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新ログ・ホライズン  作者: 東の外記・しげき丸
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幸せへのチケット(2)

 残暑厳しい秋九月となりました、皆様いかがお過ごしでしょうか?

 初めましての御方もお久しぶりの御方も宜しくお願い致します。東の外記しげき丸でございます。

 お約束の9月と相成り、この第2話をアップできました事を心より嬉しく思います。

 実は、コメントは無かった。

 逆に1つも無いので、バグではないかと思い、2話目を乗せる事にしたのである。運営さん、究明お願いします。

 この上は、どうか第一章:幸せへのチケットを毎月連載最後までお読み頂ける様、微力を尽くします。

 そして、願わくば、最終第4章までのストーリーを描き上げれますよう、なにとぞ声援を宜しくお願い致します。

 それでは、本編をどうぞ。

 新ログ・ホライズン

 

 ―第2話:幸せへのチケット(2)―

 

 -1-

 

 ウェストランデ、ミナミ。

 この街を支配する単一ギルド、プラント・フロウデン。

「インティクス! マヒルはどこっ?」

 そこには珍しく苛立ちを露わにするギルドマスター、濡羽の姿があった。

「姫君のメッキが剥がれていますよ。お嬢様」

「ッ!」

「ほらほら、そちらの方が貴女の素ですわ。醜いけれど、私にはそちらの方が好ましい」

「それよりも! マヒルは何処と聞いているのよっ!?」

「マヒルなら、アヤメと一緒に出かけたよ」

 ソファで欠伸をしながら応える、玲央人。見た目は青年の狼牙族の金髪盗剣士だが、中身は小学6年生の男の子だ。

「どこへっ!?」

「タダ飯食うのが悪いからって、お嬢が知りたがってた、シロエの遺跡巡りを追っかけるんだってさ」

「そんなのっ、他の奴にやらせればっ!」

「ホント、あいつ、お嬢の精神安定剤って自覚無いよなあ」

「何でよ……? あの子の望むモノは何でもあげたじゃない」

「だからですわ」

 インティクスが冷たい目で濡羽を一瞥する。

「結局、貴女は、他ならぬ貴女が愚昧と蔑む貴族ちゃんの心しかわからないのよねえ。理由なんて、玲央人の言った通りなのに」

「――――――ッ!」

「ホント、あいつってアホだよねえ。いつも損の方へ損の方へと行ってる自覚あるのかなあ?」

「!!」

 濡羽が殺しそうな眼で玲央人を睨む。これには流石に玲央人も震え上がる。やはり子供なのだ。

「ご、御免よぉ、お嬢」

「弱い者いじめはお止しなさいな、お嬢様。それは他ならぬ貴女と『彼』も嫌っていた事では無くて?」

 インティクスのその言葉に、濡羽は、糸の切れたマリオネットの様に、玲央人の向かいのソファに倒れ込む。

 怒りとともに、半ば生気も失って。

「無い物ねだりよねえ。可哀想に。結局、貴女には彼等が持っている物が無いから、彼等を求める。マヒルも、シロエも、そして、最初の『彼』も。でも、いつもその手をすり抜けて行く。本当に可哀想に」

「………………」

「お、お嬢。もう怒ってない?」

「もう怒ってないわ、玲央人。その代わり、貴方も行って、マヒル達を助けてあげて」

「う、うん! そんなの、僕には簡単な事だからねっ! 久々のチーム・ケルベロスだろぉっ!」

「それでいいの、濡羽?」

「ええ。あの子の、マヒルのしたい様にさせてあげたいの」

「そう」

 インティクスは笑む。

 マヒルを繋ぎ止めておくなんて簡単なのに。

『私が淋しいから側に居て』

 ただ一言それだけで、叶うる限り、マヒルは何処からでも駆けつけて、貴女の側に居るでしょうに。

 インティクス自身もまた、その台詞を決して言わぬほどに、昏い優越の愉悦に浸る醜さを抱え込んでいた。


 -2-

 

 ぐうたら姫は、いつも以上にぐうたらしていた。

 マイハマから、はるか遠くの見合い場所、中立都市ヒダへと向かう馬車の座席でほとんどスライムの様に溶けていた。

 あまりの酷さにエリッサも思わず顔を覆う。

「姫様、お気を落とさずに」

「………別に落としてません。生まれる前からこうなるって決まってた事ですし~。落としたんじゃなくて、もうこれからはリビングでオヤツつまんで寝て暮らす、オバタリアン生活でいいらしいから、気が抜けてるだけですー」

「誰からそんな事聞いたんです?」

「みんな」

「それは、冒険者に限っての話です。それも旦那の稼ぎが良くて、妻に寛容な場合に限られます」

「え~~~~。…………残念」

 残念なのは貴女です! と、全力のツッコミを飲み込むエリッサ。

 それを言い始めると、歯止めが効かなくなる。

 罵詈雑言ももちろんだが、一番言いたい、そして、言ってはいけない事を言ってしまう。

 本当は、冒険者の元に嫁ぎたかったんでしょう? 本当は―――――

 それは、彼女の立場では、決して言ってはいけない言葉。

 そんな事は露知らず、レイネシアは寝返りを打つ。

 寝心地が悪い。

 いつでもどこでも寝られるのが、貴族らしからぬ自分の自慢の特技では無かったか?

 寝心地が悪くて、胸がむかつく。

 むかむかする。

 そう。なんだかんだ言って、もう少し水楓の館の生活を楽しみたかったのだ。

 普段はムカつく事しか言わないしやらないけれども、私のお見合いの一つくらいあの尊大な鼻息一つで吹き飛ばすのが、あのサド眼鏡に我慢して付き合ってやらないでもない、数少ない取り柄では無かったのか?

 人をストレス解消のサンドバッグにするだけしておいて、代金を支払わぬとはムカつくにも程がある!

 もう一匹のハラ黒眼鏡は、流石に円卓が分裂だの、新たに互助会を立ち上げるだのに忙しすぎて、こちらまで手が回らなかったらしい。人を利用するだけしておいてそれか?

 だが、クラスティに対してはムカつけるが、シロエに対しては、ムカついても無駄な気がして溜め息を衝く。

 あれ? クラスティにもムカついても無駄なのに、何故ムカつきが収まらないのだ?

 決まっている。シロエは有能過ぎる官僚に時々いる、只の計算高い奴(私心が少ない分だけマシ)だが、クラスティは、更に輪をかけて人をムカつかせる、根性の捻じ曲がった嫌な奴だからだ。サドだからだ。そうに決まっている。

 だが、エリッサは、そしてまわりの多くは気付いている。

 それは、結局クラスティに甘えているのだと。他の誰にも甘えられない物分かりの良すぎる、実は義務感と遠慮の強すぎるレイネシアが、あれほど甘えられる相手は、結局、彼一人なのだ。

 でも、他ならぬレイネシア自身は気付いていない。

 気付かせてはいけないと、どれほどエリッサが、今、拳を白くなるほど固く握り締めているかも、気付いてはいない。

 

 -3-

 

 ハコネシティ。

「は~、やっとここまで帰ってこれたぜ。もうちょっとでお江戸だ。懐かしいなあ」

 赤橙色のショートカットの狼牙族の乙女、マヒルはそう言って肩を回す。

「そう言えば、マヒルさん、江戸っ子でしたね~」

 ほやほやと受け応えるのはやはり狼牙族だが、こちらは象牙色の長い髪を、胸の前に緩やかな二つの三つ編みにして垂らし、聖印を首に提げた乙女だ。

「おうよ、アヤメ。大学こそ大阪だが、こちとら生まれも育ちも葛飾の、七味唐辛子屋の小倅よお!」

「倅じゃなくて、娘さんですよね~」

「細かいこと気にすんな。禿るぞ?」

「それは困りますね~。気にしない事にします~」

「おうよ、それが一番だ!」

 能天気に笑い合う二人。

 マヒルは腰に2本の凝った意匠のメイスをぶら下げている。

 パーカッションメイスと呼ばれる、吟遊詩人専用の武器だ。一部が空洞になっていて、その中に鈴か大小の金属片が入っており、振り回すと音が鳴る。言わば凶悪なマラカスで、演奏しながら歌って踊るスタイルのバードに好まれる。

 弱点は命中率が悪い事だが、彼女の場合、呪歌の〈剣速のエチュード〉で補えるので、大した問題では無く、威力の高さをむしろ活かせる構成となっている。

 アヤメは背中に両手持ちのウォーハンマーを背負っている。龍が巻き付いた意匠だ。

 こちらもやはり命中率が悪いが、その分威力が高く、マヒルとコンビを組む分には問題ない。

 だが、それ以上に、彼女らのその武器から感じられるその魔力は、譲渡不可の幻想級と呼ばれる、ただならぬ得物である事を示している。防具も、他の装備も、金銭や譲渡可能で手に入れ得る、最高クラスだ。

 それも不思議ではない。

 彼女たちは玲央人と同じ、濡羽のお気に入りなのだから。

「今夜の宿をどうします~?」

「ああ、例によって、稼げる大きな酒場の付いた宿だな」

 宿代はいつもマヒルが踊って演奏し、アヤメが祈り舞い、2人で唄って稼ぐ。

 濡羽から必要以上の金を貰うのを好まない、自分の食い扶持を自分で稼ぐ、2人のライフスタイルだ。

「あの宿なんてどうです~?」

「ああ、いいな―――――って、待て。玲央人からだ」

 フレンドチャット機能を開く。

 念話の内容は、もうすぐワイバーンで追い付くから、ハコネで落ち合おうと言うものだった。

 

 -4-

 

 ハコネの最高級宿。

 エリッサは、厨房を借りて地元の最高級茶葉を手ずから淹れ、こればかりは宿のシェフが是非自分の作った物をと寄越した、やはり最高級茶葉の抹茶クリーム小豆パイと、季節のフルーツタルトとを共に盆に載せ、部屋へと戻った。

 そこで目にしたのは、空の椅子とテーブルの上に書き置きの手紙。

『すぐ戻ります。いつもの散歩』

 エリッサはすぐさま慌ててお供の騎士を呼び付ける。

 

 結論から言えば、本来聡明であるレイネシアも、この時ばかりはボケていたと言わざるを得ない。

 いつもなら、何も心配のいらない散歩。

 ただし、それは治安も良く、二重三重の保安システムに守られた、アキバの街でならばだ。

 あの街は、いわば昼間の日本と同じくらい、高貴な見目麗しい女性の独り歩きでも安全で、彼女が平和ボケするには充分であり、そして、その事が他の街で通用しない事を忘れるくらいには、彼女にとって心労が重なり過ぎていたのである。

 

 大地人傭兵団『猪の咢』は、昼間から酒を呑みグダを巻いていた。

 ハコネの領主が、〈典災〉の脅威に備え、兵を増員するとの噂を聞いて来たはいいが、僅か一日の差で他の傭兵団に仕事先を鼻先で掠め取られたのだ。

 冗談ではない。

 ここが一番条件が良かったのだ。

 今更他の領に行っても、あぶれて安値で買い叩かれるか、門前払いだ。

 見た目や素行が御世辞にもいいとは言えない、食い詰め者の集まりを、正規の兵と同じ扱いで雇う所など、本来無い。

 戦場で使い捨ての消耗品扱い。

 流石にそればかり繰り返すと、どの傭兵団も寄り付かなくなるから、露骨にそれを行う領主も余りいないが、それでもやはり、いざという時にはそうなる、それが運命。

 別に、昨日までと変わらぬ日々に戻るだけでは有る。

 だが、それでも、いや、だからこそ、やり切れぬ思いを、彼等は抱えていた。

 甘い夢など見なければ良かったと。

 だが、幸運か、はたまた不幸か、またも甘い夢は彼等の鼻先にやって来た。

 銀の髪の少女の形を取って。

「お。おい、あれ」

「すっげー美女」

「間違いなく貴族の娘だ。ひょっとしたらハコネの領主の御令嬢じゃねえか?」

 皆が、ゴクリと唾を呑む。

「街の外の連中も呼んで来い。絶対逃がす訳にゃあいかねえ」


 レイネシアが俯いて歩きながら「クラスティ氏ね、サド眼鏡氏ね」と、暗い呪詛を吐くのに夢中になる余り、気付いた時には、前も後ろも、世紀末ひゃっはーな男達に囲まれていた。

 その貌から、さーっと血の気が引く。

 ヤバイ。

 その聡明すぎる彼女の脳味噌は、有り難迷惑な事に、既に事態が手遅れに近い事を教えてくれる。

 彼女は、普通の深層の姫君ならば悲鳴を上げる代わりに、開き直って堂々と言った。

「用件は何ですか? 聞いては差し上げます。ですが、それが素直に通るとは思わない事です。力尽くで来るのなら、貴方がたに取り、悲惨な結末しか待ってはいませんよ」

 男達は呆気にとられ、顔を見合わせる。

 しかし、遅れて理解する。

「成程。どうやら、アンタは思った通りの御人で間違いなさそうだ」

 ヤバイ。

 適切過ぎる態度取ったせいで、墓穴掘ったー。

 悲鳴あげて、ただの美人過ぎる町娘なのー。と、アピールしたら良かったー!

 そう彼女は胸中で叫び後悔しましたとさ。

 

 結局、絹を裂くような乙女の悲鳴を上げたのは、僅か6名の騎士を伴って、駆け付けたエリッサ。

「いやあああああ――――っ!」

 傭兵の数はそこに居るだけで20はおり、街の外からもまだ60近く押し寄せてくる始末。

 その時の途方に暮れた騎士たちの顔面は、この世界では実在する下手な幽霊よりも蒼かったそうです。

 

 -5-

 

 同じくハコネ。

「遅いぞー、玲央人」

「十分早いよ。イライラしちゃって、ちゃんとカルシウム取ってんの?」

「マヒルさんは~、昨日もサンマを骨ごと食べてましたよ~」

「………昭和の蛮人かよ」

 いっそ口の端に葉っぱを咥えるといいと思います(ネタ古)。

「お前のせいで宿で飯食うのお預けになってんの」

「はっ。そりゃ悪かったね」

「…………。ケツを出せ」

「いや、ただの冗談だよ、冗談!」

 涙目である。

 これが、かつて〈三日月〉の戦闘隊長、小竜を手玉に取ったあの男と同一人物であろうか?

 うん。相性が悪すぎるのだろう。

「まあまあ、仲直りして~。早くご飯を食べましょうよ~」

「ま、それもそうだ」

「アヤメさんマジ天使!」

「褒めても何も出ませんよ~」

 いえ、多分、玲央人の視界の中では、後光が出てると思います。

 だがその時。

「いやあああああ――――っ!」

 絹を裂くような乙女の悲鳴。

「はわわ、大変です~」

「ほっときなよ。他の誰かがどうにかするって。それよりもマヒルがコワイから早く飯食いに行こうよね」

「他の誰かか?」

「そーそー。お役人とか、正義の味方気取りのどっかのバカとかさ」

「そうか。なら、このオレがお前の言う、どうにかする他の誰かで、正義の味方気取りのどっかのバカだ。覚えときな」

 マヒルが牙をむき出しにして嗤う。

「じゃあ、私も馬鹿になって手伝います~」

「ええええええ~~~~!?!?」

 狼牙族の足は速い。

 特殊技能も付与した冒険者ともなれば、それはオリンピック選手よりも速いなどザラだ。

 おまけに、この3人の脚には移動力をさらに増す、〈ケルベロスのブーツ〉なるモノまで装備されていた。

 幻想級の3人分で1セットのこのアイテム、他にも機能は有るのだが、ここでは説明は省く。

 とにかく、路地を駆けて角を曲がり、レイネシアを取り囲む20人の傭兵の内、こちら側10人のすぐ背後に着くのは、まさしく電光石火の早業で、気が付いた時には5人倒され、残りの5人も武器を抜いたその瞬間に倒され、残りの傭兵が事態を把握した時には、もうレイネシアはマヒル達3人の背後に庇われていた。

「どうやら間に合ったようだな」

「せいぜい感謝しろよ、お嬢ちゃん」

「玲央人君は~調子いいですよね~」

「しーっ。言わなきゃわかんないよっ!」

「あ、有難うございます。でも、今度はエリッサ達が!」

 エリッサを中心に円陣を組む6人の騎士。

 だが、それを囲むのはその10倍の数の傭兵。

「うー。ただ殴り倒すだけなら楽だけど、嬢ちゃん達庇いながらだとキツイかな?」

「いや、今度こそ領主の兵とか待とうよ!?」

「せめて~後3人~、欲を言えば一組6人パーティーくらいいれば~、役割分担できるんですけど~」

「どんな?」

「そうですね~。まずは一人か二人、屋根の上からでも飛び降りて~、エリッサさんとやらの護衛に回り~」

「どんだけジャンプするんだよ? 狼牙族の僕達でも無理だろう?」

 すると、向こうの建物の屋根から、言った通りに飛び降りる影。

「「「え?」」」

 だが、その侍装束の男は、このままでは距離が足りずに、傭兵の群れのど真ん中に落ちるかに見えた。

「「「あぁ!」」」

 しかし、空中に光る足場が二つ出現し、義経も斯くやの八艘飛びで、無事エリッサの隣に着地する。

「「「ええっ!?」」」

 長髪のサムライは2本の刀を抜き、構える。

「オレと同じ二刀流か!? あれなら一人でもかなりの数から守れる!」

 マヒルが目を瞠る。

「そ、それで次は?」

「どうなんだ?」

「え~と、定石通りだと、あの女性の身の安全が一先ず確保できたので~、残りの5人?で、私達と挟み撃ちで、敵を包囲殲滅ですよね~」

 そして、その言葉の通りに、5人の冒険者が現れ、強襲を仕掛ける。

「ひゅー。あっちの戦闘指揮官、アヤメ並みにイケてるって訳だ」

「あれ、でも、どっかで見た事ある様な?」

「玲央人君もそう思います~?」

「話は後だ、おイタする奴にきついの喰らわすぜっ! てやんでえ!今が喧嘩の売り買い時だあっ!!」


 -6-

 

 わずか9人の戦士が百人の敵を退治する。

 ハコネの街に伝説が残った。

 実際には騎士6人もいたし、傭兵も百人で無く、80にも満たなかったのだが。伝説なんてそんなもん(笑)。

 傭兵たちは、死んだ者は蓆が掛けられ、生きている者は、駆け付けた領主の兵により、残らず捕縛された。

「パーティーリーダーのシロエです。貴女は?」

 三白眼眼鏡は、そう言ってマヒルに手を差し出して握手を求める。

 マヒルは、一瞬呆気にとられたが、納得した顔になり、ズボンで手を拭いて握手に応じる。

「チーム・ケルベロスのリーダー、マヒルだ。今後とも宜しく」

「今後とも?」

「これも何かの縁だから、この姫様の護衛を一緒にする事になるんじゃないか?って話さ」

「それは、願っても無いですね」

「ま、そういう事で頼まあ」

「こちらこそ」

 陰でこっそり玲央人がアヤメに耳打ちする。

(僕も相当悪どい方だけどさ、マヒルって、実は僕より悪どいんじゃない?)

(マヒルちゃんはマヒルちゃんですよ~)

 そちらはさておき、

「今度は何を企んでるんですか?」

 レイネシアがジト目でシロエを睨む。

「まさか。僕はいつも公女殿下が本当に望まない事なんてしませんよ」

「そうだといいんですけど。まあ、アカツキさんに免じてこの場は信じてあげます。ね、アカツキさん」

「うむ」

 笑うアカツキ。

「あ、勿論セララちゃんやナズナさんにも免じてですよ」

「はい!」

「ハイハイ」

「仲良き事は美しきですにゃあ」

「めでたしめでたし、ですね」

「いや! まだ全然めでたしじゃねえ!」

 ソウジロウに異を唱えるマヒル。

「え?」

「オレは喧嘩に勝ったんだからな! 喧嘩に負けた奴らに説教する権利と義務がある!」

「あー、またマヒルの病気が始まったよ」

 げんなりする玲央人。

「いいか、聞け! 傭兵ども! なんでお前ら傭兵なんかやってんだ?」

「……他にやれる事なんざねえからだよ」「そうだそうだ」

「じゃあ、何で最初から野盗だの殺人強盗はしなかったんだ?」

「………別に」「現に今しかけたしな」

「いや、理由はある! それはお前等が気持ち悪ぃ事はしたくなかったからだ! たとえ傭兵でも、モンスターだの敵兵士だのから、誰かを守って感謝される方が気持ちいいって思ったからだ! どうせ腕力振るうなら、英雄に、ヒーローになりたかったんだ! たとえそれが他人から見てどんなに幼稚だろうともだ!違うたあ言わせねえ!」

「ううっ」「うわああああぁ」

「おめえ等は今さっき、おめえ等自身を裏切った! 気持ち悪かっただろう? だからもう、気持ち悪い生き方なんざすんな! それを命令すんのが、この喧嘩に勝ったオレの権利ってやつだ!文句は言わせねえ!」

「うわああああん」「俺がわるかったようぅぅ」「でも、どうやってやり直しゃいいんだ?」

「オレがミナミのプラント・フロウデンに口利いてやる。給料は安いかもしれねえが、そこは勘弁してくれ。お前等の指揮官になるだろうカズ彦には、アヤメがどうしてもってカズ彦にお願いしたって言えば、良くしてくれるはずだ!」

「え? そうなんですか~。じゃあ、カズ彦さんお願いします~。これでいいですか~?」

「ばっちりだ!」

「でも何でですか~?マヒルさんでもいいと思いますけど~?」

「……僕が言うのもなんだけど、カズ彦が憐れ過ぎるよね」

 頭を抱える玲央人。

「ほほう、それはめでたいですにゃ」

「カズ彦って、ロリ巨にゅ………、ゲホンゴホン。ホンワカ可愛らしい人がかあ」

「シロエっち。あまり言うと自分の首も締まりますにゃ」

「ま、まあ、それはそうと、半分は僕達でも引き受けるよ」

「そうですにゃあ、訓練はアイザックっちや施設の整っているD.D.Dにお任せすればいいですかにゃ?」

「就職先は、アキバも市街区の壁の外に施設がはみ出つつあるからね。遊園地とか。冒険者を警備員にするには勿体ない所に、彼等を使うのも悪くないよねえ」

「うむ。流石主君。名案だ」

「さて、それはそうと、もう一人説教くれなきゃなんない奴がいる」

「「「???」」」

 マヒルは振り返ると、容赦なく拳骨を、ソウジロウの頭に振り下ろした。

「この、大馬鹿野郎がああっ!」

「え?え?え?」

「バカスカ殺しやがって、何様だこの野郎っ!?」

「あ、あ、はあ。まず見せしめに最初に何人か容赦なく殺した方が、逆に後がやり易いですよね? 敵より仲間の命の方が大事ですから、当然でしょう?」

「言い訳なんざいいっ! それで、テメエは、その生き方が気持ち悪くなかったのかって聞いてんだこの野郎っ!」

「っ!!!?」

「モンスターじゃねえ、まっとうな人間様だぞ? そいつを殺すのは気持ち良かったかも知れねえ、無責任にテメエのプライドポイ捨てしたんだからな! 俺自分のプライドも後の事もなんも知ーらね、だ。 だが、そいつは、後で居心地が悪くならねえのか? 本当に気持ちのいい生き方かって聞いてんだよ!? てやんでえこの野郎!!」

「…………」

「もしおめえがどうしようもない悪党なら、もう何も言わねえ。だが、そうでないんなら、ちゃんと、気持ちのいい生き方をしやがれ!」


 それは、古い記憶。

『どうせなら、格好のいい生き方をしたいよね。ソウジロウ。見た目じゃなく、心や行いが格好いい生き方をさ。

 見た目や口先だけ取り繕うのは、半端な言い訳は格好悪いよ。

 ≪古の、道を知りても唱えても、我が行いにせずは甲斐無し≫さ』

『それって誰の言葉なんですか?』

『うーん。なんでも遠い先祖の恩人の言葉らしい。因幡の白兎と大黒様の話とセットだった』

『ねえねえ、何の話?』

『気になりますにゃあ』

『うーん。カナミや班長風に言えば、美味しい所は躊躇わず頂き喰らえ、即ち成せ。かな?』

『あー、それ大事』

『ですにゃあ』


「マヒルさんっ!」

「何だ、反省したか?」

「僕、貴女の犬になりますっ!」

 チーン(核爆)。

 その場にいた者全てがその時、真っ白な灰に燃え尽きたと言う。

「はあ? 馬鹿! お前何言ってやがんだぁっ!!??」

「班長」

「何ですかにゃ? シロエっち」

「僕さ。この旅で何が有っても、すべて片付いたら、きっとまたアキバは僕を温かく迎えてくれるって信じてたんだ」

「…………」

「無理。もう無理。少なくとも、西風のみんなには殺される。もう帰れないよっ!」

「――にゃあ」

 流石の班長でさえ、フォローは無理だった。

「ソ、ソウが、ソウが壊れて――――――――」

 ナズナが、民家の壁に、頭を打ち付け始める。

 セララには、せめて彼女に回復呪文をかけてあげる事しかできなかった。

 アカツキには、せめて扇子で仰いで冷やしてあげる事しか。

 ただ壊れてゆくナズナには(涙)。

 これが、その後長い間に渡って黒歴史として封印された、かのハコネ大惨事である。

 本当に酷い。

 

 ―第3話へ続くー




 おまけ。

 


※キャラクター解説


●マヒル(狼牙族、吟遊詩人、武侠)

 第2話の紛れもない主役。主役属性が半端なく、今後もシロエ達の主役の座を脅かしかねないと筆者(基本、混乱を避けるため、今後しげき丸を筆者、ままれさんを作者または原作者と書き分ける事とする)が不安。

 見ての通りちゃきちゃきの江戸っ子。当然憧れの人は某国民的漫画の下町公園前のお巡りさん。頑張れソウジロウ。

 戦闘スタイルはツインアームスタイル(メイス二刀流)。回避補正のある舞踏攻撃〈エレガントアクト〉と、左右の武器で別々の相手を攻撃できる〈アルペジオ〉などのスキルを軸に、多数を相手取る戦いを得意とする。

 これは彼女の「数を頼みによってたかって弱い者いじめする奴が大嫌い」と言う信条からである。そしてそれが、彼女の口伝〈一騎当千〉ともなって現われている。これは本来小竜の〈雷轟電撃〉と同じく、武侠のフレーバースキルに過ぎなかったのだが、マヒルが地球でダンスパフォーマンスを得意としていた事も有り、多数を相手に舞うように相手取るスタイルが口伝として発現したのである。

 プレイヤーネームは両国真昼。マヒル(仮名)さんからの注文で、例のお巡りさんの『両』の字が入った(笑)。

 重要キャラにも拘らず、原作者の旧作で今まで登場しなかったのは、マヒル(仮名)さんへの出演依頼を、ままれさんが◎×で取り辛かったかららしい。筆者はたまたま彼女への貸しを持っていたのだが、やはりカナミ(仮名)さんと同じく、常識的な人からは、なるべく距離を取りたいと思わせるお人柄からであろう。………勿論褒めてますよ?

 

●アヤメ(狼牙族、施療神官、神楽手)

 カズ彦(仮名)、ゴメン。マヒルと玲央人を組ませる事にしたら、どうしても回復役としてこの人に出演依頼を出さざるを得なかったんですよ。ええ。本当ですよ? 面白いからというのは、あくまでも作品としての都合ですよ?

 カズ彦が「こいつトロいから駄目だ」のディスをしながらも、実際には「仕方ねえな」とアヤメをフォローしまくるその姿は、よくいる不器用なヤンキーそのもの。なので、同じヤンキー属性を持つ(マヒルとか)や、グレてる上に、妙な事には鋭い玲央人にはバレバレだったようである。しかし意外に、普通の根が素直なヲタクプレイヤー達には、優しいアヤメにみんなが優しく返すのは当たり前であり、カズ彦の態度は理解されず、やや不快に思われている。

 困った事に、他ならぬアヤメ自身も、実際自分がトロい所が有るからちょっと嫌われてるのかな~。と思い込み、カズ彦のフォローを、彼が単に壬生狼を率い治安を守るくらい優しいから。と思い込む始末。やれやれである。

 直継とマリエくらいオープンでストレートなら良かったのにね(苦笑)。だが、こっちはこっちでてとらの問題や、シロエとアカツキに遠慮していてくれた面も有り、後から思い返せばリアルでも汗顔恐縮である(爆)。

 戦闘スタイルはテンプラースタイル(両手戦鎚遣い)。武器攻撃と小範囲回復を同時に行う〈ヒーリングフォージ〉と、近距離範囲内の仲間を守る防禦結界〈サンクチュアリ〉を軸に戦う前衛回復仕様である。

 口伝は〈天の裁鎚〉で、こちらはマヒルとは逆に、地道な〈ヒーリングフォージ〉の強化スキルである。

 サブ職の神楽手は、舞踏家と中身はほぼ同じ。選択出来る衣装が巫女服か露出の多い衣装かの違いの、ヤマトサーバーオリジナルのフレーバー職に過ぎなかった。だが、昔からの読者は御承知の通り、今後は明らかな差異が発生して行く。

 実際に選択する人は、魔法攻撃職や武器攻撃職だけど神祇官の巫女服を着たい、着せたいと言う人がほとんど。戦士職では武士が元々着れるので、拳殴り巫女みたいなマニアックキャラ選択以外は、ほぼいなかったようである。

 男性キャラでは、符術師がヤマトでは陰陽師扱いなので、それを選択して神主服、水干を着れた。

 最後にプレイヤーネームは嬉野綾女。マヒルとは地名繋がりのネーミングだが、ままれさんは『両』と同じ様にある一字に苦笑する事だろう。


●玲央人(狼牙族、盗剣士、魔槍使い)

 一部の方は既にご存知の、ログホラ外伝コミック、『ハネムーン・ログズ』からの登場。

 小6だが、所謂孤高を好む厨二ゲーマーであり、それはサブ職にも表われている(笑)。

 戦闘スタイルはグリムリーパースタイル(両手槍遣い)。相当やり込んだゲーマーなので、臨機応変に状況に応じて多彩なスキルで闘うが、基本弱者をデバフ技でいたぶるのが好きである。

 外伝では語られているが、友達がいないせいで、重度のマリエ(リアル家が近所)コンプレックスでもある(苦笑)。

 反射神経を始めゲーマーとしての腕は確かであり、喧嘩でも相手の神経を逆撫でする挑発で相手のペースを乱して弱みに付け込む技術は、小学生とは思えないくらいである。でもだから友達いない(涙)。

 これまでは、マヒルが天敵だったのだが―――――

 少年よ、修羅の国へようこそ(北斗の◎風に)。お兄さん達が可愛がってあげるよ(おい)。

 流石に口伝はまだ無い。ゲーマーの腕では無く、人生がまだ浅いのだ。

 プレイヤーネームは石神玲央人。カズ彦がその苗字を少し羨ましがっているのは小ネタ。

 

 

※アイテム解説


●〈ケルベロスのブーツ〉

 移動力アップやステータス向上、防禦属性(闇)付与のみならず、装着車の誰かがコマンドワードを唱えた途端、3人の移動力、行動タイミングなどがコンビネーションを取るに最適に同調する。オマケに何らかの理由ではぐれても、MPを消費すれば、短距離ならば転移して仲間の所にまで戻れてしまう素敵幻想級アイテム。

 だが、しかし―――――

 ぶっちゃけ呪いのアイテムでもある。一度協調行動を始めたら最後、数々の恩恵と引き換えに、別の行動や大幅に距離を取る移動をすると、HPが減少していく素敵な呪いのペナルティ。それは戦闘が終わるか一定時間が経過するまで続く。

 マヒルは身勝手な行動をとり易い玲央人の為の濡羽の配慮として、自分達に託したと勝手に好意的に解釈している。

 でも、これ、明らかにいざとなったらマヒルと時にお人好し過ぎるアヤメの暴走をも押さえ込むための物と思われる。

 策士ですよね濡羽さん。

 まさしく頭は三つてんでバラバラだが、胴体は一つで行動をせざるを得ないケルベロス。だが、マヒルと玲央人は厨二で格好いいので騙され……もとい気に入っており、アヤメは可愛いわんこ好き(過ぎる)なので気に入っている。

 ちなみに装着条件は当然全員狼牙族限定。やはりわんこ(笑)。チーム名の由来ともなったアイテムである。

 

●〈パーカッションメイス〉

 説明は本分でしたのに、ここで再解説するのは、あるネタの為である。

 それは、そんな武器が有るのなら、何でマラカス使いのドルチェ姐さんはこれ使わないの? と言う読者の疑問に答えると言う理由だ。

「アタシの腕力は~、基本、友達の喧嘩を止める為の乙女のたしなみで~、暴力には使いたくないの~」

 そう。彼女?の心は誰よりも乙女なのである。嘘だと思う人は旧作や、コミック『西風の旅団』を読み返して下さい。

 ちなみに〈エレガントアクト〉自体は彼女も使っているが、彼女のメジャーアクションは勿論攻撃などでは無く、呪歌や単なる応援で、ほぼ純然な回避とチアリーディングの技として使っている。



※口伝解説(TRPGデータ)


●〈一騎当千〉

 某マンガでもおなじみ中国の有名なことわざ。サブ職≪武侠≫のフレーバースキルである。

 口伝として発動した場合、〈アルペジオ〉の使用MPが減少、TRPGでは回数制限が無くなる(もちろん前提として既にシーン内使用回数が上限に達している事)。加えて、本来メジャーアクション1回に対して一回しか回避補正(+1D)が入らない〈エレガントアクト〉だが、この技に於いては両手それぞれの攻撃に対して一回、つまり一つのメジャーアクションで2回分の回避補正が入るのである。

 明らかに対集団戦用の技なのだが、対ボス戦などにおいて、単一の敵に対しても2回の命中判定をする事が出来る。

 但しその時はヘイトを追加で1点得てしまうし、MP消費も激しい(TRPGの場合、本来の〈アルペジオ〉と同じく回数制限が付く。シーン内〈一騎当千〉のSR回まで。上限SRは3)。そして2回目の攻撃は、普通ダメージで無く『武器の攻撃力』分の追撃付与扱いである。ちなみに両手武器の場合は、追撃は『武器の攻撃力の半分(切り上げ)』。

 追撃の付与は盗剣士である玲央人に効果が高い事も有り、彼がいる時は美味しい所を彼に譲っている。何だかんだで某お巡りさんの様に、悪態をつきながらも悪餓鬼にも優しい。本人も玲央人も認めはしないだろうが(苦笑)。

 

●〈天の裁鎚〉

 聖なる技っぽいが、実はクラスティの生命吸収技〈スカーレットスラッシュ〉と原理は同じ(おい)。

 単に奪った生命力を自分だけでなく周囲にも与えているだけである。裁きとは時に残酷なのだ。

 ゲーム的には〈ヒーリングフォージ〉に自分のヘイト×2分の追加ダメージを与え、そのヘイト×2分と同量範囲回復にも上乗せと単純明快。但し吸収技なので、当然命中しなければ発動しないし、1点の追加ヘイトも必要で有り、MP消費も激しく、TRPGではシーン内にSR回までである(上限SRはこれも3)。


筆者:ぱんぱかぱーん。新ログホラ毎月連載決定おめでとうございまーす。とあとがきでも言ってみる。

あ(アカツキ(仮名)の略):うむ。めでたいぞ、主君。

か(カズ彦(仮名)の略):俺はまだ出てねーぞ。オマケに何だあれは?

筆者:アヤメさんだが?

か:そーゆー事を聞いてんじゃねえっ! 何であれが出てんだよぉおっ?

筆者:マヒルさんと同じように、ストーリー展開上の必然。だっておまいももうすぐこの後出るもん。レギュラーで。

か:(泡吹いて一度倒れる)

筆者:おおげさな。君武闘派でしょ? 某◎○△×史上最強の男と呼ばれた。

か:そーゆー問題じゃねえっ! 人のプライバシーほじくりかえすなっ!

筆者:あれだよね、とある漫画さ、『巨乳』キャラと『ロリ』キャラいたよね?

か:(立ったまま、またまた泡を吹く)ふぃ、フィクションだからな。当然フィクションの新ログホラでも、お前の思う様に書いて当然だと思うな、俺は。

筆者:理解してもらえてうれしいよ。

(ええ、などと言いながら、お互い後ろにこっそりナイフとか隠し持ってませんじょ(苦笑))

あ:仲が良いのは大変良い事だな。

筆者&か:うはっはっはっはっはhhっはっははははh。


 とまあ、今後あとがきはこんな漫才形式で行こうと思っております。別作品の様に次回予告とかもうめんどい。


か:まあ、あれだ。この後も核地雷級の地雷埋まりまくってるもんな。

筆者:うん。書き始めて思ったけど、ままれさんでもこの後の展開を地雷踏まずにに書くのは無理だったかもしんない。

あ:さ◎きさんや、が◎うさんでも無理だったのではないのか?

か:アイツらも関係者だけど、まあ無理だろうなあ。

筆者:まあ一応心理歴史学者(笑)だから、そういうの整理して書くのは得意だから、俺が書くしか無かったんだよねえ。

か:…………。おまいがネトゲ番長だから、うっかり地雷踏んでも力技でどうにかするからじゃね? 俺が言うのもなんだけど。いや、むしろガサツな俺が言うからこそ、あれな話じゃねえか?

筆者:(遠くを見ながら)教頭先生ポジションっって、大変なんだよ?

あ:死人を出しては行かんぞ、主君。

か:なんか妙にリアルだからやめろ。

筆者:書くのに最大のネックだった文章力も、自分の作品を数作書いて、そこそこクリアできるようになっちゃったからねえ。やっぱ習うより慣れろだわ。まあ、でもここの表現改善して欲しいとかの意見は随時受付中です。まだ未熟なもんで。

あ:うむ。その態度は偉いぞ、主君。

か:胡散くせえ。

筆者:なんか言った?

か:(口笛を吹く)

筆者:まあ、自覚してんだけどさ。

か:おい?


 この後喧嘩になったかどうかは皆様のご想像にお任せしつつ、また次回次話来月をお楽しみに。

 

 それじゃあ、まったね~。

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