魔法学校随一の体力馬鹿が真実の愛を手に入れました

体力と引き換えに？

転生してから１か月が経ち分かったことがある。この世界はどうやら、能力に差はあれど誰もが魔法を使えるらしい。１６歳になると全員が魔法学校に通うことになる。そこで自分の属性を磨いたりコントロールできるよう魔法の扱い方を練習するのだそうだ。私もあと数日後には魔法学校に通うこととなる。

(まるでもう一度高校生を体験するみたいで楽しみ！この世界でも修学旅行とか体育祭とかってあるのかな。死ぬまでの私、ほんと体が弱かったから、なかなか学生ならではのイベント事に参加できなかったからな～）

そしてもう一つ分かったことは、私の身体能力が一般的な人より圧倒的に高いということ。自分でもなぜだかわからないが、岩や馬車など大抵の重いものは持ち運べるし何十㎞全力疾走で走っても疲れることはない。なかなかチートなのでは…？と当初は浮かれたが、代償としてか魔法はさっぱり取り扱えないのだ。少しは魔力もあるようだが、申し訳程度の力である。通常の人が湧き水のように手から水を出せるとしたら、私はポツポツと雨漏りのような水しか出せないといった状態なのである。

（たしかに死ぬ直前、一人で生き抜ける力が欲しいって願ったけど！まさかこんな極端に体力だけアップして魔力はからっきしだとは思わないじゃん！）

生前病弱すぎた私のために、転生するときに神か何かが願いを聞いてくれたのだろうか、よくわからない設定付きで。

「学校行くのは楽しみだけど、こんな魔力量で、私の学校生活大丈夫かなあ…」