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残像
君はいまどこにいるのだろうか。
どこかで君とすれ違うときを心待ちにしていたが、君は一向に現れない。
ふとした瞬間、君の残像が浮かび上がる。
あの頃の君は、眩し過ぎて何も真っ黒なところなんて無いと思っていた。
いや、思わないようにしていた。
君は抱えている真っ黒なものまでも燃料にして輝いていた。
あの頃の幼い自分では、君の背負っている真っ黒なものを肩代わり出来なかった。
君は憎んでいるのだろうか。
君の抱えている荷物に気がつかないふりをして、のうのうと生きている自分を。
憎まれてもいい、どんな罵詈雑言を吐かれようと構わない。
チャンスを与えてくれるなら、もう一度、君の側にいたい。