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新ログ・ホライズン  作者: 東の外記・しげき丸
4/36

幸せへのチケット(4)

 あとがきログホラ4

 


 寒さ忍び寄る霜月11月となりました。皆様いかがお過ごしでしょうか?

 初めましての方も、お久しぶりの方も、皆様に御一読頂けて感謝感激のしげき丸でございます。

 物語はますます暴走に度合いを高め、本来雲上人の業界人にも被害出まくりの素敵仕様になりつつありますが、ネトゲ番長の権力?に物言わせて知ったこっちゃありません、大事なのは読者の方々ですお客様は神様です、で暴走しております。

 こんなグダグダの物語ですが、ちゃんと最後まで読んで下されば感動の結末となるべく、鋭意努力しておりますので、どうかお見捨てにならず最後までお付き合いください。

 それでは本編をどうぞ。


 新ログ・ホライズン

 

 ―第4話:幸せへのチケット(4)―

 

 -1-

 

 もう随分と昔。

 『私』は≪安倍野華瑠真≫なる、よくある厨二ネームのサブキャラを使用していた。

 兄のギルドで行動する為のキャラであり、職業は≪神祇官≫だ。兄弟仲がいい事をアピールする必要が有った。逆に言えば、アピールしなければいけない程、『仲』身が空に近かったのだ。

 それでも後方職は性に合っているし、ビルド自体もメインキャラにかなり使い心地が近い。兄はともかく、嫌いなキャラでも無かった。

 それに、このキャラを使っている時に、シロエに会え、シロエのあのセリフも聞けた。

 向こうはもう覚えてはいないだろう。何故なら――――

「僕と同じ戦闘指揮スタイルですね。スゴイや」

「?? 特に指揮していませんが?」

「それが一番難しいんです。なるべくみんなのやりたいようにやらせて、指揮官のやる事は必要最低限の帳尻合わせ。云わば、そっと手を添えるだけ。誰か先生でもいるんですか?」

「そうですね。居ると言えばいる。居ないと言えばいません」

「?」

「あの人はいつも先頭で無謀に突撃する武闘家だったんですもの」

「へえ。ウチのリーダーと同じだ。まああの人は盗剣士ですけど」

「でも、あの人いつも言ってたの。『色んな奴がいて、みんないるって、それだけでワクワクして楽しいよな!!』って。本当にその言葉の通り、気付けばどこでも友達や仲間やパーティーを作っちゃう人でした」

「ああ、貴女は今もその人のその言葉を追いかけてるんですね」

「………そうね」

「僕もそう思います。確かにその通りだと思います」

「そうですか、なら」

 その言葉の先は言う事が出来なかった。『貴方がその人の代わりになってくれませんか?』とは。

「でも、そう思える事にはきっと意味が有るんだと思います。科学的に説明できるかどうかは分かりませんが、僕は、その言葉の先を探したい」

 この人はあの人とは違い、私とも違った。

 私達は過去に生きる者で、この人は今も未来に進む人。同じ未来に進む人をパートナーに選ぶだろう。

 だから、これっきり。

 そう思っていた。

 

 でも、今の自分は、望めば何でも手に入れられてしまう。

 酷い話だが、インティクスは自分がいないと何もできないお嬢様だと私を侮っているが、それはそもそも間違い。

 何故なら、このゲームに於いてインティクスが勝とうが、シロエが勝とうが、今頃盤上にしゃしゃり出てきた『あれ』が万一にも勝とうとも、結局このヤマトは大地人が、貴族が支配するものである限り、私の勝利は決して動かない。

 文字通り次元が違うのだから。

 ミズファを始め十席も、それぞれ思惑などバラバラだけど、所詮私の掌の上。

 『あれ』も似たような事は出来る。でも、この盤上に於いては、愚かしい程優しいが故、決して勝者にはなれない。

 望み通りになる事が一つも無い地球になど、今更帰るものか。

 たとえ『彼』がいると知っていても。

 『彼』がいるが故にだ。

 眠ろう。幸せな夢でも見よう。

 うつらうつらと夢に出てきたのは、いつか遭った双子の片割れ。

 彼は、自分と同じ匂いがしていた。彼はそれに苛立っていた。

 なのに、彼はもう、苛立っていない。羨ましくなるような、強がりでもウソでも無い本当の笑顔。

 思いやりと言う名の虚勢の、他人の為の笑顔ではない、自分の為の幸せな笑顔。

「待って」

 彼はどんどん先に進んで行く。

 行かないで、あんなに眩しい光の中には、きっとあの人がいる。会いたいけど遭いたくないの。

 やっぱりそこに彼はいて、私にいつものセリフを告げる。

「自分の本音で生きろよ。ぶつかってでも、そっちの方が楽しいぜ。気に喰わない現実ならぶっ飛ばそうぜ」

 マヒルとよく似た台詞。だから彼女を手元に置いたのに。本物なんか、今更私が傷付くだけなのに。

 声にならない叫びを上げ、私は無様に目を覚ます。

 辛い。

 私はクローゼットを開け、ダリエラの服を取り出す。

 大分仕事は片付いた。もう少し盤面が進むまで、私は幾らか暇な時間を作れる。

 マヒルはこちらに向かっているのだから、会いに行こう。

 その内あの人の代わりに、シロ様だって飼えるのだから、彼の仲間にも側に置きたいと思う者がいるか、品定めするのもいいだろう。

 自分にはもう昏い喜びしかない。


 -2-

 

 シミズの高級宿。

 シロエは、夜中に唐突に目を覚ました。

 少し嫌な思い出の夢を見たからだ。


『初めまして』

『いや、前に会いましたよね。シロエですよ、安倍野さん』

 彼女の中身は別人だった。

 彼女の兄は、口を噤むと言うのなら、秘密を話すと言った。

 自分がそこそこ信用が有ったからだ。

 彼女はボットだった。自律プログラム。

『ボットは禁止されているはずじゃあ?』

『それはアイテム転売の為ならばだ。私達の様な特別な社会的地位があり、多忙で時間のとりにくい人間の為に、サーバーが提供する、所謂公式ボットが存在する。このボットが入手したアイテムは、基本売却や譲渡出来ないようになっている。金銭も相場を越えた額を渡したりすれば、サーバーに通報される念の入りようさ』

『彼女が、安倍野さんが中に入っていない時の代わりですか』

『ああ。妹は、このヤマトに来た時、このキャラの中に入っていなかったんだよ』

 少し辛かった。

 その先の言葉を見つけたから、聞いて欲しかったのだ。

 

 シロエはベランダに出る。

 東の空が明るくなり始めていた。

 もう見える星は、強く輝く明けの明星ただ一つだけ。

 窓の開く音。

 見れば隣のベランダにも人影。

 それは寝間着にガウンを掛けただけの、髪を下ろしたままのアカツキだった。

「暁の星だね」

「うむ。私も見たくなったのだ。何せ私と同じ名前の星だから、時々見ないと落ち着かない」

「星が、僕の答なんだ」

「?」

「時が来たら話すよ。そして、それを見つけれたのは、きっと君のお蔭だ」

「うむ。良くわからぬが、主君の役に立てたのならば、それは忍びの誉れと言うものだ」

 二人は笑い合った。

 

 -3-

 

 セララはいつもにゃん太の身の回りの世話を焼いたり、手伝いをしている。

「セララっちはいつもいい子ですにゃあ」

 そのご褒美の言葉が嬉しくてだ。

 だが、最近ご褒美の言葉が違う。

「セララっちは大人になるための準備をしているのですにゃあ。えらいですにゃ」

「はいっ。私もう子供じゃないんですからっ!」

 そう答えると、にゃん太は淋しげな顔をする。

「最近どうしたんですか? 具合でも悪いんですか?」

「体は何とも悪くないにゃ。大人はどうしてもボガードの様に憂いが増えて行くものにゃ」

「憂いのあるにゃん太さん格好いいです。でもボガードって?」

「昔の色男ですにゃ」

「じゃあにゃん太さんみたいな人ですね」

「それは褒め過ぎですにゃ」


 ソウジロウはあれからずっとマヒルの身の回りの世話を焼いたり、手伝いをしている。

 椅子を引いたりその上にハンカチを敷いたりから、忘れ物に気が付いてくれたり、飲み物や欲しい物は、マヒルが目を向けただけで何となく察し、絶妙なタイミングで渡してくれる。

「何でそんな事できるんだ? 男の癖に」

「剣の極意と同じ、と言えば納得してくれますか?」

「うーん。まあ、ダンスが最高に乗ってる時に、何かズバッとフィールが合うのと同じか?」

「多分同じですね。それを意識していつも必要な時にできるようにするんですよ」

「スゲーな」

「いえ、シロ先輩の方がすごいんですけどね」

「?? あの人運動神経鈍そうじゃん」

「ええ。子供の頃は駆けっこでいつもビリだったそうです。今でも鍛えても人並みって嘆いてましたし。なのに、あの戦闘指揮が出来るって、凄い事なんですよ」

「そんなもんか」

「そんなものです」

 何か不味いとマヒルは思う。

 何がって、兎に角便利だし楽だし、居心地がいいのだ。

『マヒルちゃんって、いつも突っ走る分、よく自分の事がおろそかになりますよね~』

 以前アヤメに指摘された。

 その通りだと自分でも思う。自分自身の事はガサツになりがちなのだ。

 いかん。このままだと安楽な生活と情に流されてしまう。

 思い出せ、中身は最高に変な奴なのだ。

 そんなマヒルのしかつめらしい顔を横で眺め、ソウジロウは少し寂しい笑みを浮かべる。

 

 -4-

 

 海岸で女性陣と玲央人がはしゃぐのを余所に、にゃん太とシロエは仲良く荷物番。

「シロエっち、いい事でもありましたか?」

「え、何でそう思うの?」

「顔がにやけてますにゃ」

「ま、まあちょっとだけだよ。………なんか班長は辛そうなのに、御免」

「シロエっちは優しいですにゃあ」

「何かあったの?」

「吾輩は……このままだと、子離れできない父親になりそうですにゃあ」

 シロエは心の中で歓喜の涙を流した。

 別段釣りが好きな訳でも無いが、魚が針にかかった時の喜び、まさしくそれである。

「いいんじゃない。子離れできない親なんていくらでもいるよ」

 余談だが、シロエはソロプレイではサブキャラで死霊使いの吸血鬼を使用する程のアンデッドスキー(笑)である。

 沢山ゾンビやスケルトンだのがわらわらと湧き出る感じが、友達おいが沢山いる感じで好きなのだ。うん。淋しいのに我慢できない痛いヲタクでつ。自覚してまス(爆)。

 某カードゲームでも当然黒で、墓場ネタ系デッキを多用するくらいだ。ハラ黒眼鏡の名は伊達では無い(?)。

 そして、周りの人間を墓場へと送り込む事も大好きだ。

 いわゆる、人生の墓場へと。

 うん。単なるよくいる世話好きのオバハン趣味でつね。わかってまス(爆×2)。

「しかしですにゃ。この歳になると、そんな未練がましい真似をして、子供に結局嫌われる、哀しい上司や同僚を沢山見てきましたにゃ」

「わかるけど、さりげなく構い過ぎず、それでいて包む様に優しい。そんなお父さんになら、子供はいつだって構って欲しいもんだよ」

「成程」

 にゃん太が明るく笑む。シロエは悪辣にほくそ笑む。

「まるでボガードですにゃ。吾輩などでは、遠く及びませんにゃあ」

 あれー?

 違うちがう違うっ!ボガードじゃなくて班長自身の事なの!何でわかってくんないのっ!? と、心で叫ぶシロエ。

「よし。我輩の余生の楽しみが出来ましたにゃ。御隠居スタイルをエンジョイするのも悪くありませんでしたが、この際、より大人気なく食い散らかすべく、タフでハードボイルドの道を往くのも悪くないですにゃあ」

「あー、うん。きっと格好いいと思うよ。誰かさんもそう思うと思う」

 瞳を少年の様に輝かせ、活き活きと生気を放つ班長の姿に、もう自分の発言の訂正が出来ない、引き返せないのだと悟るシロエだった。

 

「アイスの到着ですよー」

 紙袋を抱えて帰ってきたソウジロウ。

 氷の精霊の活用方法が広まったお蔭で、アイスを売る大地人は最近急速に増えている。

 エルダー・テイルの世界に居るのに、こんな時は日本に居る錯覚に捉われる。

「小豆入りのアイス最中は、マヒルさんに」

 心のこもった所作で丁寧に手渡す。

「………よく好みだってわかったな」

「この前、アカツキさんと和菓子の話で盛り上がってたでしょ?」

「まあな。洋菓子もキライじゃねえが、ガキの頃から江戸前の和菓子ばっか食ってたせいで、やっぱり小豆だの抹茶だのが入って無きゃ、なんとなく落ち着かねえ」

「僕もです」

 マヒルを優しい目で見つめるソウジロウ。

「あ、これ先輩とアカツキさんの分です」

 明らかにオマケの扱いで、同じ小豆アイス最中をひょいひょいっと二人に無造作に投げて寄越す。

「………うん、まあ好物だけど。サンキュー」

 うん。子離れって確かに淋しいよね。まあ喜ばしいんだけどさ。複雑なシロエ。

「メロンメロンメロンっ!」「い、イチゴ味は?」「チョコバナナ味がいいです~」「コーヒー味は有りますかにゃあ?」「メープルナッツフレーバーが有れば嬉しいのですけれど」「酒じゃないから何でもいい~」「私は余りもので」

 何で小学生って、メロン味がやたら好きなんだろう? いや、僕も好きだったけどさ。

 妙な感慨にふけってしまう。

 このまま、どうかこのまま、すべて上手く行きますように。ムシのいいお願いですが。

 そう、シロエは、神では無く、このエルダー・テイルの世界、セルデシアそのものに祈った。

 

 -5-

 

 夕食を摂っていると、シミズ領主の使者が現れた。

 シロエ達は明朝出立の予定だったが、是非レイネシアと昼食を共にし、夜は花火を楽しんでもらいたいと言うのだ。

 アカツキたちが、夜の海岸で見る花火の美しさをレイネシアに語ると、彼女は花がほころぶ様な笑みを見せた。

 うん。思いっきり余所行きの笑いだ。クラスティが、その彼女のちゃっかりした計算高さを小馬鹿にして語る様は、本当に楽しそうだったのを覚えている。

「襲われた恐怖がまだ残っておりますの。心が晴れますわ。ザノン男爵には、大変感謝しているとお伝えください」

 都合のいい言い訳ができた。単に一日休みが延びてラッキー、としか思ってないよね。

 

 -6-

 

 次の日。

 朝は街の演劇場で「シミズのジェローモとサンチョ」なる、地元で活躍したと言う、伝説の武侠の芝居を皆で見る。

 何でもイースタル中から見に来る人がいるくらいの、超有名な劇だ。

 ヤマトサーバー運営スタッフは、時々こういうオヤジギャグスレスレのネタもぶっこんでくる。

 まあ、元ネタのストーリーからほとんど弄っていない様なので、意外に普通に面白かった。

 

 昼は当然領主の館だ。

 レイネシアだけ領主の家族とともに食事を摂り、エリッサはいつものように近くで控える。

 シロエ達は、話を聞きたがる騎士団長や隊長、お抱え魔道士や学者と会食する。

 騎士たちの質問は勿論≪剣聖≫のソウジロウに集中する。

 以前あった、最強の剣士を決める神前試合イベントで、ソウジロウが如何に≪剣聖≫の称号を獲得したかを、ここぞとばかりに根掘り葉掘り聞いてくる。この分だと食事が終わった後、稽古を付けてくれとせがまれる事は間違いないだろう。

 マヒルが興味無い風を装いながらも、ちらちらとソウの方を見ているのを横目で確認。よしよし。

 一方、やはりと言うか、知識人はシロエに食いついて来た。

 この際なので、質問に答えるふりをして、こちらが聞きたい事も聞いておく。

 話から聞くにやはりまず行くべきはカワサキか。あそこには確かリアル地球でも航空宇宙博物館が有った。レイネシアとの旅が終われば、さらに西へと向かう。その事に変わりは無いな。

 だが、或る事を訊ねられ、思わずワインが気管に入り、咽る事になる。

「シロエ殿が異世界より、大魔法を用いて並行世界からムー大陸を海中に召喚したとは本当ですか?」

「それが本当なら、世界の理を書き換える、『東の外記』の噂は本当となりますが?」

「ゲフンゲフン。ソンナコトハアリマセン。普通に古文書を調べて、海中遺跡の場所を発見しただけ。噂の尾鰭ですよ」

 うわー。ヤマトサーバー運営スタッフに送ったクレームと意見書の件、そんな扱いになってたんだ。

 だとすると、他の筆写師が同じ材料で同じ事しても、再現できなかったわけだ。

 自分のインチキ級能力の公式設定を、他ならぬ自分の手で運営に作らせてたんだもん。所謂究極のチートだよ。

(詳しくは筆者の別PN、豊福しげき丸名義の『なろう』掲載のログ・ホライズン番外編を参照)

 喜べない。なんか余計にセルデシアに対する責任が増した気がする。

 胸中で幾度も溜め息を衝くシロエだった。

 

 余談だが、レイネシアは早々に会食の席を退出した。

「まだ、恐ろしさの余り、食欲が出ません。折角のおもてなしなのに、申し訳なくて」

「いえ、お気になさられますな。一番いい客室を空けております。花火の時間まで休まれるといいでしょう」

 勿論、大ウソである。

 客室には、お付きの騎士の手で、大量に買い込んでいた屋台フードとお菓子が持ち込まれた。

 フカフカのベッドの上に、自前のシーツを被せ、汚さないようにしたのが、せめてもの良識、ではないな。うん。単なる証拠を残さないためだよね。うん。

 彼女は思う存分ごろごろし、見舞いに駆け付けたと言う体裁を整えた、アカツキとセララとアヤメとの女子トークに大層励んだ。ぐうたらする事には常にせっせと勤勉である。

 ナズナは、ソウジロウがこちらに居る上に、マヒルまでいるので、向こうに行ける訳など無い。

 その姿は、子供も奥さんも構ってくれず、やけ酒を飲んで黄昏るオジさんのようだった。

 ―――ゴメンと謝りたかったが、実際にかける言葉など見付けられはしなかった(涙)。

 それに引き換え、班長は昼間からウィスキーのグラスを傾けていたが、何かこう、その風情に前にもましてビシッとした迫力が有り、格好良かった。うわあ、本気でボガード目指す気かな、この人。元から格好いいのにどうなっちゃうの?

 玲央人が、ジュースのグラスで精いっぱい真似する姿も、何か微笑ましかった。

 

 -7-

 

 花火が次々と空中で、その沢山の煌めきからなる花弁を開き、それがまた海面にも映り、眼前一杯に上下二重に咲くその幻想的な光景は、アカツキたちに聞いたそれ以上だと、大層レイネシアを喜ばせた。

 マイハマでも偶にシロエとクラスティがセットで訪れた時、花火を打ってくれたが、大抵昼間だし、固い地面に光が反射する事も無い。

 味気ない防御の為の堀では無く、ネズミの国の様に、たくさんプールやウォーターアトラクションや恋人がボ-トを漕ぐための池もバンバン作れば良かったのだ。まあ、それは無茶な話だ。あれはガチの城で娯楽施設では無いので、そんな事をすれば基本、税金の無駄遣いと言われる。

「素晴らしい光景に気鬱が晴れましたわ」

「それは良かった」

 心優しいザノン男爵が安堵する。

 騙されてはいけない、その台詞は、これでこれからの食事を遠慮せずに食べれるわ。『食欲が戻りましたの』と言う演義の為の前フリなのですよ。

 やれやれ。見ていて馬鹿馬鹿しくなるくらい、クラスティとばっちり意気投合する人だよねえ。

 なのに二人とも自分では認めない。どうやったら認めさせられるかな?

 考え事し過ぎて頭が煮詰まって来た。酒では無く只の炭酸割の果汁ジュースの紙コップを取ると、のんびりと頭を冷やすために砂浜の散歩をする事にした。

 ゆっくりと歩く。

 三歩後ろをアカツキが律儀について来てくれるのを感じる。どこまで育ちのいい家庭で育ったのだろう。

 普通の人はそれがどう言う意味を持つのか分からないだろう。平成では無く昭和の人間の考え方だそうだ。

 シロエも、ソウジロウの家ほど家格は高くないが武家(貧乏なので多分足軽)なので、辛うじてわかるくらいだ。

 まあ、それが何を意味するのかも、最近薄々わかって来た。

 やっぱりそうじゃないかな。そしてそうじゃないかな?

 だが、その物思いは途切れる事になる。

 海岸に降りてきた、ある二人の姿を見つけたからだ。

 一人は古馴染み。カズ彦だ。

 そしてもう一人は―――

 長い淡い亜麻色の髪。ショートの黒髪だった彼女とは違うのに、何故かわかってしまった。

 雰囲気が、目が一緒だからだ。

 今では無く、遠い『あの人』と言う昔を今も追いかけているその眼が。

「阿倍野さん、ですよね?」

「どうしてわかるんですか? このキャラでは初めてですよね?」

「なんとなくです」

 そう言う事に、前よりもよく気付く様になった。

 アカツキへの気持ちを自分で素直に認めれて、前に進むと覚悟を決めたからだろう。恋をすると、世界が色鮮やかに見えると言うのは、まさしく言い得て妙だ。

「そして、濡羽さんでもありますよね。その姿は狐尾族の能力〈変わり身の一尾〉でしょう?」

「あーあ。ばれましたね。でも何で?」

「眼ですね。誘惑してるのに、今にして思えばちっとも僕を見てなかった。その眼が安倍野さんと同じと気付きました」

「ゆ、誘惑だと?主君!?」

「あーうん。フロウデンへのスカウト」

「なんだそうか」

「あら、それ以外も少しあったわよ」

「あわわわわ」

「だから言ったよね。この人は僕を見ていないって、アカツキ聞いてた?」

「初めまして、アカツキちゃん。ちょっとした都合で、この姿ではダリエラと読んで貰えるかしら?」

「う、うむ。私をからかわないと言うのなら聞く」

「その取引は呑まざるを得ないわね。ハイハイ。彼にちょっかいを出すのはやめるわ。今はね」

「あわわわ」

「だから~」

「俺への挨拶は無しか、馬鹿眼鏡」

「あ、そうだった。お久、カズ彦」

「フン。まあいいがな。俺の用事は別にお前じゃない。お嬢の護衛だ」

「壬生狼は? 大変じゃ無かった?」

「隊長格がやっと使い物になる様になって来たんで、暫く無理やり自己責任での指揮経験積ませる。って、相変わらずよく知ってんな」

「まあなんとなく」

「それより、いるのか?」

「誰の事かな?」

「迷惑かけてる足手纏いどもだ」

「――――――」

 シロエは笑いを堪えるに必死になった。

 余談ではあるが、一つのエピソードを話そう。

 ジャパニメーション史上、最強の剣士がいる。

 相手が剣士どころか拳銃だろうがマシンガンだろうがミサイルだろうが戦車だろうが、現代最強戦闘兵器ジェット戦闘機であろうが、ビルから飛び降りズンバラリン。こんにゃく以外、この世に斬れぬ物なし。

『またつまらぬものを切ってしまった』の台詞で有名なあの人である。

 だが、この人には致命的な弱点がある。

 言っちゃ悪いが、性格が純情可憐なツンデレ乙女なのだ。ドルチェも乙女だが、下手をすれば彼女でも負ける。

 純情すぎて、女の誘惑になど負けぬと言いながら、悪い女に掌で転がされる。

 女好きの泥棒の方が結局女あしらいが上手く、苦労性のガンマンはいつもそんな彼等を見て『やれやれ』とこぼす。

 あれ?まるで、カズ彦とソウと僕?………うん。気付かなかった事にしよう(おい)。やっぱりデュークの●太なの?

 カズ彦は一緒にアニメを見れば、そんな剣士の言動にいつもうんうんと頷く。

 止めに口癖は、自分が失敗しても友達が失敗しても、慰め代わりに『無念』と来た。

 ちょっと意地の悪い知り合いは、そんな彼を、なりきり剣士、痛い奴とか陰で呼んでいた。

 憧れるあまり、その物真似を止められなくなったやつだと。

 だが、シロエやソウジロウやにゃん太は知っている。

 違うのだ。物真似じゃなくて、どんな神様の悪戯か、そのままの性格なのだ。ガチなのだ。憧れでは無く、純粋に『俺もそう思う』と、最強剣士に共感しているのだ。同じ性格だから。

 子供の頃から山陰地方のとある古武術を一日も欠かさず鍛錬してきたのも、憧れなどでは無く、そんな不器用な生き方しかできない、ガチの人だからなのだ。

 シロエがステータスを確認すると、もう98レベルになっていた。本当相変わらずの奴。

 根性無しの物真似風情に、絶対そんな修羅の道なんか歩めるわけないじゃないか。

 でも、そんな彼が最強剣士の様に、いつか悪い女に騙されるのではないかと皆ヒヤヒヤしていた。

 だから、アヤメの件で、男3人は本当に良かったと胸をなでおろしたのだ。

 そして今回の分かり易過ぎる反応。

 聞きたいのは単にアヤメの事でしょう?

 そう噴き出したいのを必死でこらえ、答えるシロエ。

「ああ、いるよ。でも、マヒルさんは言うに及ばず、意外にもアヤメさんも玲央人も頼りになってくれてるよ?」

「あいつが? 世事はよせ。性格はともかく玲央人の方がまだ納得できる」

 アカン。重症だ。

 本当にマヒルから聞いた通りだった。

 彼は、アヤメが自分がいないと何もできない、典型的なお嬢様お姫様タイプだと思い込みたがっているのだ。

 確かに誰かが面倒を見ないと危なっかしいタイプではあるが、そもそも性格のいいアヤメの面倒は誰でも見たがる。

 その意味では何の心配もいらない。そもそも自分も周りに同じく危なっかしいと思われている自覚が無いよこの人っ!

 大体実は、プラント・フロウデンはアヤメがいないと成立しない。

 彼女には、毎朝毎晩、大量のフレンドの内から、最低でも日に5、6件以上は相談のチャットが来る。

 彼女は基本誰の事も否定しない。誰の事も在りのまま許す。叱るのは(それだって本当に怒ってるの?と周りが突っ込みたくなるレベル)、所謂道義にもとる事だけだ。

 だから、誰もが安心して内心を打ち明け、悩みを相談する。

 悩みを聞いてもらっただけで心が軽くなる者もいるし、友達の多いアヤメは、悩んでいる者の力になりそうな友達を紹介するセンスにも長けている。

 そんな事は友達同士なら誰にだってあるし、誰もがしている。でもそれは普通週に1、2件程度。

 そんな形の問題の解決が、週に40件以上、時に100近くあるのは、超人と言わざるを得ない。

 ギルドの心臓が濡羽で、頭脳がインティクスで、筋肉(笑)がカズ彦なら、その全てに隅々まで新鮮な酸素を送り込む肺がアヤメなのだ。

 でも、カズ彦は、それが単なる問題の解決には役立たない友達同士のじゃれ合いとしか映っていない馬鹿だ。とマヒルが言っていたのを思い出し、溜め息を衝く。

 どんな問題も無尽蔵の体力で解決しちゃう、筋金入りの脳筋だからなあ。

 アヤメはそんな自己能力ナルシストの彼の庇護欲求の対象として、無力でないといけないのだ。

 アヤメが悪女だったらどんな大惨事になっていた事やら。

「お嬢~、カズ彦さ~ん」

 後ろからわんこの様にアヤメが駆けてくる。アカツキが所謂忠犬タイプなら、彼女は愛玩犬タイプだ。

 まあ、アカツキは時に猫のようにも見えるが。班長とは違った意味で。

「久しぶり、アヤメ」

 笑うダリエラ。

「ケッ。またトロいから周りに迷惑かけてたんだろう?」

 毒づくカズ彦。

「……はい」

 しゅんと項垂れるアヤメ。

「なら、まだ強い奴に迷惑かける方がお前も気が楽だろう。ナゴヤまでは俺もお嬢も一緒に居てやる」

「はいっ!」

 顔を輝かすアヤメ。

 うわあ、御免なさいゴメンなさい。僕の心こそ汚れていまつたっ! と、一見無表情な顔の裏で悶えるシロエ。

 そんな事をしていると、他の面子もやって来た。

 マヒルが仕切りながら女性陣がそれぞれ自己紹介や女子トークを始める。

「先輩、僕この人になんとなく会っていた事がるような気がするんですけど、気のせいでしょうか?」

「ああ、使用キャラが違うけど、ソウも一緒にレイドに参加してた阿倍野さんだよ」

「あ、お久しぶりです。いつもお世話になってました」

「あの頃はよく話してたわよね」

「そうなの? 流石ソウ」

「まあ、ちょっと彼女とは境遇が似てて、色々相談に乗ってくれたんですよ」

「あ、そう言う事」

 そう言えば、安倍野、いや、濡羽の家もソウジロウと同じく名家だった。

 そしてこのすぐ後に、たまに某サイトで会う、カナミとソウジロウの友達と言う某作家が実は濡羽、な事も知る。

 いや、世界は意外と狭い。

 まあ、クラスティの腹心のソロモン君(地球に居るプレイヤー)も作家なのだが。彼が僕達がこんな大冒険を繰り広げていると知ったら、後できっと悔しがるだろうな。折角の美味しいネタを収集し損ねたって。

「マヒルさんの友達ですか?」

「マブダチよ」

「そうですか、よかった。僕、この度彼女の彼氏に立候補したんです! 今後とも宜しくお願いします!」

「ふーん。じゃあ、君の〈西風の旅団〉が周りに何て呼ばれてるか、彼女に話した方がいいのかしら?」

 ソウジロウとシロエの顔面が蒼白になる。

 後に≪狂王ダノーブの復活≫と呼ばれる、ノウアスフィア最大の超巨大キャンペーンシナリオ。

 その幕開けとなる最初のハーフレイド(12人)ダンジョンイベントを最初に制覇した、後の伝説のパーティーの、哀しい力関係が決定した瞬間だった。

 本当酷い。

 

 ―第5話に続く―

 


 オマケ。

 

※キャラクター紹介


●カズ彦(ヒューマン、暗殺者、市中巡視)

 大体の事は本編中に書いたので、これよりも迂闊な事を書いたらガチで命が危険でデンジャー(言語壊れた)。

 後は東京の大学を卒業した後、地元に近い大阪で就職した位である。シロエは大学院に進み居残った。

 ええ、記述に関して俺に決して悪意はないよ?カズ彦(仮名)。

 なのでここではサブ職と口伝。

 市中巡視は辺境巡視と対になる職業。取って置くとギルド会館に行った時、そう言うお巡りさん系イベントが依頼リストに追加される、ユーザーの冒険ガイド系フレーバー職である。他のサブ職でもやはりそのサブ職でしか発生しないシナリオが有ったが、直継の辺境巡視同様、生産系で無いこれらの職は、基本この専用シナリオだけでもゲームがそれなりに遊べるつくりとなっていた。ちなみに〈西風〉のイサミも着ている新選組で有名な『だんだら装束』は、当然武士以外ではヤマトの市中巡視専用。現在のヤマトでは普通の衣服でなら、どんな衣装でも着れるが、それでもアイテム効果が有る物は、今でもそれぞれの職業専用である。

 所持口伝は当然と言うか〈斬徹刀〉。

 最後に、プレイヤーネームは虎鉄和彦。就職先にバイトに来た綾女と真昼と出会い、そのまた友人の香織と出会った。

 アニメやゲーム等の製作を何でもやる、やや小規模の会社だそうだ。


 って、俺の手元に回ってきたデータには空白だったところを勝手に埋めましたが、実はもう別に他に回ってるデータがあったなんてオチは勘弁して下さいねままれさん(汗)。

 

●濡羽(狐尾族、付与術師、娼姫)

 謎多き人物だったが、ここに来てようやく謎のいくつかが明かされてきた。

 サブ職の娼姫は持っているとフレーバーコマンドの『誘惑』が表示される職業。選択肢により言葉での誘惑からHまで選べたが、年齢制限の無いゲームなので、表現はキスか古典的な『昨晩はお楽しみでしたね』表示までである(苦笑)。

 濡羽が使うと言葉でも誘惑コマンド効果は強力で、劇中ではシロエもたじたじになりました。

 加えるなら、ヤマトならではの演出は、花魁や芸者、舞子の衣装も特殊効果アイテムとして装着できる事だ。

 所持口伝は〈縛枷の茨〉。

 ちなみにスキル〈変わり身の一尾〉で変身した、ダリエラの姿でのサブ職は〈小説家〉である。

 TRPG版では関係ないが、サブ職を二つ持てるのは、狐尾族だけの特権だった。ただ問題は、それぞれ別にサブ職レベルを上げねばならないと言う手間である。別キャラ扱いだからだ。

 最後に、プレイヤーネームは香織。某メガトンハンマーの人と一緒でつね。だが、まだ苗字は秘密。



※アイテム


●千本針の手甲

 付けるとステータス[再生]が発生するアイテム。但し手甲は本来攻撃力を上昇させるアイテムなのに、このアイテムの攻撃上昇値は『0』。ソロでしかも装甲の薄い武器攻撃職しか着ける者はまずいないし、ソロでも攻撃力がダウンするのを嫌う者は、使用しなかったようだ。だが、カズ彦みたいに攻撃力が有り余り過ぎて困る位の人には大した問題では無い。

 ゲーム的には【CR+5】分の[再生]付与。

 しかし一つ問題が有ったのは、フレーバーテキストに、『家族や恋人の髪が縫い込まれている事が必要』と書かれていた事だ。ヤマトで長い時を過ごす内に、効き目が弱くなってきた[再生]に焦るカズ彦が、誰もいない昼間にこっそりと女子部屋に行くと、そこには悪魔の笑みで待っていたマヒルの姿。

「お探しの物はこれかい?」

 手には象牙色の一本の髪の毛。

 このエピソードは、何か『女子パジャマトーク事件』なるモノに、大層お怒りのマヒル(仮名)さんが是非書けと御所望なので書きまつた。良かった、俺は安全おい。ちなみにアヤメ(仮名)さんはちっとも怒ってなかたらしいでスね。

 ちなみにこの業界、そう言った女子の『秘密の花園』に男子がうっかり。とかの逸話が結構あるが、そんなモノの中身をうっかりばらしたら、男共は本当に命がいくつあっても足りませんよね、ままれさんを始めみんな(苦笑)。



※口伝


●〈斬徹刀〉

 エクスターミネイションとレイザーエッジを同時発動させる超大技。

 ダメージは実に、[【攻撃力】+(エクスターミネイションのSR+7)D]! 加えて相手の防具や外皮を破壊し、対象の【物理防御力】を、[レイザーエッジのSR×2]低下させるバッドステータスを与えると言う、とんでもない技。

 その代り、ヘイトコストもやっぱり、実に【5】ととんでもない。1シーンの使用回数はSR回まで、最大SRは3。


●〈縛枷の茨〉

 ソーンバインドホステージの使用時に、ヘイトを+1する事で更に、[硬直]の効果を上乗せできる。

 『フリーザー』なら誰でも使え得る可能性を持った技である。

 濡羽のクローンとも言える〈西風〉コミックのクロエは、この技のさらに強力版を使っていたが、あれは本来敵役などのNPC専用とお考えください。悪しからず。

 筆者の『なろう』活動報告上で公開済みのダメージ重視のアレと、お好きな方を付与術師の皆さんはお選び下さい。



※称号


●東の外記

 まあ、作中のそれとは直接関係ないのだが、筆者はよく運営に意見だのアイディアを出していた。その意見と同じイベントだのシナリオが起きる度に、「自分と同じ意見を出した人は大勢いたんだな」などと述べていた。

 ある日言われた。

「この天然さんめ」

「自覚しろ」

 公式オフ会で運営の人に「いつもお世話になっています」と挨拶すれば、

「いえいえ、こちらこそ恐れ多い。お噂はかねがね」

 あれー?

 知らぬは本人ばかりだったらしい(おい)。

 ちなみにシロエのプレイヤーネームは城江達矢。別に甲子園を目指した事は無い(ネタ。古い)。

 単に筆者のイニシャルS・Tの前後を入れかえたT・Sでもある。加えてハラ黒→シロ。なんだかなあ。

 まあ、それを言えばクラスティのアッキーもアルキーだし(以下略)。

筆者:ぱんぱかぱーん! 皆様お待ちかね、今日はスペシャル超豪華スーパーゲスト、遂に!濡羽(仮名)さんとソロモン(仮名)さんの御登場でーす!

濡羽(仮名、以下『ぬ』):ちーす。

ソロモン(仮名、以下『そ』):混ぜるな危険の匂いしかしねえ。

ぬ:テメエ、人をどこぞの汚れな洗剤扱いか?

そ:いえ、決してそんな事は。

筆者:……素敵な力関係ですね。作家知名度は、アニメ化も有り、むしろ『そ』さんの方が上では?

そ:この人の方がデビューが先なんですよ。

ぬ:あら失礼ね、私高校デビューだから、歳はアンタの方が上でしょ。

そ:高校デビューってヤンキーかよ。いや、冗談っす。俺が年上でも業界の先輩に逆らえる訳ねえ。

筆者:そんな弱気な。アナタ泣く子も黙るマフィア組織の『銃の先生』でしょ。

そ:よー覚えてるね、そんな昔のゲーム中の名前。D.D.D(仮名)で『最高軍事技術顧問』なんて役職付いちゃったからさ、そのままそのノリで某ゲーム中でもそんなの名乗ったんだよねえ。痛い事に。懐かしいなあ。

筆者:ガン&ミリタリーマニアの面目躍如ですよね。

ぬ:そのゲーム中で筆者が『静謐の船長』だもんね。

筆者:やっぱ痛いですね。若気の至り。まあいいんですけど。楽しかったですよ。

ぬ:まあ、そのゲームもそうだけど、他のゲームのエピソードもくっつけまくって、『あれ』が出来た訳よね。

そ:あははっはははは。

筆者:確かカナミ(仮名)さんのキャラは普通の『大学生』でしたよねえ。

ぬ:そんなのが同じ世界で暴れ回るって、どんだけカオスなゲームよね。一般市民女性最強。いやマジで。ジャンヌかよ。

そ:ままれさんに至っては、そのゲームで『不死の王子』ですよ。金髪ロングウェーブ! グレた某ベ◎薔薇のオスカ◎みたいな外見の! 色変えショタにして、後ほぼそのまま小説内の敵ラスボスに使ったわ! 何この厨二悪役中毒(爆笑)!

(ばーらーしたーなー(涙):ままれ)

筆者:やっぱあの人、育ちの良過ぎるひねくれ王子シャ◎ルくんですよね。昔から。成田山拝。

そ:じゃあ、アンタやっぱのび◎△ブな。フリージャーナリスト志望の。

筆者:げふうぅ(コーヒーを吹く)。

ぬ:きちゃないわねえ。

そ:勇者よ、図星突かれて死んでしまうとは何事だ。草草草。

筆者:我ながら性格比較して否定できる材料が一個も見当たんないよお(涙)。助けてドラ◎モン~~~。

ぬ:アタシなんかタダの『警官』。

そ:どこがタダ?

筆者:まあ、身元非公開のあの人が、今にして思えばマ◎姐さんだったわけですね。

ぬ:業界人はねー、面倒なの。『そ』だってそうだったじゃん。

そ:私はともかく、彼女が豪快キャラだったのは保証します。ええ。

ぬ:先輩の秘密をばらすのはこの口かしら?

筆者:轟沈提督も『そ』さんのゲーム中での部下でしたよね。

ぬ:何その轟沈提督って? あれ、筆者と違って艦船乗りじゃ無かったでしょ? 只の殺し屋でしょ?

そ:アー、艦これ史上でも1、2を争う有名事件です。

ぬ:………あれか。

筆者:彼にもこの後出てもらいます。

そ:許可取ったの?

筆者:いえ、弱み握ってるんで無理矢理。

ぬ&そ:酷過ぎる。(と言いつつ揃って爆笑)

筆者:まあ、正義のヒーロー?『ヒリュウ仮面』を出す事に比べればナンボかマシです。

ぬ:はあ?(笑いが引き攣る)

そ:ウケとる事しか考えてねえ黄色(金髪)レンジャーやっぱ頭おかしい。いや、褒め言葉。

ぬ:アンタまさか?

筆者:まあ、今後の展開次第です。

ぬ:筆者く~ん。何か欲しい物あるかしら?

筆者:この件に関しては、誰が何と言おうとログホラ読者が一番大事です。アンタらこそ見本たるべき先輩作家でしょう?

ぬ:畜生っ! ちょっとネトゲ番長だからって調子ぶっこきやがって(泣)。

そ:取り繕う事を止めた先輩、漢らしくて素敵ですね。いや、褒めてないです。

筆者:さっさとアメリカ(仮名)に舞い戻って向こうで幸せに御暮しください。

ぬ:言われなくてもそうすらああっ!バイバイキ~ン!

そ:………日本は平和になりましたね。

筆者:そうですね(茶を啜る)。

そ:アンタやっぱりデュークのび◎。

筆者:ええ、みんなのバスガイド、教頭番長です。

そ:その節はどうもお世話に。

筆者:何の事やら。


 それじゃあ、また来月次回次話でお会いしましょう、まったね~。

 まったね~。




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