57話 王都のダンジョン その4
こんにちは!怠惰こそ正義。投稿します。よろしくです。
休暇の最終日にシエルから、「この間、宿に帰ってきた時、血の匂いがしたけど、どこに行っていたの?」と聞かれた。シエルが心配するので、「王都の周辺で、1人で魔物の討伐をしてただけだよ。そんなに離れていないから、セーフだよね。」と言っておいた。
俺以外の4人は、しっかり休暇を休めた様なので良かった。先ほど帰ってきたエリスが、冒険者ギルドに情報収集に行っていたようで、なんでも誘拐されていた男爵令嬢が何者かに助けられたと話していた。「へ~、そうなんだ。」と聞いておいた。
翌日、ダンジョンに向けて出発した。今日から1ヶ月位潜る予定で、ダンジョン6階層から10階層を往復する。とりあえず最初の1週間かけて、5階層まで進む事にした。
1階層でスライムを5人で順番に倒し、2階層ではトレント、3階層では巨大スライム、4階層では毒スライム、5階層ではゴーレムを倒した。俺達は、スキル気配察知を使い、ある程度倒したら残りは回避するようにした。マリーもストーンバレットを細くして、ゴーレムのコアを狙える様になった。今のところ順調だ。
5階層の端で人気がない事を確認してから丸太風呂を出して風呂に入った。その後は交代で見張りをつけて、仮眠をとった。6階層に降りると、すぐに冒険者風の男が話しかけてきた。
「案内はいかがだい?」と言われたがエリスが断っていた。若い冒険者から手数料をとり、道を案内してくれるが、自分がいるので大丈夫とのこと。1フロアの案内で金貨20枚はとるそうだ。
6階層の魔物は、リザードマンだった。初めて見たが、爬虫類の様な魔物だった。剣と盾を装備しており、屈強な戦士に見える。単体でいたのが幸いだった。エリスが初めに手本を見せてくれた。
リザードマンは、こちらに気付くと手に持っていた剣をこちらに向けて、エリスに向かって襲いかかってきた。エリスが振り下ろされた剣を躱すと、今度は盾を振り回してきた。
わざと何度か躱して俺達に攻撃パターンを見せてくれているのだろう。最後に躱した後、すくい上げる様にして、腕を切り落とし、心臓をひとつきして倒した。スキルを使うまでもないようだ。リザードマンの剣は冒険者ギルドの買取対象なので俺が持つ事にした。
ダンジョンの良いところは、魔物の死体をほっといてもダンジョンに吸収されるところである。もちろん人もだが。気にせずに先に進む事にした。その後、俺達も1人ずつチャレンジして、危なければエリスがフォローした。マリーに限らず、俺、シエル、サイスも盾持ちのオーソドックスな人型の戦士にやりづらさを感じた。
印象としては5階層のゴーレムの方が強かった。相性の問題だけだ。エリスの話だと5の倍数の階層は、魔物が強いらしく、現在、最高到達50階層まで進んでいるので、54階層までは近いうちに進められる可能性が高いとのこと。
55階層の攻略は100年単位になる可能性があるそうだ。50階層の魔物、話によると龍種だったらしく、多くの時間と犠牲をはらったらしい。いずれにせよ俺達はそこまで行くつもりはないので、関係ないけどね。6階層を端まで進んだ所で、レベルアップもしたので、休むことにした。
〈ステータス〉
名前 サイス
レベル15 17歳 男 犯罪歴なし
領都リアンプール出身 D級冒険者
職業 領都の学園卒 槍使い
装備 エルフの槍 エルフの服 エルフの指輪 力の指輪DX
スキル 生活魔法 槍投げ 高速3段突き
※槍投げ 槍を投げて大ダメージを与える
※高速3段突き 超高速で3回突く
名前 マリー
レベル15 17歳 女 犯罪歴なし
領都リアンプール出身 D級冒険者
職業 領都の学園卒 魔法使い
装備 エルフの杖 エルフの服 エルフの指輪 力の指輪DX
スキル 生活魔法 強化版ストーンバレット(単体、複数攻撃可能)
※強化版ストーンバレット 非常に高い威力で高速の石弾をとばす
ロイ レベル18
シエル レベル16
7階層に降りると、今度は商人風の男に声をかけられた。非常食やパン、ポーション、武器などを売っていた。かなり割高なので断っておいたが……状況が最悪の時なら利用も考えよう。
本人は、サイズの小さいアイテムボックス持ちらしく、容量は小さい馬車1台分位だそうで、本人はD級冒険者らしい。仲間が近くにいるそうで、アイテムを他の冒険者に売って小銭を稼いでるそうだ。
自分以外で、初めてアイテムボックスを使っているのをみた。しかし、ダンジョンの中で商売とはお金が大好きなんだね。魔物を倒した方が早いと思ったが……。
7階層は、トロールだった。巨体でこん棒を振り回す魔物だった。オーガの様に引き締まった体ではないが、同じ様な威圧感が漂った。ここでもエリスの対処を見て真似した。
巨体だが素早い動きでこん棒を振り回してきた。ぎりぎりで躱しながら、カウンターで少しずつけずっていき倒していた。シエルも連射を使い、少しずつけずり、こん棒を避けながら倒していた。サイスは、新しく覚えた高速3段突きを使い、マリーは強化されたストーンバレットで倒していた。
俺も投擲を上手く使いながら、接近したらエルフのナイフで斬りつけた。魔物により自分との相性がかなり大事になってくると思った。場合によっては、弱くても倒せない魔物も出てくるだろう。
「ただの思いつきで気になったんだが、この辺りに海とかあるのか?俺は海を見たことがないんだけど……」とエリスに聞いてみた。現在は、7階層の端の階段付近で、5人で休んでいる最中だ。
「ロマネ王国やエルフの里の北方をしばらく歩いて進んだ所に海があるわよ。その海にはAランクの魔物クラーケンやリヴァイアサンがいるので、簡単には渡れないけど。商人や冒険者などが、遠くにうっすらと見える大陸に行こうとして、船で何度も挑戦したけど、壊されて海の藻屑になったそうよ。今は、誰も行こうとしていないと思う。見るだけなら出来ると思うけど。」とエリスが言った。そんなこと知らなかったので、勉強になった。見てみたいな。
翌日も魔物狩りを続けた。スキル気配察知を使えば魔物の位置を特定出来るので、避けられるが、レベルアップと素材の為にあえて魔物のいるところに俺達は向かった。
8階層は群れで行動するバトルウルフ、9階層はゴブリンキングだった。全員で戦ったので、そんなに強く感じなかった。やはり、前衛のエリスが強すぎるためだろう。経験値はいいが、素材なしだった。
10階層はサーペントと呼ばれる巨大な蛇の化け物だった。20メートル級の極太サイズで大きいので、これも全員で対処した。口から猛毒の液を吐き出してくるので、それだけ気をつけて、5人で袋叩きにした。
10階層の端まで到達後、しっかりと風呂や睡眠をとり、翌日からは10階層から6階層を何度か往復した。途中、冒険者の集団がいたが、お互い干渉しなかった。1ヶ月後、いくらか余力を残した状態でダンジョンの外に戻る事になった。
今回も問題なくダンジョンの外に出た後、冒険者ギルドに向かった。そして、サリーさんに素材の買取をお願いした。依頼を受けてなくてもお金をもらえるのでありがたい。エリス以外は、レベルも上がる。
サリーさんが、「そういえば、ダンジョンで他の冒険者に絡まれたりしなかったですか?最近、そういった報告が増えてきまして。素材や装備品、お金を取られたという話です。怪我や死人も出ている可能性もありますので、十分に気をつけて下さい。こちらが素材の買取代金です。」と言われて渡されたのが、金貨430枚だった。
「気をつけます。」といい宿に戻り、50日分宿を延長した。金貨400枚、その他武器や防具のメンテナンス、食料の補充を行い、パーティー資金がまたなくなりかけた。何かがおかしい。これでは自転車操業だ。働けどまったく楽にならない。
「ダンジョンは、レベルアップにはオススメだが、宿代などにお金が非常にかかるな。その日暮らしみたいで、何かあれば不安だよ。」とサイスが言った。「11階層からは、もう少し稼げるようになるから、心配はいらないよ。」とエリスが夢のあることを語っていた。前回同様に5日ほど休暇を全員で取るようにして英気を養った。
休みの間に冒険者ギルドに行き、サリーさんから以前誘拐された男爵令嬢の話の続きを聞いた。エリスからそんな話を聞いたんだけど〜という感じで聞いた。令嬢の証言と調査の結果から犯人は、元C級冒険者のハロルド一味と判明したそうだ。
しかし、その一味は未だに見つかっていないそうで、軍の方でも探しているらしい。「令嬢の話だとコートをきた青年に助けられて、青年が2人を倒したのではないか?との話で……話を聞いていますか?」と言い、サリーさんが俺を神妙な目で見ていたので、「そうなんですか。」とだけ答えておいた。勘が鋭いね!
休みの間に5人で王都の散策を行った。かなり広いので時間はかかるが、エリスが詳しかったので、道に迷う事もなかった。フリーサイズの服や非常食を大量に購入して、スラム街にも顔を出した。
腕の立つごろつきもいるらしいので、5人で離れず行動した。スラムの浅いところで、炭を使いウルフやボアの肉など焼いて、近くにいた子供や大人にあげた。フリーサイズの服も提供して、いくらか非常食を持たせてあげた。
領都リアンプールや伯爵領リガンと違い、王都のスラムは、非常に闇が深そうな気がした。2日ほど行ってから、ダンジョン探索に備えた。残りの休みの日にシエル、マリー、エリスの3人は、王都のグルメツアーをしている様だった。
サイスは、宿で槍を振り回して汗をかいていた。「物を壊すなよ!」と言って、俺は宿で睡眠を貪っていた。
ダンジョン3回目は、11階層から15階層がターゲットである。1階層から10階層までは、2週間で進み、スキル気配察知を使い、選んで魔物を倒す事に成功した。
問題は、8階層のバトルウルフの魔物が出現する所を5人で進んでいる時に起こった。前方に10人程度の冒険者が魔物と戦っているのが見えたので、避けようと迂回したところで、バトルウルフ2体がこちらに向かってきた。魔物は俺とシエルで問題なく討伐したが……。
少しすると、冒険者達が近づいて来て「そのバトルウルフは俺達の獲物だった。よくも横取りしやがったな。とんでもない事をしてくれたようだ!」と言いがかりをつけてきた。
見た感じD級冒険者に見えるが、1人位C級冒険者が中にいるかもしれない。「私達に向かってきた魔物を討伐しただけで、奪ったわけではないわ。私達には非はありません。」とシエルが言い返した。
「いいや、それは俺達の獲物だった。それより君はかわいいね!俺達の仲間に入れてあげるよ。」と上から目線で言い、シエルに触れようとした。俺が手を掴み「いい加減にしろよ!」と睨めつけてやった。
「おい、どうする?」とシエルに話しかけた男が後ろにいる人間に話しかけた。「ほっといて、行こうぜ!冒険者同士仲良く、協力しなくちゃいけない。」と言って笑いながら離れて言った。これは、また面倒くさい奴らと関わってしまったな。
読んで頂きありがとうございます。
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疲れたので、Youtubeでも見ようかな。
それから昼寝して、飯食って、寝る(-_-)zzz




