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 昔を思い出しました……

 昔、父親から耳がたこになる程聞かされていた話を思い出した。

 それは、 比較的不幸が重なる我が家に伝わった話だった。


『いいか、我が家に不幸が沢山降りかかるのは、それだけ神に目をかけられているからだ。神はいつも退屈している。だから、常に変化を起こそうとする。その一環にある特定の人間に目を付けて色々な試練を受けさす。そして、人間の思いの強さや、愛の力を試させるのだ。昔からそう言う話は腐るほどあるだろう。その大役を、我が家は貰っているのだ。だから、不幸を嘆くだけではいけないよ。人間の力強さを神に見せつけて、隙を作ると幸せが舞い降りてくるのだから』


 そう言う父親は、まるで知らない人のように達観した瞳をしていた。

 しかし、俺はそのまなざしを見て思ったんだったけ?

 こんな家に居たくない。全てを諦めて生きていくなんて嫌だって‥‥‥


 あと、何故か我が家は蛙を信仰してたな~

 何故か気にならなかったけどな。今から思うと、変だな?


 いや、しかし、この話って何だか今おかれてる俺の状況をまるで知ってたみたいな?

 はっ、まさか現在の状況を預言してたのか?

 たしか、先祖のお婆さんが言い残した話って言ってたよな~

 ははは、先祖のお婆さんすげーな……


 はい、落ち着いて考えてみた結果、この状況を預言してたっぽい先祖のお婆さんが凄いと言うことが分かりました。

 よく考えると、昔から災難に好かれてたな。身近で起こることは漫画の世界でよく起こることばかりで、凄く大変だった。

 それで、周りから距離を置くようになって、目立たないようにしてたっけ………

 とにかく平和に暮らそうと思っていたのに……

 最近は特になにも起こらなくなって、やっと普通の生活が出来ると思ったのに、やっぱり騒動に巻き込まれて、死んじゃうしなぁ~

 親父、ごめん。もう少し、真面目に話を聞いておけば良かったよ………

 まぁ、どうしてこんなことを呑気に考えているのかというと、目の前の光景から現実逃避をしたいからです。

 ちょっと前に『神を見返してやる~ 』とか言っていた男ですが、そんな事知りません。

 それより何でも良いので知っている物を、目に優しい物を下さい。


 脳が焼き切れる日も遠くない。

 ハハハハハハハハハハハ‥‥‥


 いやー! 助けて、理解が及ばない。自分はどう見たって蛙なんですよ。しかし、口を開けばニホンゴが聞こえるー 周りも『口はどこにあるの?』や『生きてるの?』的な方々ばっかりなのに、ナゼ、ニホンゴがキコエルノ?

 いや異世界なのは覚悟していましたが、なぜ人型がいないのですか?

 ちゃんとこの世界のことを説明してからとばしてほしかったです………

 どんなに考えても、目を瞑ってみても、目の前の光景が変わることはなくただ理解が出来ないと精神が病んでくる。


 しかし、突如として意識がハッキリして、冷静が戻ってきた。

 この風景が当たり前なのだと認識した。

 そして、自身が先ほどまで当たり前だと思っていた事が書き換わっていく。

 知識が還元されて、新たな知識を詰め込まれる。

 まるで、感情を切り離されたような感じがする。

 そして、何かを喪った喪失感だけが残った。

 過去が薄くぼやけて、詳しく思い出せない。


 こほん、整理する為に考えてたのに、段々思考がずれるというね。あるあるだよね?

 さてと、何故か冷静になったので周りの状況を考えるぞー 

 何故、冷静になったかとか考えない。考えたら、また何かを喪う気がした。


 あれ? 今気がついたけど、なんか視界の右下に [メニュー] って書いてあるボタンぽいのがあるんですけど………


 それは、開こうと思うだけで開いた。どうやら思うだけで動かせるみたいだ。ゲームみたいだな~

 えっと、目の前に薄い半透明のボードみたいのが出てきて、自分の能力が出てきた。


 ━━━━━━━━━━━━━━━━━


 名前:__________


 ※本名:葉山 龍太


 Lv 1


 称号:学生

 お人好し

 可哀想

 不憫

 神に殺された人間

 神に愛された人間

 死を畏れぬ勇者

 最高神の使者

 蛙になった人間

 異世界の者


 生命力:70000000/100000000(※)


 HP:300/500

 MP:2000/2000


 攻撃力:700(※)

 防御力:1000(※)

 素早さ:700

 賢さ:表示不能


 特典:制御

 魔力の種

 変幻の力

 ‡§★◯†●


 (※)は‡§★○†●に関連して¶¦†・する


 ━━━━━━━━━━━━━━━━━


 確か、HPはヒットポイント、生命力だな。そしてMPはマジックポイント、魔法力だな。これがあるという事は魔法が使えるのか!

 この世界で唯一嬉しいことだな~

 しかし、この数字がどれだけ凄いのかはよくわかんないな?

 うーん、この世界の平均が確かHPが大体40ぐらいで、MPが70ぐらいだから………

 あれ? どうして俺がそんな事知ってんだっけ?

 まあ、分かってれば困らないしまあ良いか。それより、凄いな~ さすがチート。

 しかし、称号とか特典とかはよくわかんないな………

 それに化け文字は不吉な予感がするけど、考えないようにしよう。

 それより、空欄の名前欄は自分で考えろということかな?

 空欄の名前欄を見ると、カタカナ語表記の五十音図が出てきた。

 これで、入力するのかな?

 変換のボタンがない。漢字は無しだな

 自分の名前を改めて決めるなんて変な感じだな


 んーん、駄目だ。思いつかない。

 保留にしよう!


 他に気になるのは、やっぱり『変幻の力』だな。

 と言うことは、カエルじゃ無くなるのか?


 よし、人間、人間。


 ボシッ!


 変な音と共に体が変わった。

 ちゃんと、元の身体に近い感じだ。


 しかし、手には水かきが付いているし、肌も緑に近いのだ。


 と、また ボシッ! と言う音がしてたった、十数秒で蛙の姿に戻った‥‥‥


 また、メニューを見ると MPが0になっていた。

 と言うことは、MPを増やせばもっと人間になる時間が増えるのかもしれない!

 それか、詠唱が必要だったのかもしれないな~


 段々と赤が濃くなる空を見ながら、どこで寝ようか頭をひねるのだった。








 ご感想、誤字の指摘がありましたらどしどしお寄せ下さい(o_ _)o

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