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空想歴史学  作者: 少佐
世界観
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宗教

アーキス哲学・ツンバーバ教・メテオリタス教の三つの宗教が人類の大半を占める宗教である。教祖の思想が信仰対象であるアーキス哲学、聖山ツンバーバが万物の物質を造りだしたとし信仰するツンバーバ教、クレータ内の巨大隕石を神からの贈り物だと信仰するメテオリタス教が存在する。この三つの宗教は互いを否定し、しばしば戦争の原因にもなっている。自殺教は神の存在を否定し、火山教は他の民族の存在は下等だとし、隕石教は自由と神の存在を否定するものを容認しない。


アーキス哲学:自殺教

アーキス哲学(Arkiss philosophy)とはアファティマ=アーキスの自殺を神聖なものとして信じる宗教である。アーキスの自殺(進展)は、神話時代への反抗の証として、そして人間の理念や意識が何よりも優先されるべきだと考える宗教である。彼が生前唱えた哲学、つまり多神教の世界は存在せず、あるのは個人の意識のみ(神の否定)は、彼の自殺によって終了した第一世界、弟子たち(説法者)が全人類にこの哲学を布教し、同じ「意識」を作り上げていく第二世界、そして全人類の自殺と共にアーキスが復活し、一つの意識共同体コスモを作り上げる第三世界を目指している。この第三世界が到来するまでは自殺することはアーキスのみの特権とされ、禁止されている。信者たち(哲学者)は宗教指導者(哲教者)を頂点としたヒエラルキーの中におり、宗教指導者は第一世界にいるアーキスに現状の報告をするために次期宗教指導者によって他殺(譲位)される。この指導者の在位した期間が暦となる。


短剣派(Dageris)

アーキスが短剣で首を切って自殺したと考える宗派。アーキス哲学では荒縄派と並んで短剣派が二大宗派である。アーキスが自分の意志で短剣を首に刺したとし、それによって現世でのアーキスの世界(第一世界)が終わり、哲学者による世界(第二世界)が始まるとされる。哲教者が宗教指導者として君臨し、各地の哲学者にアーキスの論理を解釈している。


荒縄派 (Nesvarivilve)

アーキスが荒縄で首を括って自殺したと考える宗派。短剣による自殺は不可能であり、アーキスが短剣を持っていたことの記載は聖典である「学術書」の後半の方の最後の行にしか載っておらず、唐突すぎると哲学者レグジメデントが批判したことから始まる。一方、荒縄の記述は学術書の前半から多く載っており、荒縄こそが正しい自殺方法だと主張する。哲教者の他殺(譲説)は限りなく自殺に近いとされ、哲学に反すると考えている。レグジメデント家の子孫が最高説法者としてその地位を世襲し、全哲学者の世界(第三世界)の到来を目的としている。


ツンバーバ教:火山教

ツンバーバ教(Zumberbrish)とは、ツンバーバ火山の噴火口から万物の物質が誕生したと主張する宗教である。特定の教祖というものは存在しないが、歴代の皇帝ダーズが「噴煙の使者」としてされ、神の化身として扱われる。信者の大半がブルグルドーマ朝の臣民であり、彼ら自身も「噴石の子供」という共通意識を持っており、「万物の創造の期間(6年の噴煙期間)」にて神の次に新しく誕生した創造物だと考え、これがツンバーバ教の選民思想にもつながる。ツンバーバ火山は世界最大の活火山で、大規模災害から生き延びた人々がこの火山に対する畏怖の念や生き延びたことに対する神への忠誠にもつながる。一日6回、聖山であるこの火山に向かって礼拝を行うことが、信者の義務とされる。


西方火山教(Dvinyai)

第21回目(記録上)のツンバーバ火山噴火の際に、災害に合わなかったハーレンド島の住民を中心に信仰している宗教。火山教よりさらに選民思想の度合いが強く、神の民という意識を共有している。聖山がある本島ダーズマン島に君臨しているダーズに対して反抗的である。このことが「アルマンダーズの聖戦」の原因となり、最後には異端とされ排除された。


普遍火山教(Trizumberb)

ブルグムドーマ人のみが優越した存在で、神に愛された民族だという選民思想を否定し、聖山に対してのみ忠誠を誓い、ダーズは神ではないと主張する宗派。ブルグムドーマ帝国内や植民地、占領地にいる非ブルグムドーマ人を中心に信仰が広がっている。本家とは17回の宗教戦争の末に、聖山のみの信仰を勝ち取った。


メテオリタス教:隕石教

メテオリタス教(Meteoritas)とは、クレータの中心にある隕石を神からの送り物だとして、それを信仰する宗教である。ラフトゥマン=ターヴェス(最古の神)とその一族を信仰しているラフトゥマン=ターヴェス教は、幾度の宗教変革によってラフトゥマン=ターヴェス神に唯一の神秘性があると主張するサーヴェディウス教に変わった。信者とその国は暴君ラマンデウスの圧政の下に置かれていたが、預言者ラフマの導きもあって脱出。その後ラマンデウスの王国に巨大隕石が衝突し、一夜にして滅亡した「裁きの礫」が起きた。その後多くの信者達たちは自分たちの仇を撃ってくれた神に対して感謝し、その隕石を神からの贈り物だと考えるようになった。それが次第に不可視の神よりも、現物の隕石の方に信仰心が集まり、メテオリタス教が誕生した。


ラフトゥマン=ターヴェス教(Raftumantarves)

人類史の記録上最古の神であるラフトゥマン=ターヴェス神とその息子たちによる多神教である。すべての宗教の起源であり、神という概念を形成し、世界観を体系化した。この神を否定したことからアーキス哲学が誕生し、聖山から出てきた最後の創造物だと考えるのがツンバーバ教であり、この神からの贈り物が隕石だと考えるのが、メテオリタス教である。


サーヴェディウス教(Sarvedius)

サーヴェディウス(唯一)教とは、多神教だったラフトゥマン=ターヴェス教を否定し、唯一神の存在のみが真理だということを主張する宗教である。現在でも隕石へ信仰心を移したメテオリタス教徒とは異なり、唯一神にのみ信仰している。

  


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