3.うなぎ屋さん!で二度漬け
パスチャライゼーションは、食品の加熱殺菌法のうち、100℃以下で行う方法。
1866年に、パスツールとベルナールによって、ワインの殺菌方法として開発されました。
100℃以上で行う高温殺菌と区別して、低温殺菌とも呼ばれます。
この殺菌法が、食品保存の歴史において大きな分水嶺となりました。
この方法の大きな特徴として、低温での手法のため素材の風味を損なわない上、アルコール分を飛ばさないことから、風味の変化が抑えられるのです。
まぁ、1500年代には、日本酒の火入れが行われていますので、パスツールより300年早いって、胸を張っていいと思います。
また、低温殺菌は、細菌などの微生物をほぼ死滅させるわけではなく、食べても体に害のない程度にまで減少させることを目的としているため、消費期限は、高温殺菌品より短いです。
牛乳が、1週間もたないのは、このせいです。
スーパーで、豆乳は、安い時大量購入して保管できるのに・・・
ってよく思いますが、これは、風味を損なわない低温殺菌であるためなので仕方ありません。
そして、「継ぎ足しのタレって、どうして悪くならないの?」の答えが、ここにあります。
『「店で出す前に『火入れ』低温殺菌されてる」ため、「創業時のタレ」を「継ぎ足し」てうまみ濃縮して、かつ安全性も担保されています。』ということが、可能になるのですね。
パスツールのおかげで、串カツソースも、うなぎ屋さんのタレも、安心して口にすることができます。
なお、計算上では、西暦2000年に開業した25年目の串カツ屋さんのソースや、うなぎ屋さんのたれの中には、「創業時の液体は、細菌より少ない量しか入っていない」ことを付記しておきます。(よっぽどお客さんが入っていなくて、使っていない場合は、別ですが・・・)