第二話 夜の町 其ノ貳
よし、頑張って書くぞ
男の名は赤井 将司。
彼はこの家の住人だそうだ。そして僕が成仏させた女の夫だった。
三年前、赤井は謎の宗教に入り奥さんが問い詰めたところ彼は、
なんの躊躇いもなく妻を殺した。しかし彼女は彼に刺された時点では
生きており、それからまもなく彼女はこの世に未練を残し死んだ。
それが今回の幽霊の真相だ。
僕が彼女に電気を流したとき、彼女の怒りが伝わってきたのだ。
確かにこの能力は素晴らしいものだが、何故電気なんだ?
別に他の力でも幽霊にさえ繋がれば問題ないはずだろ。
「それは、儂が雷神の下で修行したからのう」
と僕の心を読んだかのように博氏は言った。
守護霊のスケールが違うと思ったのは僕だけだろうか?
それに雷神って神様じゃないのか?と言った疑問が残るがそれは
のちのち教えてもらうことにしよう。
現在の時刻は十二時を軽く過ぎていた。そんなことを携帯電話で
確認しながら、夜の町を歩いていた。
「今度は違う臭いがするのう…これは人間か?」
博氏が難しそうな顔をして一人事を言う。
そもそも臭いで幽霊や人間の気配を追っていたのか、
ますます怪しい守護霊である。
それにしてもこんな夜中に田舎町をうろうろしてる奴がいるとは、
まぁ、僕もそんな奴なのだが。
もしかしたら僕と同じような事をしているかもしれない。と頭の悪い
僕は考えた。
「なぁ…」
「なんじゃ」不機嫌そうだ。
「お前みたいな守護霊は、他にもいるのか?」
「それはおるじゃろ。今まで死んだ人間は生きておる人間より
多いしのう…じゃが儂と同じ能力はおらんわい」
自信満々で言った。
「なるほど」
そうなると期待は大だ。
だがそこにいたのは予想外の人物だった。
ヨソウガイデス。