表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
没落魔王の下克上 ~転生先は1000年の封印から目覚めた最弱魔王でした~  作者: 棚田 乃鼻


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1/3

プロローグ

 これは遥か昔の話 ―― この広大なる大陸に、ある九人の王により九つの王国が成った。

人間(ヒューマン)の王が統治する四つの王国。森の深奥に住まうエルフの王国。岩山の奥深く鍛冶の火を絶やさぬドワーフの王国。そして、最強たる原初の魔王が統治する三つの王国。

種族も思想も異なる彼らは決してひとつにはなろうとしなかった。

争いは絶えず、剣と魔法の戦火が大地を焼き尽くす時代が続いた ――。


そんな混乱の最中、魔人族最大の勢力を誇る国、バルザ王国に、ひときわ恐れられる王が君臨していた。

その名は魔王バルザメル。

圧倒的な魔力量と支配の才をもって幾多の国を屈服させた、"最強の魔王"である。


だがあるとき、その覇道にも終止符を打つものが現れた。

たったひとりの人間(ヒューマン)の青年。

名もなき戦士に過ぎなかった彼は世界中を回る旅に出た。

その過酷な旅の途中、彼は仲間と出会い、幾多の試練を乗り超えた。

そして彼らは最強の魔王と対峙するまでに至る。


人間(ヒューマン)と魔人、互いの正義が激突したその戦いは、幾年にもわたり大地を震わせ、空を裂いた。

長きにわたった闘いの末、ついに魔王バルザメルは封印され、その姿を消した。

人々は、魔王を倒したその青年を「勇者」と呼び称えた。

その一方で、最強の魔王を失ったバルザ王国は、その栄華を保つことできなかった。

力と威厳を失った王国は、衰退の道をたどっていった。


それは、長き争いの時代が一つの節目を迎えた瞬間であり、

同時に、新たなる運命の歯車が、静かに回り始めた時でもあった。




封印から千年以上たったある日――

かつて魔王バルザメルが君臨していた城は、すでに廃墟と化していた。


その深奥、崩れた玉座の間にて。静寂に包まれた中、何者かの声が響く。


「目覚めよ、魔王バルザメル。そして再び君臨せよ。」


声とともに玉座の間に深く刻まれた魔法陣が微かに脈動する。

次の瞬間、石床の奥深くから重低音が響き渡る。

眠り続けた何かが身じろぎするかのように……。

そして、その魔法陣は赤黒い光を帯びはじめていた。


魔法陣の中心へ向かって周囲に散らばった怪しげな光が集まっていく。

吸い込まれるように、集まり、圧縮された。

長年押し込められた怨念が一気に突破口を求めるかのごとく、祭壇の中央が大きく膨張した。


空気が震え、赤黒い光があたりを覆う。

そして……。


爆ぜた。


重力すら歪んでしまうような轟音と共に、

古代の呪文は一斉に悲鳴を上げた。

魔法陣はその中心から光を噴き上げ、

赤色と黒色の奔流が渦を巻きながら、天井へと向かって伸び上がった。


”ドクン…ドクン…ドクン”


再び静寂に包まれた城に、響き渡る。


遥か昔に止まったはずの”王の心臓”は1000年という長い時を経て再び脈動をはじめた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ