プロローグ
初心者なのでよろしく。
よかったら感想書いてください。
僕、西ケ野 葵は中学最後の夏休みを満喫していた。
ただ毎日飽きることなくテレビ画面に向かってテレビゲームをしているだけなのだが、友達のいない僕
にとっては最高の夏休みだ。
夏休みに入ってから今日この日までゲーム、睡眠、食事の繰り返しを狂わすことなく行なってきたのだ。
僕は学校の中では、真面目な方なのでそろそろ世間では宿題と呼ばれる学校の課題をしなくては
ならないのだ。今日まで全く手を付けていない机の上に山積みになった宿題を。
課題は嫌いだ。
人生の先輩から突き出された課題は嫌いだ。
そんな事を思いながら机に向かう僕がそこにいた。
今日からお盆なのだ。そろそろやり始めなければ真面目な僕としてはダメなのだ。
まぁ、さっきまでニートのような生活をしている人間が言える事ではないのだが。
よし、ここは苦手な英語から始めるとしよう。切り替えた。
机の下の一番上の引き出しにシャーペンが入っている。それを取り出し、山積みの宿題から英語だけを
引き抜いた。案外揺れずに安定していた。
それにしても暑いし、うるさい。うるさいと言っても蝉のことだ。家には誰もいない。
僕以外誰もいない。両親は仕事、兄貴は部活の合宿、妹達は友達の家でお泊り会。つまり、
家族の中で僕だけがダメな奴なんだ。そう思いながら右手を動かし続けた。
宿題を初めてから三十分。
それは起きた。そうこの物語の始まりとも呼べる出来事が。
突然の出来事だった。
シャーペンから静電気が流れたのだ。ありえない。
僕の家族は僕に対してこんな手の込んだいたづらをするわけがない。
ゲームのやりすぎだ。と思いもう一度シャーペンに触れた。
また静電気、それもさっきより痛い。
一体何が起きているのか全くわからない。全く理解できない。
すると、隣の部屋から声が聞こえてきた。和室で仏壇のある部屋からだ。
午後一時四十三分の事である。
「…っちじゃ。」
こんな事があっていいのだろうか? まだ昼間で怪奇現象が起きる時間ではないはずだ。
僕は幽霊が怖い奴だ。苦手だ。
そう思いながらも、僕は右手を抑えながら声のする隣の部屋に導かれるように向かった。
黒と水色の浴衣。
茶色の髪。
僕と同い年の男が胡座をかいて堂々と腕を組んで座っていた。
やっぱり半透明だった。
僕は既に汗だくだ。暑い方の汗と恐怖の方の汗で。
「こっちじゃ。」半透明の男は言う。
それに従って僕は彼に近づく。
「やはり不抜けた面をしておる。我ながら恥ずかしい事じゃ。」
「あんた一体誰だ。」ととっさに言ってしまった。
「礼儀がなってないのう。まぁよかろう、儂は西ケ野 博氏じゃ。お主の守護霊じゃよ。」
「西ケ野…?」
「簡単に言えば、お主の祖先かのう。」
「守護霊ってどう言うことだ。」と僕は恐怖を押し殺して言う。
「お主の守護霊じゃよ、前の奴は弱っておってのう。儂が代わりにきたのじゃ。」
なるほど。納得してしまった。
「なんで子供の姿なんだ?」
「子供の時に死んだからに決まっておるじゃろ。」
なるほど。
と言うことは僕には害は無いわけだ。いやむしろ僕を守ってくれるわけだ。少し安心した。
「これからよろしくのう、えーと…。」
「僕は西ケ野 葵です。」そう言って僕は彼の近くに座った。
「それにしてもだらしがないのう。」呆れたように言った。
「すいません。」謝るしかなかった。否定も言い訳もできない。
「儂が力を貸してやるから儂の言う通りに動け。」
「力…?」
「そうじゃ。儂は守護霊の中では強い方なのじゃ。」
「そうなのか。」
「その代わり夜にはその力を使って働いてもらう。」
「どういうことだ?」
「この町には沢山の悪霊達がうようよいるのじゃ。それを儂らで退治するのじゃ。」
偉そうに言った。実際彼は偉いのだが。
しかし、僕は幽霊が苦手な訳で退治するなんて僕にはできそうにない。
だがこれは多分、償いなのかもしれないと僕は思う。なぜなら僕は仏壇に6回ぐらいしか手を合せて
いない。
「わかった。」僕は迷うことなくそう言った。
初めて書きました。
設定が難しかったです。
これから頑張ります。