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Love"less"letter

作者: まゆきゅう

『許してね、そして幸せにね』

 許せないしもう幸せになれないかもな。そう呟くと心の中のお前は困った様に笑ってた。今でもお前のことを愛してる。出来る事なら会いたい。

 享年19歳。早すぎるお前の死は一年たってもまだ俺には忘れられない出来事で、そして呪いの様に俺の心を縛っている。少し格好つけた表現したかな?でもいつまでもお前のことが忘れられないのは本当なんだ。今でもお前に恋してる。もう会えないお前が好きだ。

 でも、今日で諦める。言ってることが無茶苦茶だな。でも、決めたんだ。だからこれがお前に対する最初で最期のラブレターだ。 

 メールよりも味があるだろ?

 なにから書こうかな。お前が死んだ後の話からしようか。お前のお母さんから連絡があってお前が死んだことを聞いて、すぐ病院にいった。そしたらさ、お前の周りで皆がうつむいて泣いてるんだ。おばさんやあの怖いおじさんまで泣いてたんだぜ?正直、お前の姿を見ても実感なかった。あまりにもきれいだったんだ。寝てるようにしか見えなかったよ。

 そんなこんなで葬式も終わった。高校の時の皆も泣いてた。特にお前といつも喧嘩してた奴(名前忘れた)が一番泣いてたんじゃねえかな。後で話し聞いたんだが俺には病気の事言ってなかった癖に友達連中には言ってたらしいな。今でもちょっと怒ってるからな。

 そんな感じで日常にもどった。講義も始まった頃。気がついたら携帯が手元にあるんだ。お前から連絡が来る気がして。来るはずないのにな。そこで気づいた。もうお前に会えないんだよな。そこからはもうダメ人間だよ。講義休んでずっと泣いてた。お前が置いてったクッションからお前の匂いがしたんだ。

 気がついたらクッションを抱きしめながら気絶してた。二日ぐらいは寝てたらしい。うちのおかんが本気で心配してたな。翌月位からは普通の生活を送れるようにはなっていた。

 っていっても、大学は相変わらず自主休講してたが、少し前の俺に比べたら随分進歩したよ。

 そんなある日お前のお母さんから連絡が来た。あの手紙のことだ。受け取りに行ったらびっくりしたよ。やつれた顔で『和君痩せたね』だなんていってんだもん。きっとおばさんも俺と同じ様に…いや、俺よりもっと泣いてたんだろうな。お前が病気をなんで隠してたのか、なんでこのタイミングで手紙をわたしたのかを話してくれたよ。ずっとごめんね?って泣いて謝ってくれたよ。お前、いつか親孝行しないとな。家に帰ってから改めて手紙を読んだ。忘れたと思ってた淋しい気持ちが。お前のことが大好きな気持ちが。読んでるとあふれてきてまた泣いた。人間こんなに涙でるんだなって思ったよ。淋しかった。

 『許してね、そして幸せにね』

 読みながらふざけんなって思ったよ。許すとお前を忘れてしまいそうで、だったら恨んでいたほうがお前のことを覚えていそうで。 

 でも無理だったよ。だって好きで好きでどうしようもなかったんだ。俺はお前に甘かったからな。本気で恨むなんてできなかった。でもあの時は本気で恨もうと考えてた。俺が幸せにしたいのはお前だけだったのにそんなこというなんて許せない。なんて本気で思うようにしてた。まぁ、結局挫折して、忘れることにしたわけなんだけどな。

 それから月日が経って行って。半年ぐらいたった頃。バイト先の女の子に告白された。

 正直に言えばうれしかったよ。かわいくておとなしくて、いい子だった。でもなんだろ、その子ことを真剣に考える事ができなかったんだ。結局断った。その子は諦めませんなんて言ってくれて、本気でうれしかったことを覚えてるよ。あ、自慢じゃないからな。

 お前のことは吹っ切れたと思ったんだけどな。まだしっかり引きずってたみたいでな。

 それぐらい俺の中でお前が大きかったんだ。

 なんであの時はもっと一緒にいなかったのかな。もっと幸せな思い出を作ればよかったな。ずっと後悔している。

 昨日な、お前の夢を見たんだ。お前に告白された夢。その夢を見たときに思ったんだ。俺まだお前のこと好きなんだって。今までずっと忘れようと。考えないようにしてたことを一年たった今思い出したんだ。やっぱりお前のこと好きなんだ。

 そして同時にこうも思った。きっと、こんな俺の姿を見たら、お前は笑うだろうって。   

 そして困るだろうなって。お前とのいろんなことを思い出してるうちに、忘れるんじゃなくて、立ち直るんじゃなくて、失恋しようと思った。それがきっと良いんだろうなって思った。自分でもよくわからないけどな。それが俺ら二人にとっていいのかも知れない。

 そう思ってこんな長いラブレターを書いたわけだ。今までこんなの書いたことなかったから、書き方当たってるかわかんないし、間違ってたら恥ずかしいけど、そういうのも俺らしいってことにしておいてくれ

 あなたの事が3年前から、手をつないだ時から、キスをした時から、抱き合った時から、

ずっとずっとずっとずっと前から大好きでした。でも僕はあなたよりもずっとずっと大切な人を探します。あなたよりもずっとずっと美人で。あなたよりもずっとずっと愛くるしくて。あなたよりもずっとずっと暖かくて。あなたよりもずっとずっと僕を愛していてくれて。あなたよりもずっとずっと長生きしてくれる人を探します。僕はきっとあなたといた時間よりもずっとずっと大きな幸せを感じるでしょう。あなたが嫉妬するほど。あなたが後悔するほど。

 でも、あなたと一緒にいた時間を一瞬たりとも忘れませんし、あなたと一緒にいた時間を一瞬たりとも不幸な思い出にしません。最初から最期まで幸せな恋でした。だから僕の幸せはかなり難しいものでしょう。出来る事なら、その人があなたとは全く違う声や姿でいて。そしてできるならあなたの様に居心地のいい人であることを願います。

 たくさんの幸せをありがとうございました。

              島崎 和



 『あなたの一年忌がさっき終わりました。和君。かっこよくなってましたよ。和君にこの手紙を預かりました。そして、読んでしまいました。ごめんね。いけないことなのはわかってたんだけど。そしてあなたが、和君が本気で恋していたこと、本気で愛し合っていたことを改めて感じました。失恋しちゃったね。でも、これで良かった。私はそう思います。なんだかんだで和君はまだあなたの事が好きなんだと思います。でも和君はそのことを背負って、前を向いて歩き出しました。次はお母さん達です。あなたの分も私達や唯達。家族が楽しく人生を謳歌しようと思います。だから、和君だけじゃなく私達家族のことも忘れず見守ってくださいね。あと、淋しくなったらいつでも帰ってきてください。あなたの家はここですからね。

  わたしたちはずっとあなたを愛しています。 母より』

ここに至るまで読んでいただきありがとうございます。新参者まゆきゅうです。

実はこの作品、別れた彼女への未練を断ち切るために去年2時間ほどで書き上げたものです。

その後文○社さんのところになんとなく持っていくとまさかの嬉しいお話をいただけました(察してください)

ですが個人的な都合もろもろありお断りし、なんとなく眠らせるのはもったいないかなーなんて思いここに投稿しました。

改めて読み返して、すごく恥ずかしくなりました。

一年前の俺、文章下手くそだなー

なにはともあれ、このあとがきまで読んでくれたあなた様と俺とはなにか縁あって、こんな(一方的な)コミュニケーションが取れてるのかもしれません。

再び縁がありましたら、見てやってください。

それではまた会う時まで。

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