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2-『転』

 私はきっと似ているのだ。


 死んだ旦那の姉に。


 容姿が、ではない。


 似ているのは、あの人の嫌がる顔が好きだということ、悲しい顔が愛おしいということ。


 面識はない。出合ったのがお姉さんが死んだあとなのだから。


 義理の母(おかあさま)に見せてもらった家族写真。

 

 まだあどけない旦那とその姉が映っていた。


 ピースサインの指を旦那の鼻に入れていた。何気ないイタズラ。


 お姉さんの満面の笑顔。

 気に食わない顔。


 露骨なやり方。私とは違う。


 きっと旦那は気づいてない。


 私とあなたの姉さんが似ていることに。


 あなたの姉がそれなりに貴方を愛していたことに。


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