0 アーツ諸島
この度は『静寂の生彩』をタップしていただきありがとうございます。こちらの作品は長いものになりますので気長に更新を待っていただけたら嬉しいです。
とある場所に存在するアーツ諸島。
この諸島の設計者が元々西洋育ちであった為に洗練されつつ生活感の溢れる様式美を生み出した。
芸術志望の学生、芸術家。彼らの活動を支援するスポンサーを巡り合わせる玄関口であるアブ島を中心に方角に君する四つの島を合わせて表現していた。
貸出アトリエや学生専用アトリエ、特区申請の許可も降りている為1つ国の中でも外国のように扱われている。国によっては国内で留学という変わった制度が認可されていた。
丘には美術館が運営されており月に2回ほど個展が開かれる。無名であり順番を待っている期間は美術館の館内スタッフとして勤務することを条件に美術館の展示するスペースを無料貸出を可能にした。
館内スタッフ経験から島が運営する大学に在籍する学生が芸術家志望から学芸員志望に切り替え学芸員の資格を取得を果たす者も現れた。少なからず需要があると見た島の主は翌年から学芸員の資格取得の為の講座を開講させた。
時が経つうちに島にある大学は未来を創造する芸術家コースと過去を繋げる職人コースと大きく二つに分け隔て、島の芸術教育は花開いていく。
芸術に特化した場所ではあったが開校した当時人はとても疎らだった。いくら設計者が有名人であっても世間の見解はプライベートスペースという認識だったからである。設計者は幅広い年代と多国籍、芸術を愛する精神を共有する為に初めに日本に4つほどアーツ諸島を経由する船と飛行機の運営を始め、大きな話題を呼んだ。
それをきっかけにさまざまな国から学生や現役引退をして隠居生活を始める人達が島に集結するきっかけを生んだ。個々の作家の小さな活動は、島全体が芸術を愛する人達を中心に回る大きな観光地にしたのだった。