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どどんこ病★(415文字)

 私はどどんこ病にかかっている。どんな病なのかはよく知らない。ただ、頭の中でいつも『どどんこ、どどんこ』と音がしているのだが、これが病気だとはべつに思わない。まるで夜に遠くに聞こえる大太鼓の音のようで、それは結構風流だ。


 加古川東駅を降りるとそこは岡山駅だった。


 私は落ち着いて電車に乗り直した。西へ向いて走ってきた。今度は東へ行こうと思ったのだ。夏祭りに行こうとしていたのだが、よく考えたら今はまだ春だった。


 日生ひなせ駅で下車した。

 岡山県なのか、兵庫県なのかはよく知らない。


 祭りが開催されていた。

 きっと夏祭りだ。盛大に花火が上がるのだろう。瀬戸内海を染めるさまざな色に出会えるかもしれない。そう期待しながら私が小走りに歩きだすと、大太鼓の音が遠くから聴こえてきた。



 どどんこ──


 どどんこ、どどんこ──


 どんどん、どんちゃららった、どどんがどん──


 どんどん速くなるそのリズムに、私は身を任せながら、瀬戸内海へ身を沈めていった。



 あの満月をめざすのだ!





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