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反抗期ブラザーズ

作者: crow

「久保田君。ノート書きなさい。」


理科の時間、女教師「高橋」は、久保田を怒っていた。


「チッ」


そういいながら久保田は、掌を机に激しくおいた。


「高野君。本を読むな。」


「チッ」


そういいながら高野は、本を机に叩きつけた。


ここは、K中学校の2年4組。


反抗期を迎えたものが数多くいた。


ここにもまた1人、教卓の前で仁王座りで寝ている反抗期がいた。


「中橋君、起きなさい。」


中橋は、ビクともしない。


高橋は、中橋を2、3度叩いた。


「ぁんぞ!オラァ!」


そういい終えると中橋は、再び眠りについた。


高橋は、あきらめて授業を再開した。


しばらくすると、高野の後ろの席から声が聞こえた。


「あー!盗まれてるー!」


クラス全員の視線がその男に降り注がれた。


「古西モバゲーすんなや!」


「怪盗ロワイヤルすんなや!」


久保田と高野は、古西に言った。


「古西君。それもってきなさい。」


高橋は、携帯を指さして言った。


古西は、ふてくされながら前にでた。


「ちょっと来なさい。」


そう言って外に出て行った。


そのとたん、クラスがざわめき始めた。





「塁、どうだった?」


帰ってきた反抗期に高野は聞いた。


「説教だけで済んだわ。案外高橋っていい奴だな。」


「まだ新米教師だからな。」


反抗期達の会話に割り込んで、女教師が教室にはいってきた。


「席にすわりなさい。」


その女は、2-4の担任の田野だった。


「レッツスタート」


英語教師の田野は、いつもの号令を始めた。


「スタンドアップ」


と同時に全員が席立ちをした。


1人の反抗期を除いては。


「中橋君、起きなさい。」


中橋は、目を覚まして、大きなあくびをした。


「早よ立てや!バカ橋!」


高野が言った。


ノリにのった中橋は、言い返した。


「なんぞ!バカ野!」


「やかましい。だまりなさい。」


田野が怒った。


高野たちは言う事を聞き、着席した。


「みんな、教科書の32ページあけて。」


言われたとおりにした。


「ニック ヲントゥー プレイ サッカー」


田野が教科書を読んでいく。


すると、高野が何かに気づいた。


「おい!このニックってやつ、池田に似てない?」


ニックとは、教科書に出てくる登場人物だ。


「本当だ!似てる!」


「池田じゃん!」


池田もだまってはいない。


「お前らぶっ殺すぞ!」


教室がざわめき始めた。


とうとう、田野の堪忍袋の尾が切れた。


「やかましい!いいかげんにしなさい!」


そこから長い説教は、授業が終わるまで続いた。





給食の時間。


「中橋君の列は、並んでください。」


給食委員が言った。


中橋の列の友田、高野、古西が給食をとりに行った。


いつものように、高野は友田を蹴って並ぶ。


おぼん、箸、と取っていき、次はごはん。


高野は、配膳係の今村に言った。


「山盛りに入れんと殺すぞ。」


今村は、ビビッて山盛りにした。


次は中橋。


今村が普通にごはんをつぐと・・・


「山盛りにしろや!」


ビビッて山盛りにした。


陰キャラの今村には、言い返す力がなかった。



「いただきます。」


と共に、みんなが合唱する。


給食の時間が始まった。


しばらくすると、昼の放送の時間が始まった。


雑学を言い述べた後、音楽が流れ始めた。


EXILEの「I wish for you」だった。


久保田が、「アイ ウィッシュ」のリズムのときに・・・


「アイ ニック アイ ニック」


といいだした。


乗り出した高野と中橋と古西が・・・


「アイ ニック アイ ニック」


と歌いだした。


周りは、笑いの渦だ。


ニックこと池田がきれている。


それを、田野が黙ってはいなかった。


「だまりなさい!久保田、高野、中橋、古西、昼休みに来なさい。」


あたりが静まり返った。


4人は、ふてくされている。


その中で空気を読めていない「アイ ウィッシュ」の歌はまだ流れ続けていた。





昼休み


反抗期4人は、田野の説教をうけていた。


なぜか、高野を筆頭に言っていた。


「給食の時間は無言っていうの知らんの?」


ネチネチうるさい説教に逆ギレしている高野は、無視した。


「ウンとかスンとかいいなさい!」


すると、高野は、思いもよらぬ言葉を発した。


「スン」


うしろの3人が笑いをこらえていた。


だが、絶えきれず爆笑した。


当然、田野はキレた。


「ふざけるな!」


また4人はすねた。


説教は昼休み中続いた。


いつものことだ。






放課後


反抗期たちの部活動の時間だ。


高野と中橋は野球部、久保田はサッカー部、古西はサッカー部だったが退部した。


野球部は、顧問が野球経験0で、普段の練習にはあまりきていない。


そのため、反抗期たちは暴れている。


高野たちが練習着に着替えていた。


高野がズボンをおろすと、隣の大神が叫んだ。


「高野、パンツがチャラいぞ!」


たしかに・・・


無数のハートが高野の下半身を覆っていた。


「チャラ男ですけど。なにか?」


高野が認めた。


すると、大神もズボンをおろした。


「大神、パンツがおっさんやぞ!」


高野が叫んだ。


「おれは、コウハや!」


2人が爆笑しているところで中橋がズボンを脱いだ。


それは、想像を絶するものだった。


「中橋、パジャマ脱ぎ忘れとんか!」


中橋は、グレーのパジャマらしきものを着ていた。


「わざとや!寒いからや!」


その後、高野、大神は、野球部全員のパンツを見て周り、爆笑した。






キャプテンの光本龍一の指示の下、野球部は練習を開始した。


とはいっても、光本は出席簿を書いているだけだ。


そのため、高野がチームをひっぱっていた。


ランニングの時、高野は変な声をだし、みんながそれにのっかる。


中橋は前にいるキャッチャー矢代の足をひっかけてこかしていた。


大神はファーストの東山をこかしていた。


ランニングが終わり体操をしていると、エースの鶴田が気づいた。


「敦也が女とおる!」


そこには、ショートの木野上が女としゃべっていた。


「本当や!」


みんなが叫びだした。


「木野上、いちゃいちゃすんなや!」


「練習こいや!」


無視している。


気づいているが無視している。


すると、木野上は、別れを告げ、着替えにいった。


中橋が言った。


「部活さぼって、女と遊ぶとか高野か!」


高野はいいかえした。


「さぼってないわ!バカ橋!」


「あんぞ!バカ野!」


始まった。


このふざけあいは当分続いた。







体操がおわり、ベースランニングをしていた。


だが、真面目にしているものは1人もいない。


そうしてベースランニングがおわり、つぎは


キャッチボールだ。


その時に各自バットを持っていく。


ベースランニングが終わったら、取り合いがはじまる。


だが、それも無駄なことだった。


「おい!だれぞ!ギャラクシーもっとるやつは!」


ギャラクシーとは、バットの種類だ。


「おい!東山!かせや!」


中橋が強引にバットをうばった。


まさに、弱肉強食の世界。


「おい!フォーティウスもっとんだれぞ!」


次は、高野だ。


高野もまた、強引に後輩からバットをうばった。


そして、キャッチボールが始まった。


スペースを最大限に使っていない1年にキャプテンの龍一はいった。


「広がれや!1年!」


そして、高野が余計な事を言う。


「付き合っとんか!」


周りは、笑いの渦だ。


道端に並んで自転車に乗っているカップルをみて、中橋は叫んだ。


「あいつら、付き合っとるで!」


また、笑いの渦だ。


しばらくし、やっとキャッチボールが始まった。


高野があることに気づいて、口にした。


「大神、影みんなや!」


また笑いの渦だ。


すると、大神はある行動にでた。


「大神、俺の影踏むなや!」


そういうことが続き、キャッチボール、トスバッティングが終わった。


次は、ハーフバッティングだ。


遅いボールを打つ練習だ。


いいバッティングをしたときに、


「高野、ナイバッティン!」


と叫び、女子にアピールしたり、


いい守備をしたときに、


「矢代、かっこいい!」


などと言って、とおりすぎるバドミントン部などにアピールしていた。


ハーフが終わって片付けをしていた。


すると、高野、龍一、中橋、鶴田、闇内がボールをできる限りもって、


「うらー!」


一斉にボールを大神に投げ始めた。


大神は必死で逃げる。


「あっいたー!」


何発か、命中した。


こうして、笑いの絶えない学校生活が終わった。



次の日


「高野君、本を読むな。」


教室に、机を叩く音が鳴り響いた。






                おわり






















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