魔王の誘いを蹴った者
ここにモノがくるのは久しぶりだ。
此処にくるのは、魔王からの催促の手紙を持ってくる奴と暗殺を依頼されたモノ達だけ
昔は、凄くたくさんのモノがこの屋敷に集ったものだ
しかし、私が魔王の誘いを断ってからは誰しも私から距離をとった。魔王が機嫌を損ねれば、下っ端であるモノ達は跡形もなく吹き飛ぶであろう。そんな魔王からの誘いを断った私と一緒にいればその危険性は高まる。
仕方が無いことだと思っていてもやはり、寂しいものは寂しかった。かつては賑わってモノ達であふれかえっていた部屋は今では寂しさを紛らわせるために買った本の山に埋め尽くされており、私すらかろうじて入れるかという狭さになっていた。本の山に囲まれていると独りの寂しさはやわらぐ。
蔦達も慰めてくれるが彼らは難しい問答は出来なかった。ただ、命令に従ってくれる存在であった。
だから、この森に侵入者が来たときいつもとおなじく期待してしまった、かつての仲間がまた訪ねてきてくれたのだと…
実際は、奇妙な形をした魔物が迷い込んできただけだったが。
しかし、あの魔物はこの渇ききった心に潤いを与えてくれた。
モノと口を使って話すのは何億年ぐらいぶりだった。彼からは殺意も感じなかったし私が出した得体の知れない肉も喜んで食べてくれた。きっと、今は蔦が整えた部屋でぐっすりと眠っているだろう。
久しぶりの来客に口元が弛む。あのモノは他のモノと何が違った。だからだろうか、これから起こる騒動に想像を馳せながらゆっくりと瞳を閉じた。その瞳はいつもの生気の無い目ではなく希望に輝いていた。
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起きたら知らない天井だった。
しかも、なにやら自分はカエルみたいな姿をしている。
一体どうしてしまったんだろうか…
「ああ、やっぱり夢じゃないよね… あまりに突拍子もないから夢かと思ったのに… 過去の俺は何であの男の子助けようとしたんだっけ? うーん、思い出せない… 何でだろうやっぱり記憶がいつもより曖昧な気がする…」
そんなことを呟きながら起き上がる。そして、ふと思い立ってステータスを確認した。
もしかしたら名前を入れた後に変化があるかも知れないから…
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名前:コトハ
※本名:葉山 龍太
Lv 4
称号:学生
お人好し
可哀想
不憫
神に殺された人間
神に愛された人間
死を畏れぬ勇者
最高神の使者
蛙になった人間
異世界の者
魔王の誘いを蹴った勇者に拾われた男←New!
生命力:100000000/100000000(※)
HP:700/700
MP:4000/4000
攻撃力:840(※)
防御力:1020(※)
素早さ:1000
賢さ:表示不能
特典:制御
魔力の種
変幻の力
‡§★◯†●
(※)は‡§★○†●に関連して¶¦†・する
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おお、なんということだ知らない称号が増えてる…
お久しぶりです。
続いてますよ?