第37話 爺と外の状況
誤字脱字や物語の矛盾点など、ありましたらご指摘いただけるとありがたいです。
ダンジョンを後にし、山頂から屋敷まで山を下りていく。ダンジョンを出たことで安心したのか道中第三地区での戦闘の話になった、
「でもさすがに、第三地区で魔物の大群と出会った時には死んだと思いました。」
そういったのは加藤さんだ、
「そう思っても仕方ないよ、俺も死がよぎったし、実際誰かが死んでもおかしくはなかった。」
今振り返っても生きているのは運がよかったのもあると思う。ちょっとでも魔物たちの対応の時にアーチャーの矢や、シャーマンの魔法が飛んで来たら、対応しきれなくて直撃を食らってもおかしくなかったし、シンプルに数の暴力で蹂躙されたとしてもおかしくはない。
「その点、小田さんの守りや、二子さんの新しいアビリティには助けられましたよ。」
そう加藤さんが二人をほめると、小田さんは恥ずかしそうにし、二子さんはきれいにお辞儀を返した。こんなところにも性格の違いが出るのだなと、いつにもなく平和な時間を過ごしていると、屋敷が見えてきた。
しかし、屋敷の様子がちょっと変だ。庭の真ん中にヘリコプターが止まっている。
「なんだあれは?」
今朝の段階では存在しなかったヘリコプターが存在する。これの意味することは少なくとも来客がいるということだ。
ヘリコプターを見つけた俺たちは、歩くスピードを速め、駆け足で屋敷に到着する。
ヘリコプターをよく見ると見たことあるヘリだった。うちが所有している自家用ヘリだったのだ。
うちのヘリだということ気づいてからは安心して、ゆっくりと屋敷の中に入っていった。入るとき横目でヘリの中をのぞいたが誰もいなかった。
「坊ちゃま、ただいま帰還いたしました。」
屋敷に入った俺たちを出迎えたのはなんと爺だった。ということは爺があのヘリに乗ってきたのだろう。
「おお!!お帰り!。あのヘリは爺が乗ってきたのか。」
「はい、屋敷を出た後。外は予想通り大変な状況でした。その中旦那様たちのもとに何とかたどり着きコンタクトを取りました。そうしたらあのヘリを貸してくださったのです。」
なるほど、そういうことだったのか。無事父さんたちとコンタクトが取れたという事実に安堵した。
「まあ積もる話もあるだろうが、落ち着いてからにしようぜ」
そういったのは後ろに立っていたケビンだった、確かに帰ってきてそのまま話しているな。そう思った俺たちは後の話は夕食後にしようということで、風呂に入り、夕食を食べた。
夕食にはヘリに乗ってきた爺と、運転手の半田さん、そして母さんの秘書の清水さんも参加し、いつよりにぎやかな食事となった。
そして夕食後、いつものミーティングを行う。その場に爺と清水さんも参加して会議を行う。
まずはいつものように何があったかを話、第三地区での出来事を話したら爺と清水さんはとても驚いた様子で。
「そんな危険なことをしているのですか!?」
といってきた、確かに仮にも黒神家の跡継ぎがそんな危険なことをするなんてと驚かれても無理はない。ケビンにも注意されたところだったしな。
「そんな心配しないでよ、毎回毎回やっているわけじゃないし、今回は緊急時亭でもあったからね、いつもはもっと安全マージン取ってからやってるよ。」
そういうと渋々納得してくれた。ケビンが小声で「いや割といつもの気がしますけど」とつぶやいていたので、黙ってろの意味を込めてにらみつけると、黙ってくれた。
ほかには屋敷の方はいつもの業務連絡がほとんどだったので特筆すべきことはなかった。
ここまで来てやっと爺が話す番が来た。
「正直、ダンジョンですとか、そこで坊ちゃまが命がけで日夜戦っているなど、私にとっていささか心臓に悪い話で、まだ驚きが隠せないのですが、私の方もこの数日間何があったのかお話いたします。」
鈴木さんも爺の「心臓に悪い」あたりの話で深くうなずいているのが気になるが、そこには触れずに話を聞こう。
「屋敷を出た後、いつもの大通りを使い旦那様たちのところに向かいました。屋敷の外に出るとあたりはとんでもない状況でした。
道には人ひとりおらず。家々は何者かに荒らされた後、ところどころ血痕の残っているところもございました。魔物の存在を知っている身からするとすぐに魔物に襲れたのだと気づきました。
そうしてしばらく進んでいくと、乗り捨てられた車で道がふさがれており、これ以上進めないところがございました。そこで車を乗り捨て、そこからは徒歩での移動となりました。
道中魔物もちらほら現れるのでそれらを撃退しつつ。ゆっくりと確実に進んでいくと丁度昨日、旦那様のところに到着いたしまして。
事情を話したところ、一旦坊ちゃまを連れてきてほしいといわれ。ヘリコプターで送ってもらいました。」
どこから歩いたのかはわからないが、魔物たちが出てくる状態でしっかりと父さんたちとコンタクトを取ってくれて、さすがは爺だと感心した。
「そんなことがあったんだね、本当にありがとう。今日はゆっくり休んでくれ。」
「いえ、私は当たり前のことをしたまでです。」
本当に爺には頭が上がらない。かっこよすぎるだろ。そうしていると清水さんが話し出した。
「ここから先はわたくしがお話いたします。この屋敷の外の現状を。現在多くの家庭が学校、公民館などの災害時の避難場所に避難した後、そこでコミュニティーを形成し、何とか生きているといったところです。
世界各地で突如として起こった神の放送。これに対応しきれずにいた多くの人々がその命を落としました。電気、水道、ガスといったライフラインがほとんど機能しておらず、電話なども現在使用不可で、国家としての機能はほとんど機能していません。
現在警察、自衛隊などの戦力も、民間人を守ることでしか機能しておらず。魔物たちに対抗している自警団なども出てきているのが現状です。正直国というものはほとんど滅びたと考えていいでしょう。
私たち黒神グループは、明人社長を筆頭に、多くの傘下の者たちをまとめ上げ、一部の警察の人たちと一緒に自警団のようなものを作り上げて多くの人々を守っているといった状況です。この屋敷のようなものですね。」
清水さんの話を聞いて、やっぱり恐れていたことが外で起こっていたかということと。さすが父さんは心配することが無駄な人だなと思った。
「なんとなく予想していましたが、立った数日でそこまでになっていたなんて。そうなると秩序が失われて犯罪なども起こっているんじゃないですか?」
「そうですね、まだ日も浅いということもあり、そこまで目立ちませんがちらほらと。力がものをいう世界になってしまったので、今後そういう力を持った人間も警戒対象になるでしょう。現状警察組織なども機能しておらず、逮捕しても入れる牢屋がないというのが現状です。」
やっぱりそうか、牢屋なんかはむしろ魔物たちに対するいい壁になるため、牢屋の中のほうが安全なくらいだろう。
「思っていたより事態は深刻ですね、わかりました明日ヘリに乗って父さんのところまで行きます。その間屋敷のことはケビン任せてもいい?」
「もちろん、了解しました」
そういってケビンに屋敷のことを任し、俺は明日父さんのもとに行くことにする。そうなると今後のダンジョン探索も進められないだろう。
「そうしたらケビン、まだまだダンジョンの成長限界には時間があると思うから、俺が帰ってくるまで探索はいったん中止して、安全圏でのレベル上げをしておいてくれ。それから爺は疲れていると思うけど、明日以降みんなの働きを調べて、現状ポイントによる報酬を渡す場合どのようにするのか鈴木さんと協力して考えておいてくれ。」
「かしこまりました」
そうやって、ケビンと爺に指示を出し。今日の会議は終了となった。明日飛び立つことになるが、取り敢えず屋敷のことはみんなに任せて大丈夫だろう。
しかしこんな状態であいつは大丈夫なのだろうか、その辺も踏まえて父さんにあったら詳しい話を聞くことにしよう。
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