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第十四話

「システムメッセージ:言語学スキルが新たな派生スキルがあります。


真語:駿河・遠江で主に使われている言語

蝮語:美濃で主に使われている言語

狸語:三河で主に使われている言語

虎語:甲斐で主に使われている言語

沙語:越後で主に使われている言語

路語:飛騨で主に使われている言語

聖語:上野で主に使われている言語


どれを派生させますか?」


 ステータスを確認したところ、行ける場所が増えたことで言語学スキルの派生が発生したようです。

当面必要なのは、言霊魔法を調べるために路語を覚えると言うところでしょうか。

でも、蝮語や虎語、狸語ってすごい名前ですよね。

現地語が動物の名前って何かあるんでしょうか?


 でも、現地語をここまで細かく分けるのは、正直どうなんですか?とも思います。

史実でも方言レベルの違いはあったんでしょうけど、異なる言語とまで言われると?をつけたくなります。

そもそも一年のプレイ期間で果たして使われない言語がどれだけあるんでしょうとも思いますね。

色々細かい割に、駿河と遠江が同じ言語と言うのもどうなんですか?とも思えますし。

設定に突っ込んだ所で意味はないんでしょうけど、ちょっと不思議です。


 路語を選択し、一レベルで習得したところ、説明文が増えました。


 スキルボーナス:蝮語習得時にボーナス。


 えっとこれは、同じG県だからと言うことでしょうか?

それとも、もっと別の理由があるんでしょうか?

平語を確認したところ、そのようなボーナスはついていませんので、路語だからという理由があるんでしょうけれども。

そうなると、路語の次は、蝮語を学んでみたくなるのが人情ですよね。


 となるとレベルも上げないといけないということもあり、冒険者組合に行きましたらば結構人が減っています。


「みなさん、どうなされたのでしょう?」

「他の国に行けるようになりましたからね。そちらの国に行かれている方が多いんです」


 ああなるほど。

確かに次の国に行けるようになっているのに、信濃に居続ける理由はありませんものね。

私自身、飛騨に行く為に路語の勉強をしているぐらいですから。


「一時は素材が余って、報酬が下がり始めていたんですが、急に人が減ったこともあり足りなくなっております。

是非お持ち込みいただければ助かりますよ」


 需給バランスが乱れていたのですね。

まあ確かに他の依頼を受けている人もいるとはいえ、一万人もの冒険者が増えたのであれば、素材も余ることでしょう。


「ただ、最近は近場の森が乱獲により消えてしまっているので、少し遠くに行かないといけないようですので、ご注意ください」


……ああ、やっぱり根こそぎ取って来てと言うのに無理が来ましたか。


「そうなると、むしろ植林を行うと言うことは行わないのですか?」

「植林ですか?」

「ええ、素材となる植物にも種があるでしょうから、それを植えられないのかと考えまして。

勿論、それだけを植えても森のバランスでうまく育たないかもしれませんが、何もしないよりはいいのかもしれないのではと」

「成程ですね。木を植林することはあっても、草の植林と言うのは考えたことがありませんでした。

いっそのこと、畑で作っても良いんですものね。

採算が取れるかが問題となりますが」

「ああ、採算の問題がありますか。冒険者が採ってくる報酬よりも安い原価で出来なければ意味が無いんですものね。

でも、今回私達天人が根こそぎとやったことですし、個人的には植林をしたいとは思います」

「成程。依頼として報酬は出せませんが、組合としても協力はしますよ。

植えられそうな種はありますし」

「本当ですか?助かります」


 私がやったわけではないとはいえ、私達がやった以上、責任はありますよね。

その間に現れる動物との戦闘でレベルを上げていけば、私個人の採算はそれほど悪くもありませんし。

勿論、報酬も貰いませんと、宿舎が提供されているとはいえ食事代や講座を受ける料金でお金が足りなくなりますけどね。


 当面は、街に近い所を植林して、少し離れたところで自生しているものを採取して冒険者組合に持ち込む、と言った感じになりますでしょうか。

街から離れる所に行く分、敵が強くなりそうですが、体力も多少は高くなっていますので何とかなりましょう。

それに飛騨に旅立つ時には、もっと危険になりそうですし、徐々に強い敵と戦うことに慣れないといけないでしょうからね。

やることが決まった以上は、善は急げです。


「思った以上に荒れてますね」


 来てみて唖然としました。

木は至るところで切り株になっており、草は殆ど生えていない状態です。

これは酷いとしか言いようがありませんね。


 これは、ただ植えるだけではダメですね。

地味の回復から始めないといけないかもしれません。

ですが、肥料の製造法なんてもちろん知りませんし、どうしましょうか。

今日は仕方ないので街から離れた所で採取を行い、文庫や寺小屋でこの世界の農業方法について学ぶしかなさそうですね。

見通しが甘すぎたとしか言いようがありません。


 その後、採取をしていた際に狼に遭遇し殆ど負ける寸前でしたが何とか倒し街に戻りました。

敵も強敵になっていますし、態勢を整え直しましょう。

冒険者組合でも肥料について聞いてみますが、流石に専門が良すぎたようでわからないと言われて終わりました。


 なかなか思ったようにはいきませんね。

だからこそ試行錯誤する楽しみ、と言うのもあるんでしょうね。


 過去は変えられませんが、未来は……

としていく為にも一歩一歩進んで行きましょう。

最後の行が、版権に引っかかる可能性に思い至って、修正しました。

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