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水晶が示す現実

今日からついに、アスベルト魔法学園の生徒となる。この学校は多くの有能な人材を世に出しているらしく、国でも有名な学校らしい。なぜこんなすごい学校に自分が入学できたのかというと、、たまたま試験項目が身体技能を使う内容が多くあり、たまたま持ち前の身体能力で点数を稼げたのだった。

「たまたまが重なりすぎて怖いけど、こんな大きい学校でこれから生活できるって考えたら楽しみ!制服も可愛いし!」

入学式を大きな講堂で終えた私は、ウキウキしながら教室に入った。周りを見渡すと、ほかの生徒達も浮足立っているのがわかる。


「ねえ、もしよかったら私と友達になってくれないかなあ?」

後ろの席から声がして振り返ると、ふわふわした茶髪が特徴の、やわらかい雰囲気の女の子が笑顔を向けてくれていた。

「え!うん、ぜひぜひ!私ナズナ・ホールウェンっていうの、よろしくね」

「私はエマ・ジェニックっていうの~。パン屋の娘なので、ぜひ今度お店に来てほしいなぁ、すっごくおいしいから!」

おっとりとした口調がすごくかわいい。さっそく素敵な子と仲良くなれてうれしいな。


「おーい、お前ら席につけー、統括委員を決めるぞー」

気怠い様子で教室に入ってきた先生は、面倒くさそうにクラスをざっと見渡すと、「んー、じゃあお前で。なんとなくしっかりしてそうだしいいだろ。」とあっさりクラスの男子生徒一名を統括委員を決めてしまった。

(かわいそうに…統括委員ってたぶんニュアンス的に学級委員的なやつなんだろうなー。それにしても先生、二日酔いみたいな雰囲気だけど大丈夫かな。)

先生ってもっとパリッとシャキッとしてるイメージだったが、今前にいる先生は顔色は悪く隈が濃く、無精髭が生えた姿。一瞬びっくりしたが、でもきっと、この学園の先生をしてるってことは、すごい人なんだろう。




そしてさっそく能力値判定の時間となった。一人ひとり前で水晶に手をかざし魔力を込めていく。水属性の者は水晶のなかに水が宿り、風属性の者は水晶が風で揺れる。そして最後に数値が現れる。この数値は1~100で魔力の強さを示すのだそうだ。水や風だけでなく、火や木、磁気、花、雷などたくさんの種類があるようだ。一般的に国民全員が、ある程度全属性の魔法を使えるのだが、その中でも特に自分と相性のいい属性というものがあるのだそうだ。

(私は全体的に全属性の魔力が低いから、正直なんの属性が自分と相性いいのかわからないんだよね)

少しの期待と不安を抱きながら水晶に手をかざすとーーー


…ザワザワッ

クラスメイト達の動揺する声がする。それもそのはず…何も見えなかったのだ。いつまでたっても、水晶のまま。そして最後には、1という数値。

「こんなことがあるのか…いや、見たことはなかったが、あるんだな実際。」

ボソッとつぶやく先生の声が聞こえる。そう、つまり、自分の魔力が限りなく無に等しいが故に何も水晶に現れず、おそらく歴代で初めての1という低数値を叩き出してしまったのだった。

(待って、恥ずかしすぎる。え、こんな公開処刑ある?せめて10は欲しかった…!)

ザワザワとした喧騒に混じって、「なんでこの子が入学できたの?」「もしかして裏口入学じゃない?」などと私の入学を疑う生徒たちの発言もチラチラ聞こえる。

「ですよねー。」

ぽそっとつぶやく私の声も、悲しきかなクラスメイト達の声にかき消されてしまったのだった。

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