ポテサラ定食を待ちながら★(477文字)
ポテサラ定食を注文した。
あれからもう25分経っている。
俺が首を伸ばして厨房を覗くと、大将が椅子に腰かけて競馬新聞を読んでいた。
どうなのだろう──
やはり、忘れられているのだろうか──
それともポテサラが炊き上がるのを待っているのだろうか──←
何しろポテサラ定食を注文したのは初めてなので、勝手がわからない。
憧れだった、ポテサラ定食──
果たしてポテサラで白飯が食えるものなのだろうかと、食えるのなら、そんなポテサラはどれだけご飯か進む味付けがされているのだろうかと、好奇心に殺されるネコのように、私は食べログもろくに見ず、この店にやってきてしまっていた。
どんな店なんだ、ここ──
どんな店なんだよ、ここ──
客を待たせてる間に競馬新聞読んでるってどうなんだよ──
俺も読みたいよ──
明日のレースの予想がしたいよ──
いや、そうじゃなくて──
さっき注文取りに来たおばちゃんはどこ行ったんやよ──
あぁ……お腹が減った
あぁ……お腹が減ったのやよ
遂に句読点も消えてしまった
私はここで死ぬのだろうか……
「へい! ポテサラ定食お待ちっ!」
そんな声がして目を開けるとそこは天国だった。