王将無双☆(730文字)
将棋のお話です
「えー、それでは。これより高橋九段と王騎八段の対局を始めます」
「よろしくお願いします」
「よろしくお願いします」
かくして戦の狼煙は上がった。
高橋九段はなんと飛車角を落としてきた! 相手が格下と見て、舐めてかかってきたのだ!
「フッ……」
王騎八段の王将が、笑った。
「ならば私は単騎で戦おう」
「何ッ……!?」
高橋九段の玉将がたじろぐ。
相手はなんと、王将以外のすべての駒を落としてきたのだ!
他の駒たちは木箱の上でだらーんと寛いでいる!
「フッ……。最強の王であるならば、他の駒などいらぬのだ」
「舐めるなッ! 歩のない将棋は負け将棋ぞッ!」
高橋九段が歩を進めた。
進めまくった!
それはあっという間に敵陣に攻め入ると、成り金となった!
「フッ……」
王騎八段の王将は成り金にフェラーリを買い与えた。
成り金は調子こいて首都高速湾岸線をフェラーリに乗って飛ばした。
重大な人身事故を起こした。
賠償金を支払うと大人しく裏返り、ただの歩に戻った。
「所詮は成り金。所詮はザコ」
歩を蹴散らし、王騎八段の王将が敵陣に攻め込む!
「この私を止めてみよ!」
高橋九段が王将の前を金で塞ぐ!
後ろには飛車角が利いている。
逃げ場はなかった。
「投了しろ!」
襲いかかる金将に、王将は巨大な矛を振るい、跳ねのけた。
ズバッ!
「ぎゃあああ!」
断末魔を上げ、金将は死んだ。
王騎八段の王将は金将を葬ると、馬上から高橋九段の玉将を挑発する。
「フッ、 貴様も玉将ならば自分で来い。一騎打ちだ」
玉将は挑発に乗った。
「我こそは高橋九段が玉将! 我の力を見よ!」
高橋九段の玉将が遠くより駆け寄ると、王騎八段の王将と対峙した。真ん前に立ち塞がったのだ。
手にした大剣を振り上げながら、吠える。
「王手だ!」
王騎八段は、それをふつうに取った。
「終局!」
作者は将棋が弱いです
……高橋九段、飛車角落としたんじゃないのかよってツッコミ、欲しかった