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 異世界転生する事になりました。

 少し『神に強制的に異世界に連れていかれました。』と関連してます。

 そこは、魑魅魍魎ちみもうりょうがばっこする世界。

 空は赤く、二つの大きな惑星が赤い空の大半を占めている。

 目の前の池は、水銀が溜まっているかのように銀色に輝き

 地面は赤黒い岩てで覆われ、後ろに崖があるのだが、その下は大きな街があってその街の奥には魔王城かと思うほど禍々しい城が佇んでいる。

 池の奥には道らしい物があり、ドラゴンっぽいのや、ウネウネしている方々が進んでいる。


 そんななか、俺、葉山 龍太(はやま りょうた)は池に映る己の姿を見ていた。 

そこに映っていたのは、見馴れた黒髪の色白で目が死んでいると称される、今にも倒れそうな病弱の男はいなかった。代わりに、パッチリとした目に大きな口、そして、緑色の可愛いフォルム。


 そう、俺は、『あまがえる』になっていた。しかも、元の体の1/10(約17センチ)の大きさだ。


 俺は、カッキリ一分後に叫んだ。


「ふざけるなー!!!」



 ▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼


 事の始まりは、交通事故だった。

 夏の暑い日、いつも通りのつまらない学校生活が終わり、俺は帰っていた。


「ふぁー、つまらんな〜 何か刺激的なことが起こらんかな〜 」


 あくびをしながら信号待ちをしていると、目の前でボールを追いかけてこちらに来る三才ぐらいの男の子がいた。

 ボールしか目に入っていない様子の男の子が気になり、立ち止まって眼で追っていると、ちょうど歩道の信号が青に変わった。そのことに安堵した俺は視線を逸らしまた、のんびりと歩く。

 しかし、走ってきたトラックがすべての景色を変えた。

 信号が赤だというのにそのトラックは止まる事はなく、まったくスピードを緩めないのだ。どうやら麗らかな日差しに負けた運転手は夢の世界へと飛び立ったらしい……

 いやいや、こんなのんきなことを言っている暇はない。あの男の子は、どうなった?

 視線をさまよわせて男の子を振り返る。案の定男の子はボールを抱えて固まったままだった。

 その男の子に突っ込んでくる居眠り運転のトラック、その時、俺の体は勝手に動き出していた。

 男の子を守るために……

 おもわず目を閉じて手を突き出す。

 しかし、男の子を突き飛ばすはずだった腕には何の衝撃も来ない。

 目を開けて見た風景は、男の子が薄く空気に溶けるように消えていく姿という衝撃のシーンだった。

 

「は?」


 思わず思考が停止する。それに併せて身体も止まっていた。トラックの目の前に体を晒したままで……

 『キキー』麗らかだった住宅街に大きなブレーキ音が響く。

 それを聞いたとき、俺の体はまるで毬のように空を跳んでいた。

 その衝撃は凄まじく、腕や足が不自然な方向にねじ曲がる。

 俺の平和を返せ~

 そう思いながら、意識はブラックアウトした。


 ▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽


 ポタン、ポタン……

 水滴が落ちている音がする。


「あー、やっちゃったね〜 結構な不祥事だよ〜 息子だからってちょっとね〜 錘螺すいら様は立場じょう大ピンチ♪ まぁ、代わりに死んだ貴方には、同情するよ♪」


 いったいどうなったんだ? 俺は死んだんじゃ? クソ、目が開かない…… 


「……仕方がないのです。必要な被害です、が、それじゃああんまりかと思うので、代わりに転生して上げます。まあ、私の世界は無理なので他の神のところからですけど…… これで文句ないですね、雷呀らいか


 いや、勝手に決めるなよ!!

 助けようとした男の子、お前の息子か!! 

 じゃあ、消えていった男の子は無事なんだな……


「いいんじゃない〜? じゃあ、さっさと送っちゃえば?」 


 ってちょっと「勝手に決めるな!」(勝手にきめるな!)

 おお、俺の気持ちの代弁者がいたー!


「また問題を起こしましたね! ハァ、こちらの身にもなってください。しかもこの人、魂のままじゃないですか! このままだと転生以前に、普通に成仏してしまいますよ…… まぁ、その方がいい気がしますが……」


 ため息がやけに重く響く

 しかし、言われ慣れているのか錘螺すいらとかいうやつは軽く流した。


「あっ、そうでした。私としたことが…… 『えい!!』よし、後は任せました。」


 そう言うと、錘螺と呼ばれていたやつと水雷と呼ばれていたやつの気配が消えた気がした。残った一人が俺の気持ちを代弁してくれたひとの声だったので間違いないだろう。

 因みに『えい!!』という掛け声で、俺は元の姿を取り戻し、目も見えるようになった。どうやらここは監獄みたいだ。通りで音がよく響く場所だと思ったよ!!


「いや、待ちやがれ…… もういない。ハァ、逃げ足だけは神壱ナンバーワンだな…… 」


 疲れたように呟くその人は凄まじく美形だった。少し視線を泳がしてしまうほどに……

 赤い濡れたような瞳と薄い緑の髪の男は、細い指を髪に潜らせてうなだれる。

 そして、俺の方を睨みつけた。


「なんで俺がこんな目に…… やっぱり出て来なければよかった。」


 その美形の男はそう呟くのと同時に立ち上がる。そして、俺を見下ろす形になったまま言った。


「はぁ、また問題を起こしやがって。俺の主を困らせんじゃない‥‥‥ おい、お前、災難だったな。

 私はある主の神氏かみしろをやっているものだ。神氏はまぁ、神の代理や世話をやる奴の事だ。

 別に俺がここにいるのは、別に問題を押し付けられたんじゃないからな?

 あー、それから、私のことはラガーと呼ぶようにしろ。神の願いだから転生させてやるが無駄に期待するなよ‥‥‥ 」


 その言葉と同時に、俺の肩を叩いた。その瞬間に首輪・・が着けられる。

 ‥‥‥へ? 何故に首輪?


「よし、これで大丈夫。」


「はっ?…… いや、何が大丈夫?…… しかも、なぜ首輪? 」


 混乱する俺に、ラガーさんは少しだけ気の毒そうな目線を向けながら説明してくれた。


「迷い魂だと勘違いされないためだ。因みに迷い魂だと、すぐに天国か地獄かに強制送還だ。それに、必要なければそんな真似はしない。」


 そして、首輪についている鎖を掴み歩き出した。俺は抵抗もせずに歩く。

 そういえば、別に俺は転生したいなんて一言も言ってないはずだけどな~? どうして、選択肢が

転生一択なんだろう? まあ良いか、憧れてたのは事実だし。


「すいません。あと、説明してくれてありがとうございます。因みに何処に向かっているのですか?」


 そう聞くとラガーさんは、こちらをチラリと振り向いて言った。


「お前のために最高神の所にいく。」


 そして、ラガーさんはそっぽを向いて少し速足になった。


 ▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽


 暫く歩いて奥まった場所に来た。そこには俺の身長を三つ足したみたいな高さを感じる両開きの扉があった。それを軽々と開きラガーは言った。


「さあ、着たぞ。最高の神の元に」


 ‥‥‥しかしそこは、どう見ても子供部屋だった……


「どこ、ですか? ここは?」


 そう言うやいなや、部屋の奥にあった障子がスッパーンと開いた。そうして中から出てきたのは‥‥‥



「だから、最きゅう‥‥‥最高神さいこうしんの部屋だってゆってるだろうが!」


 幼女だった。


「は? 」


 因みにラガーさんは頭を抱えている。それは、まるで『やってしまったなぁ』というどんよりとした雰囲気と、『分かってますよね★』的な黒いオーラが溢れ出た不思議な様子だった。


「まさか、この‥‥‥方が最高神なんですか? 」


「ああ、そのまさかだ‥‥‥ 信じられないかもしれないが、このお方は私の主でもある。」


 そう言うと、何もかも考える事を止めたようなうっすらとした笑みを浮かべて、仁王立ちをしている最高神に目を向けた。

 ほんの少し、ラガーさんの苦労がわかった気がした。俺だったら辞めるな、この職場。

 と、さっきまで自信満々な様子でドヤ顔をしていた最高神は、ラガーさんの様子に自分の役目を思い出したのか我に返ったみたいに慌ててまくしたてた。


「よし、えーと。お前は異世界に転生したいんだよな? よし、ならばラガーが気に入っているから良いところを選んでやろう〜 」


 そうして、袖を振ると地球儀ぽいのが四つと、平面の地図みたいのが七つ出て来た。


「むっ、これぐらいで良いかな? よし、この中から選べ」


 その言葉と共に目の前にそれらがフヨフヨと飛んできた。


「えっと、これは何ですか? 地球儀ぽいですけど? 」


 フヨフヨと浮かぶそれらを見ていると、つつきたくなるな。

 思わず、手を伸ばそうとした。その時、最高神は口を開いた。


「それは世界だよ♪ お前が行きたいという世界をその中から選ぶんだ。もう飽きてきた~ 早く選べ」


 それは冷酷で人に命令する事に慣れた上に立つ者が出す言葉であり、神いや、最高神である事を強く感じる声であった。

 無意識に後ずさりそうになる俺を後から支えたのは、ラガーさんだった。

 その顔は笑っていたが、目はまるで物を見る目になっていた。


 ははは、気絶しても良いですか?


 蛇に睨まれた蛙並みに微動だにしなくなった俺の目の前に一つの地球儀ぽい世界が飛んできた。

 というわけで、選ぶ間もなく『魔地獄まじごくの界』に決定致しました。

 そして、冒頭の状態に戻ると言うわけです。

 ああ、なんで俺はあの時に転生してみたいなんて思ったんだろう?


 ふふふ、もうこうなったら最強になって神を見返してやる~


 頑張って、更新したいと思っています。


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