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ネタは日常にあふれている

作者:

駄文です

 とある夏の日のこと、1人の少女が自室で唸っていた。テーブルの下にうつ伏せになり、顔を愛用のクッションにうずめている。…上から見ると、まるで亀のようだ。2畳半の部屋に窓はあるがエアコンは無く、約28度の外の気温に対し、室内は26度とあまり変わらない現状に風鈴だけが必死に涼しくしようともがいている。だが、そんなことを聞く余裕もない部屋の主には聞こえているはずもなく、風鈴の骨折り損だ。

 唸り声が部屋を満たして約2分。何かひらめいた様子の少女が急に立ち上がろうとした。

「い゛っ…」

 ガタンと大きな音を立てテーブルのうえにあったノートパソコンが揺れる。立ち上がろうとした少女は自らの上にあったテーブルに腰を強打し、崩れ落ちたのだ。しばらくその場に伸びていた少女は、ゆっくりとずるずるとはいずって、テーブルの下から抜け出した。そして再び勢いよく立ちあがると、空を睨んでこう言った。

「そうだ、コンビニに行こう」

 こんなバカみたいなことをしているが、彼女は立派な大人だ。鈴堂玲奈(りんどう れいな)23歳、それが彼女のステータス。暑い中パソコンと向き合っていたのは、玲奈が小説家だからだ。


「…らしゃいませー」

  コンビニに入ると、冷たい空気とだるそうな店員の声が迎えた。ここは山の上にある唯一のコンビニのため、多くの人であふれていた。玲奈は買い物かごを片手にドリンク売場へ直行。おもむろに扉を開け、かごに入れて行く。いつものお伴のスナック菓子を求めてお菓子コーナーに入った時玲奈に小さな問題が生じた。

(オオイケヤのポテチが…ない!?)

 玲奈の視線が彷徨い、冷や汗が流れ始める。彼女の前には『オオイケヤ ポテトチップス』と書かれたプライスが貼ってある空欄のフェイスがあった。ポテチはポテチでも、オオイケヤのポテチにこだわりがある玲奈にとって、これは一種の死活問題である。きょろきょろとあたりを見回した時、品出し中の店員に目がとまった。

「あ、あの…」

「…どうかしましたか」

 今にもため息をつきそうなほど気だるげな声で返事をした店員は、視線を後ろに居た玲奈に視線を向ける。玲奈は目が合うと、一瞬どきりとした。店員は大学生くらいの、線の細いイケメンだったのだ。店員は胸元に「あかつき」と書かれたネームを付け、ネームの脇にペンを付けていた。

「…オオイケヤのポテチ、バックの確認してくるんで、ちょっと待っててください」


 わけを話すと、店員のあかつきさんはバックルームに入って行った。他に買うものもないため、少しそわそわしながら店員の帰りを待つ。3分たらずで店員は帰ってきた。

「これであってますか?」

「あ、ありがとうございます」

 ポテチを手渡す店員の手は細く長かった。手元を見ていた玲奈が頭を上げると、見上げる形になってしまった。玲奈の身長は約150センチで、頭2つ分くらいの差があるため、彼の身長は約170センチ、といったところだろう。

 玲奈はぺこりと頭を下げてレジへ向かった。片方のレジに休止板が置いてあるのを確認するともう片方のレジへと並ぶ。

“ブ――”

(何だ!?)

 玲奈が並ぶと同時位に音が鳴り驚いていると、品出しをしていた先ほどのあかつきさんが隣のレジへ入った。

「お次の人どうぞ―」

 ちらりとこちらを見て、休止板を後ろに下げる様子に目を引かれながら、玲奈はかごをレジへと出した。

 ピッピッ…静かにレジを打ちこむあかつきさんから玲奈は目を離し、二つのレジのちょうど真ん中にある中華まんに目が行った。

「あ、すいません。あと、肉まんひとつください」

「肉まんひとつですね。合計1256円になります」

 あかつきさんは中華まんを取りに行こうとすると、隣のレジをしていた店員が持ってきてくれた。

「肉まんひとつだよね?」

「あざす」

 玲奈はレジに並ぶ二人を見て、動揺した。

(い、イケメンが二人っ)

 「くどう」と書かれたネームを付けている男性は、黒髪に黒ぶちの眼鏡で爽やかな好青年だ。身長はあかつきさんより少し高いようだ。

「お待たせしました。」

「あ、ありがとうございます」

 くどうさんに笑顔で言われてはっと気付くと、袋詰めが終わっていた。お礼を言って品物を受け取り、コンビニから出た。


 照りつける太陽と煩く鳴くせみの声に、現実を思い出しどんよりとしながらも、玲奈の頭の中にはひとつのネタが思いついていた。

(次は、コンビニ店員で行こうっ)


 家路に付きながら、彼女の脳内は妄想であふれている、いつもの日常に戻っていた。

読んでくださり、ありがとうございます。

一気に書き上げたので、ご容赦ください。

さて、玲奈さんは、あっち系の小説作家さんです。(そんな要素が小さすぎて見えませんが)つづきを書けるか、分りませんが、玲奈さんを大切にしていきたいとは、思っています。

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