チーズでごはん、食べられますか?★(518文字)
莉奈はかわいいし、優しいし、こんな女性と知り合えて、婚約までできてしまった俺は、なんて幸せ者なんだろうと思う。
今日は初めて彼女の部屋で、彼女の手料理をご馳走になる。
かわいいエプロンをつけた姿がまぶしかった。
これで料理上手なら、間違いなく最高の嫁になるぞと期待していると、莉奈がキッチンから聞いてきた。
「あっ、そうだ。チーズでごはん食べられますか?」
なんて気遣いのできる女性だ。
チーズハンバーグで白飯の食べられないやつは意外に多いと聞く。
俺がそうではないかと思い、聞いてくれたのだろう。
俺は答えた。
「うん、大丈夫。食べられるよ」
「よかった!」
彼女の喜ぶ顔を見て、俺も笑顔になった。
チーズでごはんなんて、もちろん食べられる。
チーズハンバーグとかだったら普通にイケる。
チーズドリアとか、洋食だと『ごはん』というより『ライス』になるが、俺にはそういった日本人的こだわりはなかった。
もし、山盛りのチーズと白ごはんが出てきても……食べてみせよう、明日のために。
俺の前に置かれたのは茶碗一杯の白ごはん、繊切りキャベツ、そしてチーズケーキだった。
「お醤油かけるとウニみたいな味になって美味しいんですよ。あたし、ほぼ毎日これ食べてるんです」
俺は、食べた。