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ユリウス

見上げたボードには、ナズナ-1-ユリウスと示されていた。これはつまり、ナズナは1番目でユリウスという妖精と対戦するという意味だ。ユリウスとは妖精の種類を表すもので、人間でいう人種みたいなものらしい。大きく4種類に分かれていて、ユリウス、マキアス、アルダス、カルベスが存在する。ユリウスはこの中でも1番強いが1番気性が荒く、攻撃的な妖精で有名なのである。


「わたし、ただでさえ勝てる気しないのに、妖精の中で1番強いユリウスが相手って骨も残らないのでは…」

こればかりは周りも可哀想に思ったのか、クラスメイト達も哀れみの目でチラチラとこちらを見てくる。所々で「うちもユリウスだ…」「俺もユリウス…終わった…」と悲痛な呟きが聞こえてくる。

そうこうしているうちにバトルステージへ誘導するアナウンスが聞こえてきた。ああ、公開処刑を受ける気分…


「ほう、お前が最初の対戦相手。」

顔を上げるとすぐ目の前に小さな妖精が浮かんでいた。燃えるように真っ赤な髪と目、整った顔、羽は眩いほどに美しい銀色をしており、少し不機嫌そうな顔でこちらを見つめていた。生まれて初めて妖精を見たけど、なんというか…

「綺麗…」

「…なに?」

…あ!まさか言葉に出ちゃってた…!?やばい、怒らせた!?

慌てて謝ろうと口を開こうとした瞬間、

「綺麗とは、生まれて初めて言われた。お前はなんだ、この俺をバカにしているのか、余程勝てるという余裕があるのか、それとも俺に媚でも売って勝たせてもらおうという魂胆か?」

強くも静かな口調で妖精が話しかけてきた。表情は無表情で今何を思っているのか分からないが、その目は笑っていないーー。

(やばい、完全にやらかした。ただでさえ気性が荒いことで有名な妖精を相手に綺麗だなんて、余計怒らせたに決まってる…!)

「さあ、それでは始めましょう、第1試合、ナズナVSユリウス!」

焦る私の気持ちとは裏腹に、明るい声のアナウンスと共にバトル開始のブザーが鳴った。


「〜〜もう、やるしかない!」

気合いを入れて1歩踏み出した瞬間。

ーーードォン!!

すぐ後ろの石壁が大きな音で崩れた。

「…え」

恐る恐る振り返るとバチバチとした電撃を残しながらパラパラと石壁から欠片が落ちている。

「…すまない、外したな。次は当てる。」

(今の、ユリウスからの攻撃…!?これはバトルというより、もう殺しにきているのでは!?当たったら私、木っ端微塵だったんだけど、、!)

あまりに早すぎて目にも見えなかった一撃。何コレ。

ーードォン!バァン!ズドォン!

次々に電撃のような攻撃が繰り出されては、すぐ近くの壁や地面が抉られていく。私はとにかく、本当にとにかく、必死に避けまくった。「ちょっと、逃げてばっかじゃん!何あれ!」「勝つ気あるのかな?」「まあ、ここで負けてくれるんなら競争相手も減ってありがたいけどさ」ーークラスメイト達が各々好きなように野次を飛ばしているのが聞こえる。

「…なぜ当たらない?」

不思議そうに呟くユリウス。

(そりゃあ、逃げてますからね!?わざわざ当たりに行く馬鹿いませんよ!)

内心怒って言い返すナズナ。

「でも、このままじゃ逃げてるだけで終わっちゃう…!たしかに、バトルならこっちも攻撃しないと…」

だが、どうやって?こんなにも早い攻撃を避けつつ、さらに強い攻撃など魔力皆無の私に出来るのだろうか?


うーんうーんと頭をフル回転させ、ついに私は1つの策を思いついた。

(そうだ、魔力が少ないなら体力で補えばいいんだ…!)

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