。

出来ない話ではない筈ですし。


 私は二度と穴を掘って埋めるみたいな修行はやりたくないですが。

あれは苦行ですよ。

予備知識がないからやりきることが出来たんです。

今の私には、やりきる根性がないでしょうね。

というより、前の私はよく出来ましたねえ。


 彼らは、業もとんでもなく高い数値になっていることでしょうし、神子騒動の時の運営が言っていた言い分を信用すると、まずは業を落とさないと神様を降臨させることすらできないかもしれませんけどね。

あ、そうそう。

呪詛を一度行うと結構業が上がります。

マイナスのままではありますが、呪詛は業深い行動だということのようですね。


……呪詛で業が低くなるのは、それはそれで嫌ですけどね。


 で、彼らが今はどんなことをしているかと言えば。


「この依頼、難易度は低いけど時間がかかるんだよね。報酬は満額渡すから代わりにやっといて」


 そう、下請けをやってもらっているわけです。

素材採取を始めて、自然破壊されるのもどうかと思いますが、かと言ってまともな依頼は依頼人が嫌がるので受けることができない。

そこで、他のプレイヤー達が信用保証する形で代わりに受けて、依頼に参加してもらうという方法を取っているんですよね。

前線国以外は、どこの国も人不足が深刻でしたから、報酬全額渡しても自分の好きな依頼に専念できるという意味で利益になるわけです。

自力では受けられない依頼を受けることで生活資金を得られるメリットはありますが、位階の功績は名目上依頼を受けた冒険者のものになりますので、いつまで経っても位階が上がらないのが彼らに対する罰と機能していますね。

もっとも、実態については組合に対してだれも隠していませんので、何か大きな功績をあげた場合は、やった本人の功績にするようにと話し合いが出来ていたりするのですが。

組合側も、生活資金困窮による犯罪に走られることを警戒しており、ある意味誰も損をしていない状況にはなっています。


 依頼を放棄するなどした場合、呪詛の恐怖が待っていると思われているようで、どこの西遊記? という感じにコントロールされてくれています。

自殺すれば解除できるとはわかっていても、経験したいものではないでしょうし。


 もっとも、依頼人が直接出向く護衛依頼などでは、通用しませんけどね。

後で処罰されるとしても、本人が殺されちゃうんじゃただの死に損ですからね。


 ただ、これで放逐されたら、サバイバル生活でもしない限り、餓死と死に戻りを繰り返す生活です。

余り経験したいプレイスタイルとも思えませんし、結構一生懸命に依頼をやっていただけています。

それでも、食べるために依頼を行っているという感じで、どう見ても遊んでいるという雰囲気じゃないんですよね。

普通のゲームなら、ログインしなくなるという選択肢もあるんでしょうが、ゲームクリアーをするか期限まではログアウトできない世界でそれはできません。


 やっぱり、ログアウト不可って無理があったんじゃないですか?

そんな頃に六回目のボス戦のための招集依頼が因幡からあったんです。


 少しでも早くクリアーになってログアウトしたい彼らは我先にと会場になる因幡に押し寄せました。

予想に反して、桃太郎とは全く無関係の荒野のオトシゴなる相手でした。

因幡だったら白兎とかあると思うんですが。

まあ、鳥取砂丘が荒野だと言われれば、確かにそうでしょうけれども。


 戦いそのものは、早くクリアーしてログアウトしたい人達が数の暴力的戦いを繰り広げたため、割と簡単に終わりました。

敵が数で攻めてくる系とはいえ、今回は味方も人数が多いですからむしろ一体一体が余り強くない分、駆け出しのままステータス成長の止まっている人達が戦力になったわけです。

運営も考えて、敵を出してきたんでしょうか。

何の役にも立たずに……となったら、また問題再燃ですからね。


 儀式魔法もうまくいき、無事倒しました。

でも今回広げられたのは、中国と四国の西側のみ。

四国方面は、次は九州となるので少しは一気に進んだ感じがしますが、

中国は小さい国が雑多にあって大して進んでないように見えますよね。


 それでも、九州に渡れば一気に進んでいくことでしょう。

四国に一番近いと思われる豊前は隣接国が多いですからね。

日本を舞台にしている以上、流石に琉球止まりでしょうし、結構先が見えてきたと言えます。


 私達は今のところ充実してますが、流石に一年以上はちょっとと思いますし、終わりが見えてきたのは良い傾向ですね。

ようやく、プロローグに追い付きました。

今まで読んでいただき、ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ