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お好み焼き

「何食う?」


「豚玉、いや、ミックス?」


「ミックスがええやん!俺もそれにしよう」


「焼きそばも食べたいな」


「ハハハ、ほんなら半分子しよか?」


「いいのか?」


「ええよ」


そう言って、まこは注文してくれた。


「ありがとう」


「龍は、明日までか?」


「その予定」


「ほんなら、晩飯も行かへん?あー、無理じゃなかったら連絡するわ」


「俺は、こっちにいる間、暇だから大丈夫」


「そうか!ほんなら、行けそうやったらメッセージするわな」


「うん」


俺は、メニューを置いた。


「なー、龍」


「何?」


「今頃、浮気相手とおうてたらどないする?」


「別にどうもしないよ」


「強いな、龍は…」


「強いわけじゃないから、ただほら…」


「あー、あれな!わかるで。せやから、許してるんやろ?」


「そうかもな」


ミックスのお好み焼きと焼きそばがやってくる。


「おおきにやで」


まこは、そう言って俺にヘラを渡してくる。


「それで、食うんがいっちゃんうまいで」


「へー。いただきます」


まこは、お好み焼きを半分にして俺にくれる。俺は、小さなヘラでお好み焼きを切って口に運んだ。


「あつ、あつ、でも、うまい」


「せやろ?」


「うん」


まこも、お好み焼きを食べる。


「龍、あのさー。俺、思うんやけどな」


「うん」


「凛ちゃんと龍の絆は、誰にも切られへんのやないか?って思うねん。例え、誰かと不倫してもな」


俺は、焼きそばをお箸で取って小皿にいれる。


「俺、不倫されててもいいんだよ!ほら、凛には寄り道が必要なんだってわかってるから…。俺、これから30年以上は凛といるつもりだよ!不倫の一つもないなんて有り得ないから」


俺は、そう言って焼きそばを食べる。「うまっ」ソースが麺に絡んで絶品だった。


「せやろ!」まこは、そう言ってニコニコ笑ってからこう言った。


「一人の人を一生愛すって難しいんやで!長い目で見たら、たった一、二年の過ちぐらい。どないもないで!それを世の中は、叩くよなー。不倫は、悪やー、ゆうてな」


「確かに!でも、それって決めるのは結局夫婦だろ?世間が何て言っても、決めるのは俺達だから」


「せやで!龍がええんなら、ええねん。許せるんなら、それでええねん」


俺は、まこにニコニコ笑う。


「許せるに決まってるだろ?凛は、俺を最後に選んでくれるって自信があるから」


「せやで!どんな事があっても、最後には龍を選ぶんや!動揺せんと、どっしり構えとけ」


「まこは、動画見せられたんだっけ?不倫相手の彼女に」


「せやで!いまだに覚えてるわー。こんなんでも許せるんですか?って突きつけてきてな」


そう言いながら、まこは笑っている。




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